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外為マーケットコラム

110円台は値ごろ感あり、ドル買い意欲が強まる

 3月第3週のドル・円相場は15日に日銀が追加緩和を見送ったことによる株式市場に対する警戒感や原油安でリスク回避の動きから1ドル=112.60円台に下落。16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明文の発表で早期の米利上げ観測が後退したことで、17日の東京時間に支持線の112.20円割れとなった。テクニカルから下放れるとともに、日本の機関投資家による年度末のリパトリエーション(資金の本国送還)の動きを指摘なども警戒され、欧米時間では一昨年10月31日以来の安値となる110.60円台まで急落した。110円台では買い拾われ、111円台半ばで引けた。18日は110.70円台を試したが、この日も110円台での取引は長続きせず、111円台半ばで終えた。21日は111円台での取引となり、111円台後半で引け、22日は東京時間の午前中から112円台前半に続伸し、戻り歩調を継続。

【ドル・円の予想レンジ】
 今週の予想レンジは1ドル=110円台半ば〜113円台後半。ドル・円は3カ月前まで120円台で推移していたが、120円台は日本の投資家、輸入業者、旅行者にとって米国の物価を考慮すると、ドルは割高に感じる水準。110円台前半まで水準訂正が進んだが、110円台前半は少し値ごろ感が感じられる水準。日本国内は依然としてデフレ色が濃く、マイナス金利状態は長期化する可能性あり。110円水準ではドル買い意欲は強いとみる。ニューヨークダウが短期的な買い過剰感から修正安局面入りし、下げ幅が大きいと、リスク回避の動きから、再度110円台後半に下落の可能性あり。25日はグッドフライデー(聖なる金曜日)で欧米市場とも休場となるが、米経済統計(昨年第4四半期国内総生産GDPの確定値)の発表はある。
 今月に入り、114円台に何度も上昇しているが、終値で114円台を維持したことがない。テクニカルからは114円台での売りをいかに吸収し、115円の節目を突破できるかがカギ。逆に112円台前半〜半ばは格好の押し目買い局面となった。前週のレンジとほぼ同じだったが、112〜115円のレンジ内での動きを予想。その一方で抜けた方向に動く可能性も念頭に置く必要あり。
 抵抗線は支持線であった112.20円、113円の節目、16日の高値113.81円。支持線は111円、110.60円、110円の節目。

【主要経済指標・イベントレビュー】
3月14日
    ユーロ圏鉱工業生産指数(1月)は前月比2.1%上昇(事前予想1.7%上昇)
3月15日
    日銀金融政策決定会合:0.1%のマイナス金利による緩和政策を据え置く
    日銀黒田総裁 効果フルに分かるまで待つ必要ない−追加緩和で
    米小売売上高(2月):総合は前月比−0.1%(事前予想−0.2%)
    米生産者物価指数(2月):総合は前月比−0.2%(事前予想−0.2%)
    NY連銀製造業景気指数(3月):+0.62(事前予想−10.50)
3月16日
    米住宅着工件数(2月):前月比+5.2%の117万8,000件(事前予想は115万件)
    米消費者物価指数(2月):総合は前月比−0.2%(−0.2%)
    米鉱工業生産(2月):前月比−0.5%、事前予想−0.3%)
    FOMC:FF金利の誘導目標を0.25−0.50%に据え置く
       世界経済の動向は引き続きリスクに
       年内2回の利上げを示唆−昨年12月時点は4回
    FOMC予測
       2016年GDPは2.2%増、12月予想は2.4%増
       2016年失業率は4.7%、12月予想と変わらず
       2016年PCE価格指数は1.2%上昇、12月予想は1.6%上昇
       2016年末のFF金利は0.9%、12月予想は1.4%
3月17日
    フィラデルフィア地区連銀景況指数(3月):+12.4(事前予想−1.5)
    米週間新規失業保険申請件数:26万5,000件(事前予想26万8,000人)
3月18日
    米ミシガン大消費者信頼感指数(3月、速報値):90.0(事前予想92.2)

【3月22日からの週の注目ポイント】
3月22日 
    独3月ifo景況感指数                 ☆☆
    独3月ZEW景況感指数                 ☆☆
3月23日 
    MBA住宅ローン申請件数                 ☆
    米新築住宅販売件数(2月)             ☆☆☆
3月24日 
    独製造業・サービス業購買担当者景気指数PMI(3月)  ☆☆
    ユーロ圏製造業、サービス業PMI(3月)        ☆☆
    米耐久財受注(2月)                ☆☆☆
    米週間新規失業保険申請件数              ☆☆
3月25日 
    日本景気動向指数改定値(1月)             ☆
    米第4四半期国内総生産(GDP)確報値         ☆☆☆
*重要度を3段階で表示

【日経平均株価】
 3月第3週の日経平均株価は14,15日に1万7,200円台を試し、2月初旬以来の高値圏で推移したが、16日からは調整色が濃くなった。16、17日は1万6,900円台で引け、下値は堅かったが、18日は円高の進行を受け、1万6,613.69円まで下落したが、今月11日の安値1万6,575.75円が支持線となり、底堅く推移。ニューヨークダウが年初来高値を更新していることが下値を支えた。22日の午前10時時点で25日移動平均線が1万6,540円水準に通っているが、今月2日に25日移動平均線超えとなった後、一度も25日移動平均線割れはなく、上昇トレンドは崩れていない。

【米株】
 米株式市場は大幅続伸。原油高を支援材料に戻り高値の更新が続いた。17日に1万7,500ドル超えとなった後、今年の高値を更新。18日には銀行、証券などの金融株を買う動きが強まり、1万7,620.58ドルまで続伸し、昨年12月30日以来の高値をつけた。18日時点で今月10日の安値1万6,821.86ドルから短期間で800ドル近く急騰し、短期的な買い過剰感はある。原油が調整局面入りとなると、つれ安となり、5日間移動平均線(21日の終値時点)が通る1万7,457ドル水準まで修正安の可能性あり。1万8,000ドル超えは4月以降とみる。

【112円台では円買い玉がかなりあるもよう】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は18日に今月15日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円市場で大口投機家は3月8日現在の6万4,333枚の買い越しから4万5,489枚に減少した。しかし16日以降、円買いが急増したとみられる。1ドル=112円台では円の買い玉がかなりあるもよう。


【NYで人気のハンバーガーのShake Shack。これで$18.51法最近のレートなら約2,100円】

2016年03月22日

(みんかぶ/森 成俊)

株式会社みんかぶ 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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