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外為マーケットコラム

米雇用統計に注目、強い数字が出ると122円前後のドル高・円安の可能性あり

 9月24、25日のドル・円は1ドル=119円台前半から121円台前半で推移し、120.50円台で引けた。25日に今月10日以来の121円台をつけたが、121円台は維持できず、新たに方向性を示すには至らなかった。ただし週足が陽線引け、また25日移動平均線(28日、日本時間の午前11時現在、120.20円)をわずかに上回って引けており、テクニカル面からは強気に転換の兆候を示唆した。

 今週は月替わりとなるが、30日に発表の9月の米ADP雇用統計を皮切りに米労働市場に関する米経済指標の発表が相次ぐ。特に10月2日に米労働省から発表される9月の米雇用統計は注目度が高い。米利上げが年内にはあるとの見方が多いが、米雇用統計で極端に強い数字が出ると、10月27、28日に開催の米連邦公開市場(FOMC)で米利上げとの見方が強まり、9月10日の高値121.32円を突破し、121円台後半から122円台を目指す可能性があるとみる。逆に事前予想を大幅に下回ると年内の米利上げはないとみて、ドル安が進み、119円の節目を割り込む可能性はありそうだ。

 24、25日の2日間の値動き幅は2円を超えており、値動きが激しくなる兆しがある。相場が乱高下する展開に注意が必要だ。10月1日には中国物流購買連合会から9月の中国製造業・非製造業の購買担当者景況指数(PMI)の発表がある。

 今週の予想レンジは1ドル=118円台半ばから122円前後と予想。米労働市場に関する米経済統計が続くため、前回の予想よりやや広めにとった。抵抗線は10日の高値121.32円、8月31日の高値121.68円。122円の節目。支持線は今月18日の安値119.01円、今月4日の安値118.57円。

【ドル・円はしっかり、イエレン議長の発言や米GDP確報値の上方修正で】

 ドル・円はしっかり。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が24日、年内の利上げの用意があると述べたことや株高、今年4−6月(第2四半期)・米経済成長の拡大などを背景に、25日の序盤早々に今月10日以来の高値となる1ドル=121.20円台に上昇した。121円台は維持できなかったが、120.40円台は買い拾われ、120.50円台で引けた。

 24日は欧米の株価の下落を嫌気し、119.20円台に下落。しかし引け後にイエレン議長の講演を控えていることからポジション整理のドル買いが先行し、120円水準で引けた。この日は複数の米経済統計の発表があったが、まちまち。

 9月19日までの週間新規失業保険申請件数は26万7,000件となり、前週の26万4,000件を上回ったが、事前予想の27万2,000件を下回った。4週間平均の失業保険申請件数は27万1,750件と前週の27万2,500件から減少。8月の米耐久財受注は前月比2.0%減少となり、事前予想の2.3%減少より強い数字となった。前月は1.9%増と速報値の2.0%増から下方修正された。また同月の8月の新築住宅販売件数は前月比5.7%増加の55万2,000件を記録し、2008年2月以来の高水準となり、事前予想の51万5,000件を上回った。なお前月は52万2,000件と速報値の50万7,000件から上方修正された。

 25日は24日の引け後のイエレン発言と、第2四半期の米国内総生産(GDP)伸び率確報値が前期比3.9%増となり、改定値の3.7%増から上方修正されたことを受け、序盤に121.20円台に上伸した。しかし10日の高値121.32円を一気に上抜くまでには至らず、その後は短期的な上げすぎ感の広がりや米株式相場が上げ幅を縮小したことなどから、高値修正の動きへと転じることとなり、120円台半ば〜後半のレンジ内で上値が押さえる展開となった。

 この日は米ミシガン大学発表の9月の消費者信頼感指数確報値も発表され、87.2(前月は91.9)となり、速報値の85.7から上方修正された。事前予想は86.5。

 10月2日に米労働省から発表される9月の米雇用統計の大方の事前予想は失業率が前月比変わらずの5.1%。非農業部門の就業者数の増加は同20万2,000人増。非農業部門の就業者数は前月の17万3,000人増から大幅な伸びを示すとの予想。前月比20万人増が米労働市場の景況感の分岐点とみられ、20万人以上の伸びから、どれだけ上乗せがあるかが注目される。8月の数値が修正されるかにも注目したい。

【ユーロ・ドルは小幅安、独IFO景況感指数が支援材料】

 ユーロ・ドルは小幅安。24日にイエレンFRB議長が年内の米利上げの可能性を示唆したこと、25日に発表された米第2四半期・米GDP確報値の上方修正されたことがドル買い要因になり、25日に1ユーロ=1.1114ドルまで下落したが、1.1000ドルの節目が支持線となり、下値は堅く推移した。24日に発表された9月の独Ifo景況感指数が108.5となり、8月の108.3、事前予想107.9を上回り、景気の改善感が示されたことが支援材料。

【大口投機家は121円台では売り仕掛け強める=CME】

 米商品先物取引委員会(CFTC)は9月25日に9月22日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円(CME)市場で大口投機家の円の売り越し幅は、2万3,678枚となり、9月15日現在の2万6,814枚売り越しから3,136枚の減少となった。24日に1ドル=119円台にドル安、円高が進んだ場面では円の買い戻しが先行、25日に120円台後半から121円台前半へのドル高、円安局面では円売りが進んだとみられ、25日現在、2万5,000枚前後の売り越しとなっているもよう。今週も引き続き、120円台後半から121円台では円売りを仕掛ける動きを強めるとみる。

 シカゴユーロ(CME)市場は9月22日現在、大口投機家の売り越し幅は8万1,033枚となり、9月15日現在の8万4,202枚から3,169枚の減少。24日に買い戻しが優勢となったが、25日は再度、ユーロ売りの動きが強まり、依然として8万枚台の売り越し状態が続いているもよう。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

29日 
   独9月消費者物価指数
   カナダ8月鉱工業製品価格
   米7月S&Pケースシラー住宅価格指数
   米9月消費者信頼感指数
30日 
   日本8月鉱工業生産指数、日本8月小売業販売額
   豪8月住宅建設許可件数
   中国9月財新製造業購買担当景気指数
   スイス9月KOFスイス先行指数
   独9月雇用統計
   英第2四半期国内総生産(GDP)確報
   ユーロ圏8月雇用統計、ユーロ圏9月消費者物価指数
   米MBA住宅ローン申請件数
   米9月ADP雇用統計
   米9月シカゴ購買部協会景気指数
1日 
   豪9月AiG製造業指数
   日銀短観(9月調査)
   中国9月製造業購買担当景気指数
   中国9月財新製造業購買担当景気指数
   米新規失業保険申請件数
   米8月建設支出
   米9月ISM製造業景況指数
2日 
   日本8月雇用統計、日本8月有効求人倍率、日本8月勤労者世帯家計調査
   豪8月小売売上高
   ユーロ圏8月生産者物価指数
   米9月雇用統計
   米8月製造業受注指数

2015年9月28日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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