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外為マーケットコラム

米雇用統計が強気ならドル買い加速か

 1月25日から週のドル・円は大幅高となった。27日に米債利回りの上昇、原油先物や欧米株式相場の回復を受け、リスクオン(選好)の動きが優勢となり、FOMC終了後に1ドル=119.07円と1月6日以来の高値をつけた。28日に118円台後半中心の値動きとなった後、29日は日銀のマイナス金利を導入する金融緩和に踏み切ったことを受け、東京時間から121円台前半までドル高、円安が進んだ。昨年第4四半期・米国内総生産(GDP)伸び率速報値は前四半期から鈍化し、事前予想を下回ったが日米当局の金融政策の方向性の違いからドル買いの動きは強く121円台前半で引け、年明けの120.30円から上昇して1月の取引を終了。

 中国経済に対しての不安が強いこと、原油価格の下落から産油国の財政悪化による経済不安から世界的に株価が不安定な状況が続いた。投資家がリスク回避の動きを強め、株の先安感が払拭できないまま週末を迎えた。株安の一因となった原油相場は供給過剰の長期化に加え、株安から需要減少懸念が強まり、国際指標価格のWTIニューヨーク原油は15日に2003年11月以来の安値となる29.13ドル(期近)まで下落し、30ドル割れで15日の取引を終了。米国や欧州連合(EU)はイランに科してきた経済制裁を解除に着手しており、イランが今後、原油の増産体制を強める観測から原油相場は一段安が予想される。株安がさらに進み、リスク回避からドルが下落の負の連鎖が続くと、ドル安シナリオが描かれる不安あり。

【ドル・円の予想レンジ】
 今週の予想レンジは1ドル=119円〜123円。3月の米利上げ観測は後退しているが、日米の金融政策の違いは明らかでドルの押し目買い意欲は強いと予想。原油相場が反落となると、リスク回避となり、120円割れから119円前後に修正安の不安あり。25日移動平均線が通る118.60円水準が支持線として意識され、119円水準は安値拾いの買いが強いとみる。5日発表の1月の米雇用統計が昨年12月の雇用統計に続き、強気の数字となると、ドル買いが加速か。1日の東京時間の午前中に中国国家統計局と物流購買連合会が発表した1月の中国製造業購買担当者指数(PMI)は49.4となり、前月の49.7から低下、大方の事前予想49.6も下回った。1日の東京時間の午前中は特にリスク回避ムードになっていないが注意したい。なお中国は春節のため、7〜13日まで大型連休となる。
 抵抗線は1月29日の高値121.68円、122円、123円。支持線は今年の始値120.30円、5日間移動平均線が通る119.65円、119円の節目。

【主要経済指標・イベントレビュー】
1月25日 
    独ifo企業景況感指数(1月)は107.3に低下(事前予想108.4)
1月26日 
    米消費者信頼感指数(1月):98.1(事前予想96.5)
1月27日 
    米新築住宅販売件数(12月):前月比+10.8%の54万4,000件(事前予想50万件)
    FOMC:政策金利の誘導目標を0.25〜0.50%に据え置く
    世界的な経済・金融情勢を注意深く見守る。経済は緩やかな利上げに限って正当化へと再表明
    昨年終盤に景気が減速したが雇用市場は一段と改善
1月28日 
    米週間新規失業保険申請件数:27万8,000件(事前予想28万1,000件)
1月29日 
    日銀、マイナス0.1%金利の初の導入決定、必要ならさらに下げ
    昨年第4四半期・米GDP速報値:前期比+0.7%(事前予想+0.8%増)
    シカゴ購買部協会景気指数(1月):55.6(事前予想45.3)
    米ミシガン大消費者信頼感指数(1月、確報値):92.0(事前予想93.0)

【2月1日からの週の注目ポイント】
2月1日 
    米個人所得・支出(昨年12月)  ☆☆
    米ISM製造業景況指数(1月)  ☆☆☆
2月2日 
    独雇用統計(1月)  ☆☆
    ユーロ圏雇用統計(昨年12月)  ☆☆
2月3日 
    ユーロ圏小売売上高指数(昨年12月)  ☆
    米ADP雇用統計(1月)  ☆☆☆
    米ISM非製造業景況指数(1月)  ☆☆
2月4日 
    米新規失業保険申請件数  ☆☆
    米製造業受注指数(昨年12月)  ☆
2月5日 
    日本景気動向指数(昨年12月)  ☆☆
    独製造業受注指数(昨年12月)  ☆
    米雇用統計(1月)、  ☆☆☆
    米貿易収支(昨年12月)  ☆☆
*重要度を3段階で表示

【冬のマンハッタン・ビジネスストリート、寒さ和らぎ気温は上昇】

【日経平均株価】
 1月最終週の日経平均株価は急反発。25日に1万7,200円台を回復した後、翌26日に1万6,652.26円まで反落となり、1万6,700円台で引けたが、27、28日は1万6,900円台の押し目は買い拾われ、28日は1万7,000円台で引けた。29日は場中、日銀のマイナス金利導入決定を受け、乱高下したが、400円以上の上げ幅を維持し、1万7,518.30円で引けた。1万7,000円が支持線として意識され、1万7,200円水準では押し目買いが根強いとみる。5日に米雇用統計の発表があり、1万8,000円に接近すると、利食い売りが先行か。

【米株】
 米株式市場は28日まで1万6,000ドルを挟んでのもみあいとなったが、29日は日銀のマイナス金利の導入やマイクロソフトの好決算を受け、大幅高となり、1月14日以来の高値となる1万6,466.30ドルまで買い進まれ、V字形の急反騰となった。今週は3日から米労働市場に関する経済指標の発表が続き、それらの数字を見極めながら1万6,500ドル台回復期待。原油相場の動向も引き続き、カギを握ろう。

【大口投機家の円の買い越し幅は拡大=CME】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は1月29日に同月26日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円市場で大口投機家は一段と円の買い越し幅を拡大させ、買い越し枚数は5万26枚となった。ただ27日以降は円売りが増加したとみられる。特に29日は円売り、ドル買いの動きが強まったとみられ、再度、転換日になった可能性あり。

2016年02月01日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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