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外為マーケットコラム

115円水準に反発の可能性あるが、不安定な値動き続く

 2月第2週のドル・円は大幅続落となった。世界的な株安からリスク回避の動きの強まり、米金利引き上げ観測の後退からドルは全面安となった。1ドル=115円の節目を9日に割り込むと、下げ足が加速し、11日には110.96円まで下落したが、その日のうちに112円台半ばに反発した。12日は1月の米小売売上高が事前予想を上回ったこと、原油相場の反発を好感し、113円台半ばまで反発し、113.20円台で大波乱の1週間を終えた。ドルは対ユーロでも続落となり、11日に昨年10月21日以来のドル安・ユーロ高となる1ユーロ=1.1272ドルをつけ、ドル全面安の展開。

【ドル・円の予想レンジ】
 今週の予想レンジは1ドル=111円〜115円台半ば。予想以上にドル安、円高が進んだが、ヘッジファンドなど投機資金の動きに左右された面もあり、投機色の強い相場である。株式市場が落ち着きを取り戻せば、115円の前後まで反発する余地はあろう。ニューヨークダウが1万6,000ドル台で堅調な値動きとなると、10日の高値115.26円を目指す反発となる期待は持てる。その反面、上海株が軟調地合いを継続し、下値模索となると、再度、リスク回避の動きが強まり、111円近辺までドル安、円高の進行の不安が強まるとみる。15日に発表された昨年第4四半期実質国内総生産(GDP)成長率一次速報は、前期比−0.4%、前期比年率−1.4%となり、国内景気の減速感が示されたが、ドル・円は15日の日本時間の午前中、113円台半ばで推移し、円売りの材料にはなっていないが、日本の景気指標にも注意したい。
 抵抗線は115円の節目、10日間移動平均線が通る115.50円水準、25日移動平均線が通る117.20円。支持線は12日の安値111.63円、11日の安値110.96円、110円の節目。

【主要経済指標・イベントレビュー】
2月9日
    独鉱工業生産指数(昨年12月):前月比1.2%低下、(事前予想0.5%上昇)
2月10日
    イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の下院金融委員会での議会証言。
    3月の連邦公開市場委員会(FOMC)では世界的な株安、資源安が収束しなければ、
    利上げを見送る可能性に踏み込んだ。また中国経済と通貨政策の不確実さが、市場の動揺と不安を招いていると指摘。
2月11日
    米週間新規失業保険申請件数は26万9,000件。7週間ぶりの低水準。(事前予想28万件)
2月12日
    米小売売上高(1月):総合:前月比+0.2%(事前予想+0.1%増)
    米ミシガン大消費者信頼感指数(2月、速報):90.7(92.3)
    独GDP速報値(昨年第4四半期)は前期比0.3%増、(事前予想0.3%増)

【2月15日からの週の注目ポイント】
2月15日 
    中国貿易収支(1月)                 ☆☆
    ユーロ圏貿易収支(昨年12月)             ☆☆
2月16日 
    独ZEW景況感指数(2月)                ☆☆
    米NY連銀製造業景気指数(2月)            ☆☆
2月17日 
    中国消費者物価指数、生産者物価指数(1月)       ☆☆
    米フィラデルフィア連銀景況指数(2月)         ☆☆
    米新規失業保険申請件数                 ☆☆
    米景気先行指数(1月)                 ☆☆
    米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(1月26・27日分) ☆☆☆
2月19日 
    米消費者物価指数(1月)                ☆☆
*重要度を3段階で表示

【日経平均株価】
 2月第2週の日経平均株価は大幅続落。円高の進行を嫌気し、10日に1万6,000円割れとなり、12日は1万4,865.77円まで下落し、2014年10月以来の安値をつけた。年初からの下げは4,000円以上となり、売り過剰感が台頭。株価純資産率(PBR)が1倍割れとなる株価が多く見られ、割安感が感じられ、中長期的には買い妙味ありだが、当面は不安定な値動きが予想される。大型連休明けとなった上海株の動向に注意が必要。

【米株】
 米株式市場は軟調な展開を継続。11日に1万5,503.01ドルまで下落し、1月20日の安値1万5,450.56ドルに接近する下げとなった。12日に原油価格の反発を好感し、300ドルを超える反発となったが、1万6,000ドル台を回復できず。底割れに至っておらず、下値は堅く推移したが、弱気相場を継続。1万6,000ドル、25日移動平均線が通る1万6,130ドルが目先の抵抗線。1月の小売売上高に続き、17日発表の同月の住宅着工件数・建設許可件数が堅調な数字になるかに注目。

【大口投機家は、NYダウ工業株平均を売り越しに転じる=CME】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は12日に今月9日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円市場で大口投機家は2月2日現在の3万7,245枚の買い越しから4万3,232枚の買い越しに増加。10日以降も円買い意欲が一段と強まり、12日現在、5万枚以上に増加しているもよう。シカゴ・NYダウ工業株平均ミニ市場では大口投機家の2日現在の33枚の買い越しから945枚の売り越しに転換。昨年12月15日には2万2,671枚まで買い越し幅が膨らんだが、年明けから買い越し幅は縮小となり、ついに売り越しに転換。売り越しとなったのは昨年9月22日以来のこと。昨年8月25日には1万5,856枚まで売り越し幅が膨らんだことがある。


【NYグランドセントラル駅。通勤客と観光客で賑わう有名スポット。】

2016年02月15日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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