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外為マーケットコラム

投機的な動きでドル安、円高進みやすい

 4月4日の週のドル・円相場は急落。5日に3月17日につけた安値1ドル=110.63円、さらに110円の節目を割り込むと、ドル売り、円買いが加速し、7日には107.60円台までドル安、円高が進み、2014年10月以来のドル安、円高となった。8日に109円水準まで修正高となったが、ドル売り圧力は強い。6日に先月15、16日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が公開され、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げペースは緩やかとの姿勢に変わりはないとの見方からドル売りが進んだ。7日に日本政府高官から円高けん制発言が相次いだが、政府・日銀の介入実施には懐疑的な見方が強いこと、株安でドル売り、円買いの動きには歯止めがかからず。

【ドル・円の予想レンジ】
 今週の予想レンジは1ドル=105円台後半〜109円台前半。投機的な動きが強く、ドル安、円高が進みやすい。8日に麻生財務相が閣議後の記者会見で「場合によっては必要な措置をとる」と述べたが、介入に対して懐疑的な見方が多く、実際に介入があっても一時的なドル高、円安に終わり、本格的な反騰にはならないとみる。年内の米利上げは、昨年末には年4回との見方が多かったが、2回か3回と利上げペースは昨年末の予想より鈍るとの見方が支配的なため、ドル高に反転しにくい。
 テクニカル指標からは5日間移動平均線が通る108.90円、110円の節目、110.63円、25日間移動平均線が通る111.85円が抵抗線。支持線は今月7日の安値107.66円、107円の節目、2014年10月21日の安値106.22円。
 14日間の相対力指数(RSI)は11日の東京時間の正午現在、23.58で推移し、総弱気を示唆するともに売り過剰感も台頭している。

【主要経済指標・イベントレビュー】
4月4日
    米製造業受注(2月):前月比1.7%減(事前予想1.7%減)
4月5日
    米貿易収支(2月):470億6,000万ドル赤字
    米ISM非製造業景況指数(3月):54.5
    独製造業受注指数(2月):前月比1.2%低下(事前予想0.3%上昇)
    ユーロ圏小売売上高(2月):前月比0.2%増(事前予想横ばい)
4月6日
    FOMC議事録公表:幾人かの当局者は4月利上げに反対、一部は賛成
           多くの当局者は引き締めを待つのが賢明と表明
           多くの当局者、世界リスクが増大と指摘−慎重な政策を正当化
           一部は持続的なインフレ上昇を予想
           世界の状況が米国の見通しにリスクを及ぼすと判断
           独鉱工業生産指数(2月)は前月比0.5%低下(事前予想1.8%低下)
4月7日
    米週間新規失業保険申請件数:26万7,000件(事前予想27万件)

【4月11日からの週の注目ポイント】
4月12日 
    独消費者物価指数(3月)             ☆
    米財政収支(3月)                ☆
4月13日 
    中国貿易収支(3月)              ☆☆
    ユーロ圏鉱工業生産指数(3月)         ☆☆
    米小売売上高(3月)             ☆☆☆
    米生産者物価指数(3月)            ☆☆
    米地区連銀経済報告(ベージュブック)      ☆☆☆
4月14日 
    米新規失業保険申請件数             ☆☆
    米消費者物価指数(3月)            ☆☆
4月15日 
    中国鉱工業生産指数・小売売上高(3月)     ☆☆
     中国第1四半期国内総生産(GDP)      ☆☆☆
     米NY連銀製造業景気指数(4月)       ☆☆
     米鉱工業生産・設備稼働率(3月)       ☆☆
     米ミシガン大学消費者信頼感指数(4月)    ☆☆
*重要度を3段階で表示

【日経平均株価】
 4月5日からの週の大幅続落。円高の進行を嫌気し、1万5,500円台まで下落。東証1部上場企業の5割以上が株価純資産倍率(PBR)1倍割れとなるまで売り込まれている状態で理論値から割安感あり。マイナス金利環境下での株安で配当利回り上昇で好業績期待の内需関連銘柄物色が下支えか。その反面、円高の進行で投資家心理の悪化が戻り圧迫要因。15日に発表される中国の第1四半期の国内総生産(GDP)に注意したい。円高のさらなる進行があると、1万5,500円割れか。

【米株】
 米株式市場は押し目形成局面。今月1日に1万7,811.48ドルで上伸し、年初来高値を更新したが、5日から高値修正局面となり、7日には一時1万7,500ドル割れとなり、3月29日以来の安値をつけたが、終値で1万7,500ドル割れはなく、4月4日の週の取引を終了。今週から第1四半期の企業業績の発表が開始され、企業業績の内容や原油相場の動向に左右される展開か。13日発表の3月の米小売売上高にも注意が必要だ。

【投機家の円買い姿勢強まる】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は8日に5日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円の大口投機家の買い越し幅が6万73枚(3月29日現在、5万4,387枚)まで増加。6日以降は円買い姿勢をさらに強めているとみられる。シカゴ・ニューヨークダウ工業平均ミニ株市場で大口投機家の買い越し傾向はさらに強まり、1万7,114枚(3月28日現在の1万2,533枚)まで増加。6日以降は利食い売り先行か。


【MLBも開幕。ヤンキースの本拠地のヤンキースタジアム】

2016年04月11日

(みんかぶ/森 成俊)

株式会社みんかぶ 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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