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外為マーケットコラム

雇用統計など米労働市場に絡む経済統計に左右される

 10月26日の週のドル・円は上値重かったが、下値は堅く推移。米連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀金融政策決定会の開催、第3四半期の米国内総生産(GDP)速報の発表など、イベント、重要経済指標の発表が続いたが、1ドル=119.90〜121.50円のボックス圏でのもみあい。次回(12月15、16日)のFOMCで米利上げの可能性、ニューヨークダウが直近の高値更新したことに支援され、25日移動平均線が通る120.10円水準で買い支えられた格好。

 ユーロ・ドルは10月28日に1ユーロ=1.0897ドルまで下落し、8月7日以来の安値をつけたが、週後半は反発し、1.1000ドル台を回復した。29日に発表された10月のドイツの雇用情勢の改善や、同月のユーロ圏の景況感指数の上昇が支援材料。

【主要経済指標・イベントレビュー】
10月26日 
     米新築住宅販売件数(9月):前月比−11.5%の46万8,000件(事前予想は54万9,000件)。
     10月の独ifo景況感指数は108.2。4カ月ぶりに低下。
10月27日 
     米耐久財受注(9月)は前月比1.2%減少。事前予想は同1.5%減。
     米民間調査機関のコンファレンス・ボード(CB)発表の消費者信頼感指数(10月)は97.6。事前予想は103.0。
10月28日 
     FOMC声明文発表
     (1)FF金利の誘導目標水準をゼロ〜0.25%に据え置き。
     (2)米経済は緩やかなペースで拡大。雇用拡大ペースは減速。
     (3)次回会合で利上げ決定に向けた進展判断。
10月29日 
     独失業者数(10月)は前月比5,000人減、予想4,000人減。
     ユーロ圏景況感指数(10月)は105.9上昇、予想105.1。
     米GDP速報値(第3四半期):前期比+1.5%、第2四半期の3.9%増から鈍化。事前予想は1.6%増。
     10月24日までの週間新規失業保険申請件数は26万件。前週は25万9,000件。事前予想は26万5,000件。
10月30日 
     シカゴ購買部協会景気指数(10月):56.2。事前予想49.5。
11月1日  
     中国製造業購買担当者景況指数(10月)は49.8で前月から横ばいも好況と不況の分岐点の50を3カ月連続で下回る

【11月2日からの週の注目ポイント】
11月2日 
     米ISM製造業景況指数(10月)  ☆☆
11月3日 
     米製造業受注指数(9月)  ☆
11月4日 
     ユーロ圏生産者物価指数(9月)  ☆
     米ADP雇用統計(10月)  ☆☆☆
     米ISM非製造業景況指数(10月)  ☆☆
11月5日 
     日銀金融政策決定会合議事要旨(10月6・7日分)  ☆☆
     独製造業受注指数(9月)  ☆
     ユーロ圏(9月)小売売上高指数  ☆
    米新規失業保険申請件数  ☆☆
11月6日 
     日本景気動向指数(9月)  ☆☆
     独鉱工業生産指数(9月)  ☆
     米雇用統計(10月)  ☆☆☆
*重要度を3段階で表示

【ドル・円の予想レンジ】
 今週の予想レンジは1ドル=119円台前半〜122円台前半。米労働市場に関する米経指標が4日発表のADP統計を皮切りに続く。6日に米労働省から発表される10月の米雇用が重要。大方の事前予想は失業率が5.1%(前月5.1%)、非農業部門雇用者数が前月比18万人増(前月14万2,000人増)。
 ADP雇用統計も含め、非農業部門雇用者数の増加数が労働市場の好況を示す20万人増を超えるなら米金利年内引き上げ観測が強まり、ドル高・円安に傾きやすくなる。逆に事前予想を下回ると年内利上げ観測が後退し、ドル安か。

【日経平均株価】
 先週の日経平均株価は上昇。ニューヨークダウが直近の高値を更新したことや、ドル・円の下値の堅さが支援材料。上場企業の2015年4−9月期の決算発表が総じて好調なことにも支援された。1万9,000円を挟んでの攻防が続いたが、30日に150円近い上昇となり、終値ベースで1万9,000円台を維持して引けた。
 今週も国内企業の上期の決算発表が続き、好業績の企業への投資が続く一方、事前予想を下回る企業業績が多いと売り先行となる可能性がある。米労働市場に関する経済統計の発表を受け、ニューヨークダウ、ドル・円がどう動くかが最大の注目材料となろう。4日に郵政グループ3社が上場を果たす。上場後の値動きが投資家心理や株式市場全体の需給関係に影響しそうだ。

【米株】
 米株式市場は堅調。FOMCの声明文が発表された10月28日に200ドル近い上げとなった。この日はアップルコンピュータが好決算を発表したことや原油高を背景に資源株が買われたことが上昇の背景となり、7月22日以来の高値をつけた。29、30日は高値修正場面となったが、下値は堅く推移。今週は10月の米雇用統計に対する評価待ち。

【シカゴ円・ユーロ・ドルとも売り越し幅が拡大=CME】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は10月30日に10月27日現在の建玉明細を発表した。大口投機家はシカゴ円、シカゴユーロとも売り越し幅を大幅に拡大した。シカゴ円の大口投機家の円の売り越し幅は、27日現在、3万3,911枚となり、20日現在の3,639枚売り越しから3万枚以上の急増となった。売り建て玉が急増しており、28日のFOMC声明文発表前に円売りを仕掛けた投機家が多かった。

 シカゴユーロの売り越し幅は10万5,934枚となり、20日現在から4万3,000枚以上の売り越し増、ユーロ売り建て玉が増えており、28日のFOMC声明文発表後のドル高を見込む投資家が多かった。28日以降、円、ユーロとも多少の買い戻しはあったとみられるが、大局的にドル高を見込む投機家が多い。

2015年11月2日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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