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外為マーケットコラム

年内の米利上げ見送り観測後退なら118円目指す

 9月28日から10月2日のドル・円は下値堅く推移。2日に米労働省から発表された9月の米雇用統計で非農業部門の就業者の増加数が事前予想を大幅に下回り、雇用情勢の回復力の鈍化から、一時9月4日以来の安値となる1ドル=118.60円台に急落したが、米株式市場が下げから反転したことで120円台に急反発して引けた。

 2日に米労働省から発表された9月の米雇用統計は失業率が前月から横ばいの5.1%、非農業部門の就業者の増加数は8月に続き、米労働市場の活況を示す分岐点の目安とされる20万人増を大幅に下回った。

 ニューヨークダウは下値堅く推移。9月29日に1万6,000ドル割れとなり、8月26日以来の安値をつける場面があったが、2日発表の米雇用統計が労働市場の回復力鈍化を示し、米金融引き締め政策は来年に先送りされるとの見方を買い材料に2日は大幅高で引け。

 ユーロ・ドルは上昇。1日まで1ユーロ=1.12ドルを挟んでのもみあいとなったが、2日に発表された9月の米雇用統計が米労働市場の鈍化を示したことでユーロ買い・ドル売りの動きが強まり、9月21日以来の高値となる1.13ドル台前半に上昇。高値から離れたが、前週の終値1.1196ドルからは上昇。

【主要経済指標・イベントレビュー】
9月29日 
   カンファレンスボード米消費者信頼感指数(9月) 103
   前月101.3(修正値)事前予想 96.8
   ユーロ圏景況感指数(9月) 105.6 事前予想 104.1
9月30日 
   9月の米ADP雇用統計 前月比20万人増 事前予想 19万人増
   8月の独小売売上高指数は前月比0.4%低下、事前予想0.2%上昇
10月1日 
   米ISM製造業景況指数(9月):50.2 前月51.1 事前予想50.6
   3カ月連続低下し、2013年5月以来の低水準
   米週間新規失業保険申請件数は27万7,000件。前週26万7,000件。事前予想は27万1,000件。 10月2日 
   米労働省発表の雇用統計(9月)失業率5.1% 前月5.1% 事前予想5.1%
   非農業部門就業者数 前月比14万2,000人増(事前予想20万1,000人増)

【ドル・円の予想レンジ】
 今週の予想レンジは1ドル=117円台半ば〜121円台後半。118円台半ばから121円台前半のレンジ相場を形成し、次の方向性を見出すまでのエネルギー蓄積場面だが、2日の取引で1日の値動き幅が2円近くとなり、ボラティリティ(変動率)が高まっており、値動きが荒くなる可能性がある。

【米金融政策】
 先月16、17日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では17日に発表された声明文で雇用やインフレ率にさらなる改善がみられた場合に利上げが適切になるとしており、利上げのタイミングを示唆するような内容は盛り込まれなかった。

 8日にFOMC議事録が公表予定。年内利上げに関して柔軟な姿勢をとるとの方針が確認されると、年内の利上げ観測が後退し、ドル売りの動きが強まり、1ドル=118円を目指す動きになると予想。投機家の円の買い戻しが膨らむと、117円台まで下落もありえるとみる。その一方で米株式市場にとっては年内米利上げ見送り観測が強まると追い風になる。なお年内のFOMCは10月27、28日と12月15、16日の2回となる。

【円と日経平均株価】
 円サイドからは日銀の金融政策会合で追加金融緩和を見送るとの見方が多い。追加金融緩和見送りとなった場合、円の買い戻し要因となろう。日経平均株価は円高が進行した場合、輸出関連株の下落が上値圧迫要因になる一方、国内小売関連企業の企業決算報告で消費の堅調さが示されれば、下値堅く推移か。チャートは5日の午前中の上げで9月24日に1万7,865〜1万8,069円でチャート上に空けたギャップ(窓)にかかる上げとなっているが、窓を埋め、1万8,000円台を回復、維持できるかに注目したい。

【米株】
 米株式市場はニューヨークダウが1万6,500ドル台回復から一段高の展開となるかが注目される。8日にニューヨークダウに採用されている銘柄の先陣を切ってアルコアが四半期業績を発表する。FOMCの議事録公表とともに注目要因。

【10月第2週の注目ポイント】
 ・日銀金融政策決定会合後、7日に発表される金融政策に対する反応 ☆☆☆
 ・連休明けとなる8日の上海株の動向 ☆☆
 ・8日に公表されるFOMC議事録に対しての反応 ☆☆☆
 (*重要度を3段階で表示)

【2日は円の買い戻しと円売りが交錯か=CME】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は10月2日に9月29日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円(CME)市場で大口投機家の円の売り越し幅は、2万2,052枚となり、9月22日現在の2万3,678枚売り越しから1,626枚の減少となった。買い玉、売り玉とも減っており、手じまい売買が先行。9月30日、今月1日も2日に米雇用統計を控え、玉整理の動きが優勢となったとみられるが、2日は118円台後半から120円台で乱高下し、円の買い戻しと、円売りが交錯したとみられる。118円台後半で安もちあい状態となると、今後、買い戻しが先行する可能性があったが、120円水準に戻し、まだ円の売り方に有利。

 シカゴ・円建て日経平均株価の大口投機家は9月29日現在、3万6,996枚の買い越し。9月1日現在、2万5,144枚の買い越しから1万枚以上の増加。

 シカゴ・ダウ工業株平均ミニ市場での大口投機家のポジションは9月29日現在、314枚の買い越し。9月1日現在、1万1,582枚の売り越しだったが、同月8日に2,092枚売り越しに急減。その後、売り越し幅は微増となったが、29日に買い越しに転じた。

【今週の主要経済統計・イベント】
5日 
   ユーロ圏8月小売売上高指数
   米9月ISM非製造業景況指数
6日 
   独8月製造業受注指数
   米8月貿易収支
7日 
   日銀金融政策決定会合(6〜7日)金融政策発表
   日本8月景気動向指数
   独8月鉱工業生産指数
   米MBA住宅ローン申請件数
8日 
   日本8月機械受注高、日本8月経常収支
   独8月貿易収支、独8月経常収支
   英中銀(BOE)政策金利
   英金融政策委員会(MPC)議事録
   米新規失業保険申請件数
   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(9月16・17日分)
9日 
   米9月輸入価格指数

2015年10月05日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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