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外為マーケットコラム

株安から円が買われやすいが、米株が安定なら119円台に反発も

 1月4日から週のドル・円は1ドル=117円台前半まで急落。日本が祝日だったが、11日のアジア時間の早朝に一時116.60円台に続落となり、下値模索を継続している。8日に発表された昨年12月の米雇用統計が強気の数字となり、一時、ニューヨークダウは反発したが、買いは続かず、ドルは対円でも軟調に推移。ただしドルは対ユーロでも一時急落したが、8日以降は下値堅く推移し、ドルの独歩安には至っていない。

 ドル安・円高の背景は4日に発表された中国の経済指標が弱気となったこと、サウジアラビアとイランが外交断絶で地政学リスクが高まったこと、北朝鮮の水爆実験などから株安となり、比較的安全な通貨とされる円が買われたことが挙げられよう。中国の景気に対して悲観的ムードが強いことなどから、世界銀行が2016年の世界経済成長率予想を昨年6月時点の3.3%から6日に2.9%に下方修正するなど、世界経済の成長に対して不安が強い。

【ドル・円の予想レンジ】
 今週の予想レンジは1ドル=115円台後半〜119円台前半。119円台後半〜121.50円のレンジを下放れとなり、115〜120円のレンジに値位置は下がったと判断したい。投資家心理が弱気に傾いており、株式市場は世界的不安定な状態が続き、円が買われやすく、115円台後半を試すドル安、円高局面の可能性はあろう。ただ米雇用情勢の改善は裏付けられ、ドル買いの動きは根強く、株式市場が安定すれば、下値は堅く修正高局面を迎えるとみる。ドル買い意欲が強まれば、119円台に反発する展開もありえよう。13日に昨年12月の中国の貿易統計の発表がある。市場は中国経済に対して神経質になっており、警戒したい。
 抵抗線は118円水準、今月8日の高値118.83円、119円。支持線は117円、昨年8月24日の安値116.14円、昨年1月16日の安値115.83円。

【主要経済指標・イベントレビュー】
1月4日 
    米ISM製造業景況指数(昨年12月):48.2 前月は48.6、事前予想は49.0
1月5日 
    昨年12月の独失業者数は前月比1万4,000人減、事前予想8,000人減
1月6日 
    米ADP雇用統計(昨年12月):前月比25万7,000人増
    米貿易収支(昨年11月):423億7,000万ドルの赤字
    米ISM非製造業景況指数(昨年12月):55.3 前月は55.9、事前予想は56.0
1月7日 
    米週間新規失業保険申請件数(2日まで):27万7.000件 前週は28万7,000件、事前予想は27万5.000件
1月8日 
    米雇用統計(昨年12月):失業率は5.0% 前月の5.0%から変わらず、事前予想は5.0%。
                非農業部門雇用者数は29万2,000人増加、事前予は20万人
                平均時給は前月比変わらず
    独鉱工業生産指数(昨年11月)は前月比0.3%低下、予想0.5%上昇

【1月12日からの週の注目ポイント】
1月13日 
    中国貿易収支 昨年12月  ☆☆☆
    ユーロ圏(昨年11月)鉱工業生産指数  ☆
    米財政収支(昨年12月)  ☆
1月14日 
    日本機械受注高(昨年11月)  ☆☆
    米新規失業保険申請件数  ☆☆
1月15日 
    ユーロ圏貿易収支(11月)  ☆
    米小売売上高(昨年12月)  ☆☆☆
    米生産者物価指数(昨年12月)  ☆☆
    米NY連銀製造業景気指数(1月)  ☆☆
    米鉱工業生産・設備稼働率(昨年12月)  ☆☆
    米ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(1月)  ☆☆
*重要度を3段階で表示

【日経平均株価】
 年初の日経平均株価は急落。円高進行、中国の景気不安拡大による上海株の急落、欧米の株価の下落から12日の午前中に1万7,300円台まで下落し、昨年の大納会から1,700円以上の下げを記録し、昨年9月29日以来の安値をつけた。原油価格の下落により、中東マネーも日本の株式市場から流出しているもよう。支持線は昨年9月29日の安値1万6,901.49円。

【米株】
 米株式市場はニューヨークダウが4日に1万7,000ドル割れ。5日は小反発となったが、6日以降はほぼ一本調子の下げとなり、11日に1万6,232.03ドルまで下落し、昨年10月2日以来の安値をつけた。11日の場中から反発し1万6,398.57ドルで取引を終えた。

【大口投機家は円を買い越しに転換=CME】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は8日に今年5日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円の大口投機家は昨年12月29日現在、1万7,226枚の売り越しとなっていたが、5日現在、4,103枚買い越しに転じた。売り玉は前週比1,134枚の微増にとどまったが、買い玉が45,008枚から6万7,471枚へと、2万2,463枚の急増。6日以降も売り先行が続いたもよう。119円を試すと円の買い戻しが先行か。

2016年01月12日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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