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外為マーケットコラム

円は独歩高、日銀の追加金融緩和見送りで

 4月25日の週のドル・円相場は急落。28日の東京時間の午前中まで1ドル=111円を挟み、安定した値動きで推移していたが、28日の東京時間の正午に日銀金融政策決定会合で追加金融緩和の見送りが発表されると、111円台半ばから108円台後半まで急落となった。28日の欧州時間の取引で107円台後半まで続落となり、29日には106.20円台まで円高・ドル安が進行した。円は対ユーロでも1ユーロ=121円台に上昇し、独歩高の展開。ユーロ・ドルは4月29日に同月12日以来の高値となる1ユーロ=1.1460ドルまで上昇した。為替市場で円高、ドル安傾向が鮮明になった。

【ドル・円の予想レンジ】
 今週の予想レンジは1ドル=104〜108円台半ばで推移。2014年10月の安値105.18円が当面の安値のメド。105.18円、105円の節目を維持できないと、2014年9月の安値104.06円を目指す可能性あり。自律修正高となった場合、4月29日の安値108.20円が抵抗線になるとみる。6日に米労働省から発表される4月の米雇用統計など、米労働市場に関する米経済指標の発表が続き、値動きが荒くなることも予想され、注意したい。
 テクニカル指標から抵抗線は107円の節目、4月29日の高値108.20円、25日移動平均線が通る109.80円。支持線は106円、105.18円、104.06円。
 14日間の相対力指数(RSI)は18日の東京時間の午前11時現在、53水準で推移し、ドル高の買い方にとって強気を示唆。

【主要経済指標・イベントレビュー】
4月25日
    米新築住宅販売件数(3月):前月比−1.5%の51万1,000件(事前予想52万件)
    独ifo企業景況感指数(4月):106.6に低下(事前予想107.1)
4月26日
    米耐久財受注(3月、速報値):総合は前月比+0.8%(事前予想+0.5%)
    米消費者信頼感指数(4月):94.2(事前予想95.8)
4月27日
    FOMC:FF金利の誘導目標を0.25−0.50%で据え置く
       国外情勢が見通しに与えるリスク、声明で言及を削除
       成長減速の兆候があるが、労働市場は改善
       インフレと世界経済、金融の動向を注視
       カンザスシティー連銀総裁は0.5−0.75%への利上げ支持、反対票投じる
4月28日
    米週間新規失業保険申請件数:25万7,000件(事前予想25万9,000件)
    米GDP(第1四半期)速報値:前期比+0.5%(事前予想+0.7%)
    独雇用統計(4月)、失業者数は1万6,000人減(事前予想は横ばい)
            失業率は前月比変わらずの6.2%
    ユーロ圏景況感指数(4月):103.9に上昇(事前予想103.4)

【5月2日からの週の注目ポイント】
5月2日 
    米ISM製造業景況指数(4月)        ☆☆
    米建設支出(3月)             ☆☆
5月3日 
    中国財新製造業購買担当景気指数(4月)   ☆☆
5月4日 
    ユーロ圏小売売上高指数(3月)        ☆
    米ADP雇用統計(4月)           ☆☆
    米貿易収支(3月)             ☆☆
    米ISM非製造業景況指数(4月)       ☆☆
    米製造業受注指数(3月)          ☆☆
5月5日 
    米新規失業保険申請件数           ☆☆
5月6日 
    米雇用統計(4月)            ☆☆☆
*重要度を3段階で表示

【日経平均株価】
 4月25日からの週は波乱の展開となった。26日から高値修正局面となり、28日に急落。28日の日銀金融政策決定会合で、追加金融緩和が見送られ、円急騰となった後、午後から600円を超える下げとなり、4月19日以来の安値となる1万6,652.74円まで下落。25日移動平均線が通る1万6,629.90円手前で下げ止まったが、2日は1万6,000円割れとなり、25日移動平均線(1万6,592円)を大きく割り込み、テクニカル要因は弱気に転換した。円高進行による輸出企業の企業業績悪化懸念が強い。今週は2日しか取引日がないことや、6日に4月の米雇用統計の発表があり、買い見送りムードが強く、下振れしやすいとみる。

【米株】
 米株式市場は修正安局面となった。26、27日は原油高が好感され、買いが先行したが、28日は日銀の追加金融政策見送りに対する失望感やPC大手のアップル社の株価急落を嫌気した売りに主導され、200ドル以上の下げとなった。29日も3月の米個人支出など複数の経済指標の悪化、第1四半期の企業業績の悪化から、下値が切り下がり、ニューヨークダウは4月12日以来の安値となる1万7,651.98ドルまで下落。原油価格の動向に加え、米労働市場に対する評価やアジア株の動きが注目要因。

【投機家109円台で投機家の円の押し目買い強い】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は4月29日に26日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円の大口投機家の買い越し幅が6万6,498枚(4月19日現在、7万1,870枚)まで減少。買い玉、売り玉とも減少。27日にFOMCの声明文の発表を控え、玉整理が進んだもよう。28日の東京時間の午後から円急騰で、投機家は円の買い戻しと、円の買い増しが急増か。


【NY図書館の窓から見るエンパイヤ―ステ−トビルディング】

2016年5月2日

(みんかぶ/森 成俊)

株式会社みんかぶ 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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