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外為マーケットコラム

ドル・円は修正局面入り、NYダウ大台割れなら121円台に下落

 11月9日の週のドル・円は1ドル=122円第半ばに反落し、高値修正局面を迎えた。ニューヨークダウが軟調に推移し、1万7,200ドル台まで下落し、10月22日以来の安値をつけたことで、リスク回避の動きが強まった。

 まだ基調はドル高だが、ニューヨークダウが1万7,000ドルの大台割れとなると、調整色が強まり、今月6日に10月の米雇用統計が発表される前の水準である121円台まで修正安の可能性あり。18日に先月27,28日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の公表がある。年内の米利上げの可能性がさらに強まると、ドル買い意欲が強まる可能性があろう。16日に発表された第3四半期の国内総生産(GDP)が前期比年率−0.8%となり、市場予想の同−0.3%を下回ったことは円売り・ドル買い要因。

 ユーロ・ドルは自律修正高。10日に欧米当局の金融政策の方向性の違いを材料に1ユーロ=1.0674ドルまで下落し、4月23日以来の安値を付けた。12日に急反発。この日は欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がブリュッセルの欧州議会で証言し、「コアインフレ率が持続的に回復する兆候は幾分弱まった」とし、「世界の成長に起因する(景気)下振れリスクは明らかに目に見えている」と語った。また、インフレ回復に必要なら、QEは2016年9月以降も継続する可能性を示唆したが、イエレンFRB議長がFRB主催会合で金融政策に言及しなかったことや株安などから安値修正の動きとなり、1.0830ドルまで反発。ただし13日は第3四半期のユーロ域内とドイツの経済成長がともに鈍化したことで、ECBによる12月の追加緩和観測が一段と強まったことから1.0600ドル台後半まで下落し、ユーロ安、ドル高基調を継続。パリで発生した同時テロでユーロ売りが強まることが予想される。

【主要経済指標・イベントレビュー】
11月12日 
    米週間新規失業保険申請件数(7日まで):27万6,000件
    米財政収支(10月):1,365億3,200万ドルの赤字
    独CPI改定値(10月)は前年同月比0.2%上昇、速報と変わらず
11月13日 
    米小売売上高(10月):総合は前月比+0.1%
               自動車除くは前月比+0.2%
    米生産者物価指数(10月):総合は前月比−0.4%
                 コアは前月比−0.3%
    米ミシガン大消費者信頼感指数(11月、速報値):93.1
    独GDP速報値(第3四半期)は前期比0.3%増に鈍化、予想と一致
    仏GDP速報値(第3四半期)は前期比0.3%増に回復、予想と一致
    ユーロ域内GDP速報値(第3四半期)は前期比0.3%増に鈍化、予想と一致

【11月16日からの週の注目ポイント】
11月16日 
    米製造業景況指数 2015年11月(ニューヨーク連銀)  ☆☆
11月17日 
    独景況感指数 2015年11月(ZEW)  ☆☆
    米消費者物価指数 2015年10月(労働省)  ☆☆
    米鉱工業生産・設備稼働率 2015年10月(FRB)  ☆☆
11月18日 
    金融政策決定会合(日本銀行、19日まで)  ☆☆☆
    米住宅着工・許可件数 2015年10月(商務省)  ☆☆☆
    米FOMC議事録公表 10月27-28日(FRB)  ☆☆☆
11月19日 
    米製造業景況指数 2015年11月(フィラデルフィア連銀)  ☆☆
11月20日 
    独生産者物価指数 2015年10月(連邦統計庁)  ☆
*重要度を3段階で表示

【ドル・円の予想レンジ】
 今週の予想レンジは1ドル=121円台前半〜124円台前半。25日移動平均線が1ドル=121円水準に通っており、121円台前半では買い支えられると予想。ニューヨークダウの動き以外には日米の金融政策の違いが示されるかがカギ。日銀金融政策会合とFOMCの議事録の公表がある18日に注目。

【日経平均株価】
 先週の日経平均株価は上昇。円安に支援され、1万9,700円台に上伸し、8月21日以来の高値をつけた。週後半に軟調なニューヨークダウから押し目を形成したが、押し目買い意欲は強く、日足は7日連続で陽線引け。9日に1万9,294.15円〜1万9,389.74円でチャート上のギャップ(窓)を空けた。16日にチャート上の窓を埋める下げとなり、高値調整局面入りが警戒される。

【米株】
 米株式市場は軟調。12,13日と2日連続で長大陰線を引く下げとなった。年内の米利上げ観測や原油価格の下落により、資源株の下落などが弱材料。

【大口投機家は株の買い越し幅を11日以降、縮小か=CME】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は毎週金曜日の午後に、その週の火曜日の建玉明細を発表するが、先週は11日がベテランズデー(退役軍人の日)で政府機関が閉鎖された影響で16日に発表される。大口投機家はニューヨークダウ、日系平均株価の買い越し幅を11日以降、縮小か。

2015年11月16日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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