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外為マーケットコラム

ドル売り圧力強い、FOMC議事録公表などのイベントに注目

 3月最終週から4月1日の週のドル・円相場は29日に1ドル=113.80円まで上昇し、3月16日以来の高値をつけたが、その日、米イエレンFRB議長が利上げにおける慎重な姿勢を示したことを受け、4月の利上げ観測が後退し、112円台半ばに急落した。3月の米雇用統計は米労働市場の改善を示す数字であったが、早期の米利上げはなく、緩やかに実施との見方からドルは対円、対ユーロでも下落となった。ドル・円は1日に3月22日以来の安値となる111.55円まで下落し、111.60円台で取引を終えた。ニューヨークダウが上昇基調を維持し、1日に昨年12月7日以来の高値となる1万7,811.48ドルまで上昇したが、ドル高につながらなかった。

【ドル・円の予想レンジ】
 今週の予想レンジは1ドル=110円台前半〜113円台半ば。早期の米利上げ観測が後退し、ドル買いにつながらなかった。今週も引き続き、米金融政策に対しての関心が強い状況が続くとみられる。6日に先月15、16日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録公表、7日にイエレンFRB議長がバーナンキ氏、グリーンスパン氏など、FRB議長らと対談、8日にはニューヨーク連銀のダドリー総裁らのスピーチがあり、イベントが豊富な週だ。これらのイベント、米経済指標を見極めながらもドル売り圧力は強いとみる。株安となると、110円台に下落の可能性ありとみる。強気の米経済指標が出て早期の米利上げ観測が再燃しても113.80円が抵抗線として意識され、113円台半ばへの反発が精一杯か。円サイドからは7日に開催される日銀支店長会議に注目。日銀の金融緩和観測が強まると、円の買い戻し要因となるが、戻りは限定的とみる。
 今月に入り、114円台に何度も上昇しているが、終値で114円台を維持したことがない。テクニカルからは114円台での売りをいかに吸収し、115円の節目を突破できるかがカギ。逆に112円台前半〜半ばは格好の押し目買い局面となった。前週のレンジとほぼ同じだったが、112〜115円のレンジ内での動きを予想。その一方で抜けた方向に動く可能性も念頭に置く必要あり。
 テクニカル指標からは25日間移動平均線が通る112.80円台が抵抗線。14日間の相対力指数(RSI)は3月28日の東京時間の午前中に52台に上昇したが、29日には50を大幅に割り込み、弱気に再転換。4日の日本時間の午前11時半現在、37.96で弱気。
 抵抗線は112円の節目、25日移動平均線が通る112.80円、3月28日につけた113.80円。支持線は3月21日の安値111.19円、同月17日の安値110.63円、110円の節目。

【主要経済指標・イベントレビュー】
3月28日
    米個人所得・支出(2月):所得は前月比+0.2%(事前予想+0.1%)
                 支出は前月比+0.1%(事前予想+0.1%)
3月29日
    米消費者信頼感指数(3月):96.2(事前予想94.0)
    イエレンFRB議長、利上げにおける慎重な姿勢「特に正当化される」
              必要に応じ刺激策講じる「余地はかなりある」
              将来の金融軌道は必然的に不透明
              FOMCは今後数年、緩やかな利上げを想定
              世界的動向からの影響波及は全般に限定的
              コアインフレ加速、持続可能性の判断時期尚早
3月30日
    米ADP雇用統計(3月):前月比20万人増(事前予想19万5,000人)
    ユーロ圏景況感指数速報値(3月)は103.0低下、13カ月ぶり低水準
    独消費者物価指数速報値(3月)は前年比0.3%上昇(事前予想0.1%上昇)
3月31日
    米週間新規失業保険申請件数:27万6,000件(事前予想26万5,000件)
    シカゴ購買部協会景気指数(3月):53.6(事前予想50.7)
    ユーロ圏CPI速報値(3月)は前年比0.1%低下、2カ月連続の低下
4月1日
    日銀短観(3月)企業製造業の業況判断DIは前回比で6ポイント悪化、2期ぶりに悪化
    米雇用統計(3月):失業率は5.0%(事前予想4.9%)
             非農業部門雇用者数は21万5,000人(事前予想20万5,000人増)
    米ISM製造業景況指数(3月):51.8(事前予想)
    米建設支出(2月):前月比−0.5%(事前予想+0.1%)
    米ミシガン大消費者信頼感指数(3月、確報値):91.0(事前予想90.5)
    独製造業PMI(3月)は50.7に上昇(50.7)、事前予想50.4

【4月4日からの週の注目ポイント】
4月4日 
    ユーロ圏(2月)生産者物価指数    ☆☆
    米(2月)製造業受注指数        ☆☆
4月5日 
    独(2月)製造業受注指数        ☆☆
    ユーロ圏(2月)小売売上高指数      ☆
    米貿易収支(2月)            ☆
    米ISM非製造業景況指数         ☆☆
4月6日 
    米FOMC議事録(3月15・16日分)   ☆☆☆
4月7日 
    米新規失業保険申請件数         ☆☆
4月8日 
    独貿易・経常収支(2月)         ☆
*重要度を3段階で表示

【日経平均株価】
 3月最終週から4月1日の日経平均株価は軟調。3月29日まで堅調に推移したが、30日から軟化し、下放れとなった。翌31日に25日移動平均線割れとなり、弱気転換を示唆した。1日は日銀短観で景況感の悪化が示されたことを嫌気し、一時600円以上の急落となり、3月1日以来の安値となる1万6,113.01円まで値を崩した。円高による企業収益のさらなる悪化が警戒され、ほぼ安値引け。3月2日にチャート上で空けたチャート上のギャップ(窓)をほぼ下に埋めた。

【米株】
 米株式市場は上伸。先月24日に1万7,399.01ドルで押し目を形成したが、28日以降は再度、上昇傾向を辿り、直近の高値更新の動きとなった。1日は米雇用統計で強気の数字が出たこと、年内の利上げが2回にとどまり、金利引き上げが緩やかであることを好感し、1万7,811.48ドルまで上値を伸ばし、昨年12月7日以来の安値をつけた。1日は原油相場が大幅安となり、1カ月ぶり安値をつけた。今後も原油相場の動向に注意が必要だ。米第1四半期の企業業績の発表が開始され、その影響を受ける可能性あり。ニューヨークダウ30種採用銘柄の業績発表は10日のアルコア、デルタ航空から始まる。

【NYダウ工業平均で投機家の買い越しはさらに大幅増】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は1日に先月29日現在の建玉明細を発表した。シカゴ・ダウ工業平均ミニ株市場で大口投機家の買い玉がさらに大幅増となり、買い越し幅が22日現在の6,872枚から1万2,533枚まで増加した。円は5万4,387枚買い越しと、22日の5万3,346枚から微増だが、30日以降、さらに増加しており、円買い姿勢がさらに強まっているもよう。


【ブルックリンとNYマンハッタンを結ぶマンハッタンブリッジ 人気の観光スポット】

2016年04月04日

(みんかぶ/森 成俊)

株式会社みんかぶ 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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