FX・為替比較はALL外為比較

  • FX会社を探す
  • FXの基礎知識
  • Q&A
  • 外国為替マーケット予想

ALL外為比較 > 外為マーケットコラム > FOMC議事録公表後に米利上げ観測が強まるかがカギ

外為マーケットコラム

FOMC議事録公表後に米利上げ観測が強まるかがカギ

 8月10日からの週のドル・円はほぼ変わらず。12日の東京時間に中国人民銀行(中央銀行)が人民元を切り下げたことや、米利上げ観測から1ドル=125.28円まで上昇し、6月8月以来の高値をつけた。しかし欧米時間での取引に入ると、中国経済の先行き懸念や、株安、人民元切り下げによるドル高や輸入価格の低下によるインフレ見通しの悪化から、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月の利上げ開始に慎重になるとの思惑が広がったこともあり、一時、123.70円台に急落した。その日のうちに124.20円台に戻し、13、14日とも124円台前半から半ばでもみあって、8月第2週の取引を終えた。

 ドル・円は約12日に2カ月ぶりの高値をつけたが、その日、長大陰線を引く急落となり、不安定さを感じさせる相場ではあったが、米利上げ観測が根強く、下値は堅い。

 テクニカルからは12、14日に2度、25日移動平均線(17日の日本時間の午前10時半現在、1ドル=124.10円水準)を下回る場面があったが、終値では25日移動平均線を維持しており、下降トレンドには転換していない。

 今週は19日に先月28、29日の2日間にわたり開催された米連邦市場委員会(FOMC)の議事録が公表される。議事録の内容から米利上げ観測が強まるかがカギを握ろう。12日にニューヨークダウが一時1万7,125.81ドルまで下落し、2月2日以来の安値をつけたが、下値を切り上げ、14日には1万7,500ドル手前まで上昇した。ニューヨークダウが1万7,500ドルを回復し、堅調に推移すると、ドル買い意欲が強まるとみる。

 17日に内閣府から発表された日本の今年の第2四半期実質国内総生産(GDP)成長率一次速報は、前期比−0.4%、前期比年率−1.6%となった。事前予想の範囲内で波乱要因にはなっていないが、3四半期ぶりのマイナス成長となり、海外市場で円売り材料になるかが注目される。

 今週の予想レンジは1ドル=122円台後半〜125円台後半。米金利引き上げ観測が強まり、125円台に再上昇し、6月5日の高値125.85円を目指す可能性から、前週より、レンジ上限をやや高値に設定した。抵抗線は12日の高値125.28円、6月5日につけた高値125.85円。支持線は12日の安値123.76円、123円、122円の節目。

【ドル・円は123円台後半に急落も米株が持ち直し、124円台に戻す】

 10日のドル・円は7日に発表された7月の米雇用統計で失業率が引き続き7年ぶりの低水準で推移し、雇用拡大ペース継続などが示されたことから、年内の利上げの可能性の高まりから、1ドル=124円台半ば〜後半で推移した。この日は米経済統計の発表がなく、決め手を欠き、124.70円台で上値を抑えられた。

 11日は中国人民銀行が輸出不振で通貨政策見直しのため、20年ぶりに人民元を大幅に切り下げたことを受け、ドル買い・円売りの動きが強まった。中国人民銀行は人民元取引の基準値を毎日、日本時間の午前10時15分頃に発表するが、この日、約2%切り下げた。人民元の切り下げを受け、ドル・円は125円の節目を突破し、125.20円に上昇し、終値ベースで125円台を維持した。

 12日は11日のドル高、円安の流れを引き継ぎ、東京時間に125.28円まで上昇した。この日は11日に続き、中国人民銀行が人民元の切り下げを発表した。人民元の切り下げで中国経済への不安から日経平均株価が急落となった。欧米市場の株価も下落となり、欧米時間でのドル・円はリスク回避の動きから一時123.70円台に急反落となった。ただし、終盤に入ると米株式相場がプラスサイドを回復し、米国債利回りも上昇に転じたことなどから、124円台を回復し、124.10円台で引けた。

 13日は中国人民銀行が基準値を3日連続で引き下げた。中国人民銀行は人民元の過度な変動を示した場合は行動すると人民元相場を支える意向を示したことでリスク回避の動きが後退し124.60円台まで上昇し、124.40円水準で引けた。この日は7月の米小売売上高が発表され、前月比+0.6%(事前予想は+0.6%)となり、前月の同−0.3%から改善を示した。米労働省発表から8月8日までの週間新規失業保険申請件数も発表となり、27万4,000件となり、事前予想の27万件を上回った。ただし、4週間平均の失業保険申請件数が26万6,250件となり、前週の26万8,000件から減少したため、ドル売りの動きは限定的だった。

