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外為マーケットコラム

中期的に1ドル=125円台目指す

 11月2日の週のドル・円は4日に抵抗線の1ドル=121.50円を突破し、5日に122円の節目を試した。6日は米労働省が発表した10月の雇用統計が強気の数字となったことを受け、年内の米利上げ観測が強まり、123円台前半に上昇し、8月21日以来の高値をつけた。

 119.90〜121.50円のボックス圏でのもみあいから上放れした格好となった。ユーロ、日本、中国が金融緩和傾向の金融政策を継続しており、ドルの独歩高が進みやすい環境。

 引き続き、米経済指標を注目しながら、強気の米経済指標が出ると、上値を試す展開か。米経済が安定した成長力を示していること、強気のテクニカル要因から中期的に8月12日以来の125円台を目指すことが予想される。

 ユーロ・ドルは大幅安。3日に欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が「金融緩和の在り方について12月の政策委員会で再検討する必要があろう」と述べ、ユーロ安、ドル高が進みやすい環境となった。5日発表の9月の独製造業受注指数が3カ月連続して低下したことや同月のユーロ圏小売売上高指数が予想外に低下したこと、欧州委員会が2016年の域内経済成長とインフレ見通しを下方修正した反面、6日に発表された10月の米雇用統計が強気となり、6日に4月23日以来の安値となる1ユーロ=1.0705ドルまで下落した。

【主要経済指標・イベントレビュー】
11月2日 
    米ISM製造業景況指数(10月):50.1で前月の50.2から低下(事前予想は50.0)。
11月4日 
    米ADP雇用統計(10月):民間雇用者数は前月比18万2,000人増加(事前予想18万人増)。
    米貿易収支(9月):408億1,200万ドルの赤字(事前予想は410億ドルの赤字)。
    イエレンFRB議長が下院金融委員会で、「米経済は順調だと判断している」との見方を示し、
    データ次第で12月の利上げの可能性を示唆。
11月5日 
    米週間新規失業保険申請件数(10月31日まで):27万6,000件。
    前週の26万件から増加。事前予想は26万2,000件。
    4週間平均の失業保険申請件数は26万2,750件と、1973年12月以来の低水準となった前週の
    25万9,250件から増加。
    独製造業受注指数(9月)は前月比1.7%低下、事前予想1%上昇。
    ユーロ圏小売売上高指数(9月)は前月比0.1%低下、事前予想0.2%上昇。
11月6日 
    米雇用統計(10月) 失業率は5.0%(前月5.1%)、非農業部門雇用者数は前月比27万1,000人増
    (事前予想18万5,000人増)。
    前月は13万7,000人増と速報値の14万2,000人増から下方修正。

【11月9日からの週の注目ポイント】
11月10日 
    中国消費者物価指数(10月)、中国月生産者物価指数(10月)  ☆☆
11月11日 
    中国小売売上高(10月)、中国鉱工業生産指数(10月)  ☆☆
    米財政収支(10月)  ☆☆
11月12日 
    日本機械受注高(9月)  ☆
    米新規失業保険申請件数  ☆☆
11月13日 
    日本鉱工業生産指数(9月)  ☆
    独国内総生産(GDP)第3四半期速報値  ☆☆
    ユーロ域内総生産(GDP)第3四半期速報値  ☆☆☆
    米小売売上高(10月)  ☆☆☆
    米ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(11月)  ☆☆
*重要度を3段階で表示

【ドル・円の予想レンジ】
 今週の予想レンジは1ドル=121.70円〜124.50円。4日の高値121.71円が支持線として意識され、122円前後で押し目買い意欲が強いと予想。13日発表のユーロ域、ドイツのGDPと10月の米小売り売上高の数字に注目。米国とユーロ域の景況感の違いがさらに裏付けられると、ドル高が進みやすい。12日までに米国、ユーロ圏の景況感の違いからドル買い優勢の可能性は十分にある。

【日経平均株価】
 先週の日経平均株価は2日に急落となったが、円安、欧米の株高に支援され反発となり、直近の高値を更新し、堅調。9日は8月24日に1万9,154.65〜1万9,435.83円でチャート上に空けたギャップ(窓)を上に埋める上げとなり、一段と強気感が増している。ただ25日移動平均線が通る1万8,500円水準から5%以上乖離しており、高値警戒感はある。今週は中国の経済指標の発表が多く、上海株の動向に注意したい。1万9,200円が支持線か。

【米株】
 米株式市場は堅調。2日発表の10月の米ISM製造業景況指数が事前予想を上回ったこと、同月の米新車販売台数が高水準を維持、労働市場が好調さを取り戻したことに支援され、1万7,900ドル台を維持して、6日の取引を終えた。年内の米金利引き上げ観測が強まっているが、2016年の米企業業績が再度拡大する期待から堅調地合いを維持か。

【シカゴ円・ユーロ・ドルとも売り越し幅拡大を継続=CME】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は11月6日に同月3日現在の建玉明細を発表した。大口投機家はシカゴ円、シカゴユーロとも売り越し幅の拡大を継続。シカゴ・ダウ工業株平均ミニの買い越し幅が前週比で3倍以上になっており、ドル買い、米株買い姿勢が鮮明だ。4日以降、その傾向は一段と強まったとみられる。米景気が順調な回復傾向を継続し、投機家のドル建て金融資産中心の投資姿勢は続くとみる。

 大口投機家の円の売り越し幅は、3日現在、4万3,787枚となり、10月27日時点の3万3,911枚売り越しから1万枚近い増加。

 シカゴユーロの売り越し幅は13万4,334枚となり、10月27日現在から2万8,000枚以上の売り越し増。

2015年11月9日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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