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外為マーケットコラム

米雇用統計が強気ならドル高・円安に傾きやすくなる

 3月第4週のドル・円相場は堅調な値動きとなった。21日に1ドル=111円台で取引を開始した後、反発となり、24日に113円を試し、25日には今月16日以来の高値となる113.32円まで上昇した。25日の欧米市場はグッドフライデー(聖金曜日)で祝日となったが、昨年第4四半期の米国内総生産(GDP)の伸び率確報値の発表があり、前期比1.4%増と、改定値の1.0%増から上方修正され、ドルの支援材料になった。日足は6営業日連続で陽線引け。ドルは対ユーロでも上昇し、ドルの反発局面。

【ドル・円の予想レンジ】
 今週の予想レンジは1ドル=111円台半ば〜114円台後半。今週は30日から米労働市場に関する雇用統計の発表が続く。4月1日に米労働省が発表する3月の雇用統計中心に今後の米金融政策に対する思惑は働き、値動きが荒くなる可能性がある。3月の米雇用統計に対する28日時点での大方の事前予想は、失業率は前月と変わらずの4.9%。非農業部門の就業者数は前月比20万8,000人増。前月の24万2,000人増からは鈍化する見込みだが、労働市場の活況の分岐点とされる20万人は上回る見込み。米雇用統計が強気ならドル高・円安に傾きやすくなる。
 今月に入り、114円台に何度も上昇しているが、終値で114円台を維持したことがない。テクニカルからは114円台での売りをいかに吸収し、115円の節目を突破できるかがカギ。逆に112円台前半〜半ばは格好の押し目買い局面となった。前週のレンジとほぼ同じだったが、112〜115円のレンジ内での動きを予想。その一方で抜けた方向に動く可能性も念頭に置く必要あり。
 テクニカル指標からは23日に25日間移動平均線を突破し、強気に転換。14日間の相対力指数(RSI)は25日の終値時点では49.80でほぼ中立だったが、28日の東京時間の午前中から1ドル=113円台半ばまでドル高、円安が進んだこととで日本時間の午前11時現在、52.47に上昇し、強気に転換を示唆。
 抵抗線は114円の節目、10日の高値114.44円、115円。支持線は25日移動平均線が通る112.90円水準、112円、21日の安値111.19円。

【主要経済指標・イベントレビュー】
3月21日
    米中古住宅販売件数(2月) 前月比−7.1%の508万件(事前予想531万件)
3月22日
    ユーロ圏総合PMIは53.7に上昇(事前予想53.0)
    独ifo企業景況感指数は106.7に上昇(事前予想106.0)
    独ZEWEW景況感指数は4.3(事前予想5.4)
3月23日
    米新築住宅販売件数(2月):前月比+2.0%の51万2,000件(事前予想は51万件)
3月24日
    米週間新規失業保険申請件数(19日まで):26万5,000件(26万9,000件)
    米耐久財受注(2月、速報値):総合は前月比−2.8%(事前予想−3.0%)
3月25日
    米国内総生産(GDP)昨年第4四半期 伸び率確報値:前期比1.4%増
    改定値の1.0%増から上方修正(事前予想は1.0%増)

【3月28日からの週の注目ポイント】
3月28日 
    米個人所得・個人支出(2月)         ☆☆
3月29日 
    米消費者信頼感指数(3月)          ☆☆
3月30日 
    米ADP雇用統計(3月)          ☆☆☆
3月31日 
    独雇用統計(3月)              ☆☆
    米新規失業保険申請件数            ☆☆
    米シカゴ購買部協会景気指数(3月)      ☆☆
4月1日 
    日銀短観(3月調査)            ☆☆☆
    中国製造業購買担当景気指数(3月)     ☆☆☆
    中国財新製造業購買担当景気指数(3月)    ☆☆
    ユーロ圏雇用統計(2月)           ☆☆
    米雇用統計(3月)             ☆☆☆
    米ISM製造業景況指数(3月)         ☆☆
    米建設支出(2月)              ☆☆
    米ミシガン大学消費者信頼感指数確報値(3月)  ☆
*重要度を3段階で表示

【日経平均株価】
 3月第4週の日経平均株価は1万7,000円を挟んでもみあい。今月18日の安値1万6,613.69円が支持線となり、24日に1万6,843.99円で下げ渋り、1万7,000円を維持して、25日の取引を終えた。三角ペナントを形成し、次の方向性を探る展開。今月3日以降、25日移動平均線を上回る状態を継続し、基調は強気。円高により企業業績の悪化懸念が上値圧迫要因。国内の景況感の悪化も投資家心理を弱気にさせるが、高配当、好業績銘柄を物色の動きは強く、下値堅い動きか。

【米株】
 米株式市場は反落。21、22日は1万7,600ドル台を試し、高値圏で堅調な値動きとなったが、23日は原油、銅などの非鉄相場の下落から利食い売り先行となり、押し目形成局面となった。24日は1万7,399.01ドルまで下落し、1週間ぶりの安値をつけたが、押し目買い意欲強く、1万7,500ドルを回復して引けた。今月に入り、1,000ドル以上の大幅高となり、高値修正局面。原油相場との相関性が強い相場。引き続き、原油相場の動向に注視が必要だが、今週は30日から米労働市場に絡んだ経済指標の発表が続き、その数字にも左右されよう。4月に入ると、第1四半期の企業業績の発表が注目される。

【NYダウ工業平均ミニ株で投機家の買い越し急増】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は25日に今月22日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円市場で大口投機家は3月15日現在の4万5,489枚の買い越しから5万3,346枚に増加した。23、24日は手じまい売りが先行し、5万枚台前半まで減少か。114円が手じまい売りポイントと予想。シカゴ・ダウ工業平均ミニ株市場で大口投機家の買い玉が急増し、買い越し幅が15日現在の828枚の買い越しから6,872枚へと増加したのが目立った。


【NYマンハッタンのフラットアイアンビル。1902年竣工の歴史的建造物。】

2016年03月28日

(みんかぶ/森 成俊)

株式会社みんかぶ 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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