 14日は124円台前半で小安く推移し、124.20円台で引けた。朝方に発表された7月の米生産者物価指数が前月比+0.2%(総合)となり、事前予想の同+0.1%を上回る伸びとなった。また7月の米鉱工業生産が前月比+0.6%となり、事前予想の同+0.3%を上回り、昨年11月以来の高水準となったが、市場は特に反応しなかった。また米ミシガン大学発表の8月の消費者信頼感指数速報値は92.9となり、事前予想の93.5を下回った。

【ユーロ・ドルは続伸、ギリシャ議会が第3次救済パッケージ承認を好感】

 ユーロ・ドルは続伸。12日に7月10日の高値1ユーロ=1.1215ドルにほぼ顔合わせとなる1.1214ドルまで上昇。1.1200ドル台での取引は長続きしなかったのが、1.1000ドル台を維持して14日の取引を終えた。

 11日に8月の独ZEW景況感指数が発表され、25.0に低下となり、事前予想の31.9を大幅に下回った。しかし反応は鈍く、中国人民元の切り下げから1.1088ドルと7月31日以来の高値水準へと値を伸ばした。

 12日は中国人民元の切り下げによる早期米利上げ観測の後退から、ニューヨーク入り後はほぼ一本調子で上値を切り上げ、1.1214ドルまで上げた。高値を離れたが、長めの陽線を引く上昇となった。

 13日は修正安となり、1.1079ドルまで反落となったが、終値では1.1150ドル台に戻し、押し目買いと買い戻しの強さが感じられた。この日はギリシャの今年4−6月国内総生産(GDP)が発表され、前期比0.8%増となり、事前予想の0.5%減を上回った。

 14日は続落。この日は今年第2四半期のユーロ圏GDPが発表され、前期比0.3%増となり、事前予想0.4%増をわずかに下回ったが、ギリシャ議会が第3次救済パッケージを承認しことを好感し、一時、1.1190ドル上昇した。しかし週末を控えたポジション絡みのユーロ売りに押される格好となり、一時、1.1098ドルまで下押されるなど軟調に推移した。

【124円台後半の円安・ドル高なら円売りの動き強まるか=CME】

 米商品先物取引委員会(CFTC)は8月14日に8月11日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円(CME)市場で大口投機家の円の売り越し幅は、10万5,226枚となり、8月4日現在の7万9,716枚売り越しから2万5,510枚の急増。12日以降、買い戻しの動きが先行したとみられるが、9万枚台後半から10万枚前後の売り越し状態にあるとみられる。124円台後半のドル高、円安局面となると、円売りの動きが強まる展開か。逆に123円台に下落となると、買い戻しの動きが先行となると予想。

 シカゴユーロ(CME)市場は8月11日現在、大口投機家の売り越し幅は11万5,210枚となり、8月4日現在の11万3,394枚から1,816枚の増加。12日に1ユーロ=1.1214ドルまで上伸し7月10日以来の高値をつけた。その後、堅調に推移し、ユーロの買い戻しが一段と進んだとみられる。10万枚台前半まで売り越し幅が減少している可能性あり。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

17日 
   スイス6月小売売上高
   ユーロ圏6月貿易収支
   米8月NY連銀製造業景気指数
   米6月対米証券投資
18日 
   豪中銀(RBA)理事会議事録
   英7月消費者物価指数、英7月小売物価指数、英7月生産者物価指数
   米7月住宅着工件数・建設許可件数
19日 
   NZ第2四半期生産者物価指数
   日本7月貿易収支
   豪7月ウェストパック先行指数
   日本6月景気動向指数
   ユーロ圏6月経常収支
   米MBA住宅ローン申請件数
   米7月消費者物価指数
   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(7月28、29日開催)
20日 
   スイス7月貿易収支
   独7月生産者物価指数
   英7月小売売上高指数
   カナダ6月卸売売上高
   米新規失業保険申請件数
   米7月中古住宅販売件数、米7月景気先行指数
   米8月フィラデルフィア連銀景況指数
21日 カナダ7月消費者物価指数、カナダ6月小売売上高

2015年8月17日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

コラム一覧へ戻る

当社は「ALL外為比較」に掲載される情報(以下「掲載情報」といいます。)の完全性および正確性を保証いたしません。

また掲載情報は、将来における結果を示唆するものではありません。

したがいまして、お客様において掲載情報に基づいて行動を起こされた場合でも、当社はその行動結果について何らの責任も負担いたしません。

掲載情報に基づく行動は、お客様の責任と判断によりお願いいたします。掲載情報は、金融商品の売買等の勧誘を意図したり、推奨するものではありません。

お客様において掲載情報に含まれる金融商品の売買等の申込等をご希望される場合には、その掲載情報に記載の金融機関までお客様ご自身でお問い合わせください。

当社はお問い合わせに関し対応いたしかねます。

掲載情報のうち「外為マーケットコラム」等に関しましては、著作権法等の法律により保護されており、

個人の方の私的使用目的以外での使用や権利者に無断での他人への譲渡、販売コピーは認められていません。