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外為マーケットコラム

日米の金融政策に対する反応を見極め

 3月第2週のドル・円相場は1ドル=112円台前半まで押し目を形成したが、米株式市場に上昇を背景にリスクオン(容認)の動きが強まり、113円台後半で11日の取引を終えた。
 10日には欧州中央銀行(ECB)が予想以上の追加緩和に踏み切ったことから一時、今月2日以来の高値となる114.45円へと上昇した。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が追加利下げの可能性を否定したことで流れが一変し、112.61円まで急落し、乱高下場面があった。しかしドルは対ユーロでも切り返し、ドル堅調ムードは崩れず。

【ドル・円の予想レンジ】
 今週の予想レンジは1ドル=112円〜115円。日米の金融政策に対する反応を見極めが必要な週。14、15日に日銀金融政策決定会合、15、16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催がある。日米とも金融政策は現状維持とみられるが、日銀黒田総裁、米連邦準備制度理事会(FRB)イエレン議長の発言で中長期的な金融政策のシナリオが描かれよう。米金利の年内引き上げ観測が強まった場合にもかかわらず、ニューヨークダウが堅調に推移した場合、ドルは堅調に推移か。注目すべき米経済統計は2月の小売売上高、同月の住宅着工件数・建設許可件数などが挙げられる。
 今月に入り、114円台に何度も上昇しているが、終値で114円台を維持したことがない。テクニカルからは114円台での売りをいかに吸収し、115円の節目を突破できるかがカギ。逆に112円台前半〜半ばは格好の押し目買い局面となった。前週のレンジとほぼ同じだったが、112〜115円のレンジ内での動きを予想。その一方で抜けた方向に動く可能性も念頭に置く必要あり。
 抵抗線は今月2日の高値114.55円、115円の節目、支持線は9日の安値112.20円、112円の節目、2月24日の安値111.03円。

【主要経済指標・イベントレビュー】
3月7日
    フィッシャー米FRB副議長、米失業率は完全雇用の近辺にある
                  原油安、市場が安定すれば米国にプラス
3月8日
    昨年第4四半期 ユーロ圏GDP改定値は前期比0.3%増、速報と一致
3月10日
    ECB理事:政策金利を0.00%に引き下げ、中銀予金金利を―0.40%に引き下げ
         債券購入額を800億ユーロに拡大
         ドラギ総裁、金利は長期にわたり現水準かそれ以下へ
         ECB、量的緩和は少なくとも2017年3月末まで継続
    米週間新規失業保険申請件数:25万9,000件(事前予想27万5,000件)
    米財政収支(2月):1,926億1,400万ドルの赤字、(事前予想1,963億ドルの赤字)

【3月14日からの週の注目ポイント】
3月14日 
    ユーロ圏(1月)鉱工業生産指数                 ☆
3月15日 
    日銀金融政策決定会合・金融政策発表、黒田日銀総裁記者会見  ☆☆☆
    米小売売上高(2月)                    ☆☆☆
    米生産者物価指数(2月)                   ☆☆
    米NY連銀製造業景気指数(3月)               ☆☆
3月16日 
    米住宅着工件数・建設許可件数(2月)            ☆☆☆
    米消費者物価指数(2月)                   ☆☆
    米鉱工業生産・設備稼働率(2月)               ☆☆
    米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利発表          ☆☆☆
    イエレンFRB議長記者会見                  ☆☆☆
3月17日 
    米新規失業保険申請件数                    ☆☆
    米フィラデルフィア連銀景況指数(3月)            ☆☆
    米景気先行指数(2月)                    ☆☆
3月18日 
    米ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(3月)         ☆☆
*重要度を3段階で表示

【日経平均株価】
 3月第2週の日経平均株価は9日に1万6,500円割れとなったが、10日から反発し、11日には一時1万7,000円超えを試し、V字形の反発。今月2日に空けたチャート上のギャップ(窓)の上限1万6,388.92円を試す前に反転した。2日に25日移動平均線超えとなった後、一度も25日移動平均線割れはなく、チャートは強気。ニューヨークダウが1万7,000ドル台回復を好感。14日は1万7,200円台に上昇しており、1万7,000円台での値固め完了後に1万7,500円近くまで上昇期待。

【米株】
 米株式市場は大幅続伸。原油高を好感し、強気相場を回復。11日には1月4日以来の高値となる1万7,220.09ドルまで上昇し、ほぼこの日の高値圏で引け、先高感を残して引けた。原油相場との相関性を維持しており、原油相場の動向がカギ。米小売売上高で個人消費の堅調さが示されるかも注目要因である。

【114.55円で大口投機家の円売り予想を継続】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は11日に今月8日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円市場で大口投機家は3月1日現在の5万9,625枚の買い越しから6万4,333枚に増加。予想以上に円の売り越し幅が増加した印象が強い。今月2日につけた114.55円手前で円は下支えられた格好だが、引き続き114.55円では円売り注文が設定されるとみる。


【ニューヨークマンハッタンのイエローキャブ(タクシー)】

2016年03月14日

(みんかぶ/森 成俊)

株式会社みんかぶ 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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