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外為マーケットコラム

米雇用統計の発表まで、さらなるドル買い進めにくい

 5月16日の週のドル・円相場は続伸。18日に発表された先月26、27日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の公開で6月14、15日開催のFOMCで利上げ観測が強まり、18日に1ドル=110円台前半に上昇した。19、20日とジリ高となり、20日には110.59円まで円安、ドル高が進み、110円台前半で20日の取引を終えた。ドルは対ユーロでも続伸し、ドル高基調が一段と強まった。ただ23日の東京時間の午前中にドル・円相場は109円台後半に下落し、110円台ではドル売り圧力の強さが示された。

【ドル・円の予想レンジ】
 今週の予想レンジは、1ドル=108円台半ば〜111円。レンジは切り上がり、ドル高、円安基調だが、26、27日に伊勢志摩サミットを控えていること、米国は30日がメモリアルデーで祝日となるため、28日から3連休となることで仕掛けにくい環境。米国の経済指標を見極めながらの展開だが、6月3日に米労働省から発表される5月の米雇用統計の数字を確認するまでは、さらなるドル買いは進めにくいとみる。24日に発表される4月の米新築住宅販売件数や、27日に発表の米第1四半期GDP改定値に注目したい。
 4月28日に長大陰線を引くドル安・円高となったが、109.86円が4月28日に引いた長大陰線の中間水準。
 テクニカル指標から抵抗線は20日の高値110.59円、111円の節目、4月28日の高値111.88円。支持線は25日移動平均線が通る109円、16日の安値108.42円、108円。

【主要経済指標・イベントレビュー】
16日 NY連銀製造業景気指数(5月):−9.02(事前予想+6.50)
17日 米消費者信頼感指数(4月):総合は前月比+0.4%(事前予想+0.2%)
   米住宅着工件数(4月):前月比+6.6%の117万2,000件(事前予想112万5,000件)
   米鉱工業生産指数(4月):前月比+0.7%(事前予想+0.3%)
18日 FOMC議事録公表:大半は6月利上げの可能性高いと判断、経済が正当化すれば
           統計が6月利上げ支持するかどうか見解はさまざま
           多くの当局者が世界リスクを注視する必要と指摘
           多くの当局者、先行きの下振れリスクを引き続き警戒
           6月の決定はデータ次第であることを強調
19日 米週間新規失業保険申請件数):27万8,000件(事前予想27万5,000件)
   フィラデルフィア地区連銀景況指数(5月):−1.8(事前予想+3.0%)
   米景気先行指数(4月):前月比+0.6%(事前予想+0.4%)
20日 米中古住宅販売件数(4月):前月比+1.7%の545万件

【5月23日からの週の注目ポイント】
24日 独第1四半期国内総生産(GDP)改定値     ☆☆
   独ZEW景況感指数(5月)           ☆☆
   米新築住宅販売件数(4月)         ☆☆☆
25日 独ifo景況感指数(5月)           ☆☆
   米MBA住宅ローン申請件数           ☆
   米住宅価格指数(3月)             ☆
26日 米新規失業保険申請件数            ☆☆
   米耐久財受注(4月)             ☆☆
27日 日本消費者物価指数(4月)          ☆☆
   米国内総生産(GDP)第1半期改定値      ☆☆☆
*重要度を3段階で表示


【NYセントラルパークの池越しに見る高層ビル群】

【日経平均株価】
 5日16日の週は引き続き堅調な展開となった。円相場が1ドル=110円台に続落したことで、輸出企業中心に企業業績の悪化懸念が後退し、買い安心感が広がり、19日に1万6,841.04円まで上昇し、4月28日以来の高値を更新した。1万7,000円が抵抗線ながら20日は25日移動平均線が通る1万6,705円を上回って引けるなど、テクニカル要因は強気。20日の東証一部上場株の年初来高値更新銘柄81に対し、安値更新は26と高値更新銘柄が大幅に上回った。円安がさらに進むと、19日の高値1万6,841.04円突破期待が持てる。1万6,000円に接近すると押し目買いが喚起され、下値の堅さを示す商状か。

【米株】
 米株式市場は押し目底を探る展開となった。17日に1万7,500ドル割れを試し、19日には3月17日以来の安値となる1万7,331.07ドルまで軟化し、約2カ月ぶりの安値を更新し、軟調な展開となった。17日に発表された4月の米消費者物価指数は2013年2月以来の大幅な伸びとなり、インフレ懸念が高まりから利上げ観測が強まったことが圧迫要因。原油価格の上昇が支援材料となったが、下支え要因にとどまった。3月17日の安値1万7,297.65ドルが支持線。

【大口投機家】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は20日に5月17日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円の大口投機家の買い越し幅が5万8,919枚(5月10日現在、5万9,047枚)まで減少。4週連続で減少。11日以降、さらに円の買い越し幅は減少となったとみられる。110円台後半までドル高、円安が進むと、さらに円買いの手じまい売りが先行か。

2016年5月23日

(みんかぶ/森 成俊)

株式会社みんかぶ 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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