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外為マーケットコラム

米金利再引き上げ観測が後退でドル安が進みやすい環境

 2月第1週のドル・円は急落となった。3日に世界経済の先行き懸念による米追加利上げ観測の後退や1月の米非製造業活動がほぼ2年ぶりの低水準となったことを嫌気し、1ドル=117円に接近する下落となった。4日は米経済指標も弱気の数字が多いことや、中国経済に対しての懸念や原油安などから世界経済への不安が強く、116.50円水準までドル安、円高が進行。5日は米労働省から発表された1月の米雇用統計が弱気の数字となり、反発力弱く116.80円台で引けた。ドルは対ユーロでも下落し、5日に昨年10月22日以来のドル安・ユーロ高となる1ユーロ=1.1245ドルをつけ、ドル全面安の展開。

【ドル・円の予想レンジ】
 今週の予想レンジは1ドル=115円〜118円台半ば。再度、リスク回避ムードが強まるなか、ドル安、円高が進みやすい環境。1月20日につけた115.96円が支持線だが、ドル売り圧力が強まると115.96円割れから115円の節目を意識する展開もありえよう。弱気の米経済指標の発表が続くと、3月の米利上げ観測がさらに後退し、ドル売りがさらに進むとみる。特に12日に発表される1月の米小売売上高に注目したい。中国は春節の大型連休となるため、上海株式市場は12日まで休場となる。自律修正高となった場合、25日移動平均線が通る118.20円台が強い抵抗線か。
 抵抗線は今月5日の高値117.42円、25日移動平均線が通る118.25円。支持線は1月20日の安値115.96円、115円の節目。

【主要経済指標・イベントレビュー】
2月1日 
    米ISM製造業景況指数(1月):48.2(事前予想48.4)
    米個人所得・支出(昨年12月):所得は前月比+0.3%(事前予想+0.2%)
                   支出は前月比変わらず(事前予想+0.1%)
2月2日 
    独失業率(1月)は6.2%に低下。過去最低を更新
    ユーロ圏失業率(昨年12月)は10.4%に低下、(事前予想10.5%)
2月3日 
    米ADP雇用統計(1月):20万5,000人増(事前予想19万3,000人)
    米ISM非製造業景況指数(1月):53.5 2014年2月以来の低水準
                   (事前予想55.1)
2月4日 
    米非農業部門労働生産性速報値(昨年第4四半期):前期比−3.0%
    2014年第1四半期以来の大幅な落ち込み(事前予想―2.0%)
    米週間新規失業保険申請件数:28万5,000件(事前27万8,000件)
    米製造業受注(昨年12月):前月比−2.9%(事前予想―2.8%)
    米耐久財受注(昨年12月、改定値):総合は前月比−5.0%(事前予想は−4.5%)
2月5日 
    米貿易収支(12月):433億5,700万ドルの赤字(事前予想432億ドルの赤字)
    米雇用統計(1月):失業率は4.9%(事前予想5.0%)
              非農業部門雇用者数は15万1,000人増(事前予想は19万人増)
              平均時給は前月比+0.5%(事前予想+0.3%)

【2月8日からの週の注目ポイント】
2月9日 
    独月鉱工業生産指数(12月)  ☆☆
    独貿易収支・経常収支(12月)  ☆
2月10日 
    米財政収支(1月)  ☆☆
2月11日 
    米新規失業保険申請件数   ☆☆
2月12日 
    独1月消費者物価指数  ☆
    独国内総生産(GDP)第4四半期・速報値  ☆☆☆
    ユーロ圏鉱工業生産指数(12月)  ☆
    ユーロ圏国内総生産(GDP)第4四半期・速報値  ☆☆☆
    米小売売上高(1月)  ☆☆☆
    米ミシガン大学消費者信頼感指数(2月)  ☆☆
*重要度を3段階で表示

【NYウオールストーリートのビジネスマンのオブジェ】

【日経平均株価】
 2月第1週の日経平均株価は急反落。1日は日銀がマイナス金利導入から1月29日の欧米の株価が上昇したことを好感し続伸したが、2日から下げ相場に転じ4日に1万7,000円割れ。5日に1万6,627.80円まで下落し、マイナス金利の導入を発表した1月29日の安値1万6,767.09円を割り込んだ。3日と5日はチャート上にギャップ(窓)を空ける下げとなり、売り圧力の強い相場展開となった。修正高があっても1万7,000円が抵抗線として意識され、反発力は弱い展開か。11日が建国記念日で祝日、中国が春節の大型連休であることもあり、見送りムードが強いと予想。週前半に1万6,500円を維持できるかに注目したい。1万6,500円割れとなると、1ドル=115円台まで円高が進み、負の連鎖となり、1万6,000円台前半まで下落もありえるとみる。

【米株】
 米株式市場は軟調な展開。ニューヨークダウは3日に1万6,000ドル割れとなったが、その日のうちに反発。1万6,500ドルが抵抗線となり、戻りは鈍く、前週末より250ドル以上の下落で2月第1週の取引を終えた。下値を切り上げてはいるが、下値不安は払拭できず、再度、1万6,000ドル割れの可能性ありとみる。原油相場が再度30ドル割れとなると、資源株中心に売り圧力が強まり、1万6,000ドル割れか。

【大口投機家は今月3日以降、ドル売り姿勢を強める=CME】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は5日に今月2日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円市場で大口投機家は1月26日現在の5万26枚の買い越しから3万7,245枚の買い越しに減少。ただし3日以降、円の買い越し幅を再度、拡大したとみられる。シカゴユーロ市場でユーロの売り越し幅は1月26日現在の12万7,215枚から2日現在、8万7,073枚まで急減した。3日以降、一段とユーロの買い戻しが進んだことがユーロ高、ドル安を加速させた。米金利再引き上げシナリオが後退しており、投機家はドル売り(円買い、ユーロ買い)姿勢を継続か。

2016年02月08日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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