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外為マーケットコラム

中国GDPや原油相場が弱気なら負の連鎖続きでドル安シナリオ

 1月11日から週のドル・円は13日に1ドル=118円台半ばに反発したが、15日にニューヨークダウが1万6,000ドル割れとなる下げとなったことから比較的、安全とみられる円が買われ、116円台半ばに急落し、116円台後半で取引を終了。ユーロ・ドルは1ユーロ=1.1000ドルの節目が抵抗線になったが、ドル売りの流れに乗り、堅調に推移し、1.0900ドル台で15日の取引を終了。

 中国経済に対しての不安が強いこと、原油価格の下落から産油国の財政悪化による経済不安から世界的に株価が不安定な状況が続いた。投資家がリスク回避の動きを強め、株の先安感が払拭できないまま週末を迎えた。株安の一因となった原油相場は供給過剰の長期化に加え、株安から需要減少懸念が強まり、国際指標価格のWTIニューヨーク原油は15日に2003年11月以来の安値となる29.13ドル(期近)まで下落し、30ドル割れで15日の取引を終了。米国や欧州連合(EU)はイランに科してきた経済制裁を解除に着手しており、イランが今後、原油の増産体制を強める観測から原油相場は一段安が予想される。株安がさらに進み、リスク回避からドルが下落の負の連鎖が続くと、ドル安シナリオが描かれる不安あり。

【ドル・円の予想レンジ】
 今週の予想レンジは1ドル=115円台前半〜118円台後半。116円台前半が支持帯だが、19日に発表される中国の昨年第4四半期、及び年間の国内総生産(GDP)、が弱気の数字になると、株安から投資家心理は一段と弱気になり、円高・ドル安が進みやすい。19日は国際通貨基金(IMF)から世界経済見通しの公表もあり、注意が必要だ。昨年の中国の経済成長率は7%割れとなり、25年ぶりの低成長率予想。国際格付け機関のフィッチは13日に2016年の中国の経済成長見通しを6.5%、来年は6%と予想を発表した。
 今週の米国は18日がキング牧師記念日のため、祝日となる。20日から経済指標の発表が続き、米経済指標を見極めが必要な場面。弱気な米経済指標の発表が続くと下値を探る展開か。26、27日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えているが、FOMCで今後の金融政策に関してどのような判断が下されるかを見越した動きが予想される。
 抵抗線は5日間移動平均線が通る117.50円水準、今月13日の高値118.38円、119円。支持線は116.50円、昨年8月24日の安値116.15円、昨年1月16日の安値115.83円。

【主要経済指標・イベントレビュー】
1月13日 
    中国貿易収支(昨年12月)601億ドルの黒字。15年の年間貿易額は6年ぶりの減少
    米財政収支(昨年12月):144億4,400万ドルの赤字
    米地区連銀経済報告:7地区が成長は緩慢、2地区は緩やかと指摘
              賃金圧力は抑制され、全体の物価圧力も限定的
              景気は12地区のうち9地区で拡大
              個人消費の伸びは小幅から緩やか
1月14日 
    米週間新規失業保険申請件数(9日まで):28万4,000件、事前予想27万5,000件
1月15日 
    米小売売上高(昨年12月):総合は前月比−0.1%(事前予想−0.1%減)
    NY連銀製造業景気指数(1月):−19.37(事前予想−4.00)
    米鉱工業生産指数(昨年12月):前月比−0.4%。3カ月連続低下(事前予想−0.2%)
    米ミシガン大消費者信頼感指数(1月、速報値):93.3(事前予想92.9)

【1月18日からの週の注目ポイント】
1月19日 
    中国鉱工業生産指数・小売売上高(昨年12月)  ☆☆☆
    中国第4四半期国内総生産(GDP)  ☆☆☆
    世界経済見通し(IMF)  ☆☆☆
    独ZEW景況感指数(1月)  ☆☆
1月20日 
    独生産者物価指数(昨年12月)  ☆
    米消費者物価指数(昨年12月)  ☆
    米月住宅着工・建設許可件数(昨年12月)  ☆☆☆
1月21日 
    ユーロ圏消費者物価指数(昨年12月)  ☆☆
    欧州中央銀行(ECB)政策金利、ドラギ総裁記者会見  ☆☆☆
    米フィラデルフィア連銀景況指数(1月)  ☆☆
    米新規失業保険申請件数  ☆☆
1月22日 
    米中古住宅販売件数(昨年12月)  ☆☆
    米カンファレンスボード・景気先行指数・(昨年12月)  ☆☆
*重要度を3段階で表示

世界中から観光客が集まるNYタイムズスクェア

【日経平均株価】
 1月第2週の日経平均株価は大幅続落。中国の景気不安、原油安から世界的な株安進行を受け、14日に一時1万7,000円割れとなり、昨年9月29日以来の安値をつけた。18日は欧米の株安、円高から午前中に1万6,665.05円まで下落し、1年ぶり安値を更新。支持線は昨年1月16日の安値1万6,592.57円。

【米株】
 米株式市場はニューヨークダウが15日に昨年8月26日以来の安値となる1万5,842.11ドルまで下落し、1万6,000ドル割れで引けた。15日は昨年12月の米小売売上高が前月比マイナスとなるなど、弱気の米経済指標が相次いだこと、原油相場30ドル割れから資源株の売り圧力が強まったこと、中国など新興消費大国の景気不安などが下落要因。

【大口投機家は円を買い越しに転換=CME】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は15日に今月12日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円の大口投機家は1月5日現在、4,103枚買い越しに転じたが、12日現在、2万5,266枚まで買い越し幅を拡大。前週の本欄で119円を試すと円の買い戻しが先行かとの見解を示したが、118.30円台で円は下げ渋り、円の買い戻しが膨らまず。むしろ117円台後半から118円台前半で円の押し目買いが優勢となったとみられる。今週もニューヨークダウが下値模索の展開を継続ならドル安傾向から円買いを継続か。

2016年01月18日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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