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外為マーケットコラム

小康状態も油断禁物、米小売売上高に注目

 10月5日の週から12日のドル・円は1ドル=119円台半ばから120円台半ばの狭いレンジでのもみあいとなった。8日に先月16、17日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が公表されたが、決め手を欠いた。ニューヨークダウが1万7,000ドル台を回復し、8月20日以来の高値をつけたが、ドル・円は反応が鈍く、小康状態となった。

 2日に米労働省から発表された9月の米雇用統計は失業率が前月から横ばいの5.1%、非農業部門の就業者の増加数は8月に続き、米労働市場の活況を示す分岐点の目安とされる20万人増を大幅に下回った。

 ユーロ・ドルは続伸。先週前半はユーロ域、ドイツの経済指標が弱気になったことでユーロ売りが進む場面もあったが、FOMCの議事録公開後、米年内利上げ観測が一段と後退し、ユーロ買い、ドル売りの動きが強まり、12日に一時9月18日以来の高値となる1ユーロ=1.1400ドル台まで上昇。

【主要経済指標・イベントレビュー】
10月5日 
    米供給管理協会ISM(9月)の非製造業景況指数は56.9、前月は59.9。事前予想は57.5。
    ユーロ圏総合購買担当者景況指数:PMI(9月)は53.6に低下。事前予想53.9。
    ドイツの独総合PMI(9月)は54.1に低下、事前予想54.3。
10月6日 
    IMF、世界経済の成長率見通し3.1%、7月時点は3.3%予想から下方修正。
    独製造業受注指数(8月)は前月比1.8%低下、事前予想0.5%上昇。
10月7日 
    日銀:金融政策運営は現状維持、8対1の賛成多数。
    独鉱工業生産指数(8月)は前月比1.2%低下、事前予想0.2%上昇。
10月8日 
    米週間新規失業保険申請件数は26万3,000件、事前予想27万4,000件。前週27万6,000件(改定値)。
    FOMC議事録公表:多くの当局者が年内の利上げを予想。
    独輸出(8月)は前月比5.2%減、2009年1月以来の大幅減少。

【ドル・円の予想レンジ】
 今週の予想レンジは1ドル=118円台後半〜121円台半ば。次の方向性を見出すまでのエネルギー蓄積場面を継続の可能性も油断は禁物。13日の東京時間の午前11時現在、25日移動平均線が通る120.15円をわずかに下回る水準で推移。米金利引き上げ先送り観測からドル売り圧力は根強い。13日に発表の9月の小売売上高の数字に注目したい。

【米金融政策】
 8日に公表された先月16、17日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録は、多くのメンバーが年内の利上げを予想している。ただ、世界の景気や金融市場の混乱が米国景気の下振れリスクになるとの見方が示された。そのため早期利上げ観測が後退した。

【円と日経平均株価】
 日銀の金融政策会合で追加金融緩和を見送った。サプライズはなく、ドル・円は1ドル=120円を挟んで推移。引き続き、次の方向性を示すまでのエネルギー蓄積期間になったが、日経平均株価が欧米の株価堅調を受け、1万8,4000円台まで反騰したことでリスク回避の動きは強まらず、119.50円台で買い支えられた。9月24日に1万7,865〜1万8,069円でチャート上に空けたギャップ(窓)は5日に埋めた。
 9月17日の高値1万8,468.20円を上抜くと、チャートは9月9日の高値1万8,770円を目指す動きか。1万7980円水準に25日移動平均線が通っており、1万8,000円が支持帯と予想。

【米株】
 米株式市場はニューヨークダウが1万7,000ドル台を回復し、8月20日以来の高値を更新。2日に発表された9月の米雇用統計が弱気の数字となり、年内の金利引き上げ観測が後退し、投資家心理が改善。8日の引け後にダウ30種平均株価採用銘柄の先陣をきってアルミ大手のアルコアが第3四半期の決算を発表。アルミの世界的供給過剰を受け、価格が下落したことで純利益は1株当たり2セントとなり、前年同期の12セントから減少。9日はアルコアの決算を嫌気した売りもあったが、FOMC議事録で米利上げに慎重な姿勢が示されたことで株式相場の動向に楽観ムードが強く、1万7,100ドル台まで上伸し、日足が7日連続で陽線引け。

【10月13日からの週の注目ポイント】
 ・米9月小売売上高、米9月生産者物価指数 ☆☆☆
 ・米9月消費者物価指数 ☆☆
 (*重要度を3段階で表示)

【円の売り越し幅が減少=CME】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は10月9日に10月6日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円(CME)市場で大口投機家の円の売り越し幅は、1万7,599枚となり、9月29日現在の2万2,052枚売り越しから4,453枚の減少となった。売り越し幅は9月8日に6,662枚売り越しを記録して以来の低水準。

 シカゴ・円建て日経平均株価の大口投機家は10月6日現在、3万4,628枚の買い越し。9月29日現在、3万6,996枚の買い越しから2.368枚の減少。7日以降は買い越し幅を拡大したもよう。

 シカゴ・ダウ工業株平均ミニ市場での大口投機家のポジションは10月6日現在、1.887枚の買い越し。9月29日現在の314枚買い越しから1,573枚の増加。9月30日以降、さらに増加したもよう。

【今週の主要経済統計・イベント】
13日 
   中国9月貿易収支
   独9月消費者物価指数
   独10月ZEW景況感指数
14日 
   中国9月消費者物価指数、中国9月生産者物価指数
   ユーロ圏8月鉱工業生産指数
   米MBA住宅ローン申請件数
   米9月小売売上高、米9月生産者物価指数
   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
15日 
   日本8月鉱工業生産指数確報値
   米新規失業保険申請件数
   米9月消費者物価指数、米10月NY連銀製造業景気指数
16日 
   ユーロ圏8月貿易収支、ユーロ圏9月消費者物価指数
   米9月鉱工業生産・設備稼働率
   米10月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値

2015年10月13日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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