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外為マーケットコラム

米雇用統計が強気ならドル高・円安進みやすい

 5月23日の週のドル・円相場は堅調な展開となった。23、24日に1ドル=109円の節目に接近する場面があったが、下値は堅く、110円を挟んで推移。27日にはイエレンFRB議長と米ハーバード大学のマンキュー教授との対談で「米経済は改善し続けている。今後数カ月の利上げが適切になるだろう」との見方を示したことから、110.45円まで上昇し、高もちあいのまま引けた。30日の東京時間の午前中に110円台後半に続伸し、4月28日以来の高値をつけている。6月14、15日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ観測が強まり、ドルは対ユーロでも上昇し、ドル高局面が一段と強まった。

【ドル・円の予想レンジ】
 今週の予想レンジは、1ドル=108円台半ば〜112円台。今週は米雇用統計の発表があり、変動率(ボラティリティ)が高まる可能性があり、予想レンジは広めにとった。6月3日に米労働省が発表する5月の米雇用統計が最大の注目要因。4月は非農業部門の就業者数が前月比16万人増にとどまった。4月の数字より、大幅に増加すると、米利上げ観測が一段と強まり、ドル高、円安が一段と進みやすくなる。投機家がドル買い姿勢を強めており、ドル高が加速する可能性ありとみる。
 テクニカル指標から抵抗線は111円の節目、4月28日の高値111.88円、3月30日の高値112.80円。支持線は109円の節目、16日の安値108.42円、108円。

【主要経済指標・イベントレビュー】
23日 ユーロ圏総合PMI(5月)は52.9に低下。16カ月ぶりの低水準
24日 米新築住宅販売件数(4月):前月比+16.6%の61万9,000件(事前予想52万3,000件)
   独ZEW景況感指数(5月)は6.4(事前予想12.0)
25日 独ifo企業景況感指数(5月)は107.7に上昇(事前予想106.8)
26日 米週間新規失業保険申請件数 26万8,000件(事前予想は27万5,000件)
   米耐久財受注(4月、速報値) 総合は前月比+3.4 %
27日 第1四半期・米GDP改定値:前期比+0.8%(事前予想+0.9%)
   イエレンFRB議長、「経済は改善し続けている。今後数カ月に利上げは適切へ」

【5月30日からの週の注目ポイント】
30日 独消費者物価指数(5月)                  ☆
31日 独雇用統計(5月)                    ☆☆
   ユーロ圏雇用統計(4月)                 ☆☆
   米個人所得・支出(4月)                 ☆☆
   米シカゴ購買部協会景気指数(5月)            ☆☆
   米消費者信頼感指数(5月)                ☆☆
1日 中国製造業購買担当景気指数(5月)            ☆☆
   中国財新製造業購買担当景気指数(5月)          ☆☆
   米ISM製造業景況指数(5月)              ☆☆☆
   米建設支出(4月)                    ☆☆
2日 欧州中央銀行(ECB)政策金利、ドラギ総裁記者会見     ☆☆☆
   米ADP雇用統計(5月)                 ☆☆☆
   米新規失業保険申請件数                  ☆☆
3日 ユーロ圏小売売上高指数(5月)               ☆
   米雇用統計(5月)                   ☆☆☆
   米ISM非製造業景況指数(5月)              ☆☆
*重要度を3段階で表示


【ローワーマンハッタンの新しい象徴、1ワールドトレードセンター】

【日経平均株価】
 5月23日の週は1万7,000円が抵抗線になったが、堅調に推移した。ドル・円が1ドル=110円を挟んで推移したこと、欧米の株式市場が安定して推移し、ニューヨークダウが1万7,8000ドル台を回復し、約2週間ぶりの高値をつけたことで安心感が広がった。円相場が一段安となると、1万7,000円台回復後も堅調に推移し、1万7,500円を目指す期待が持てる。25日に1万6,605.04円から1万6,731.12円でチャート上に窓(ギャップ)を空ける上昇となった。1万6,500円割れとなると、窓を下に埋める格好となる。窓埋めとなると調整色が濃くなるだろう。

【米株】
 米株式市場は調整局面から抜け出し、25日に今月11日以来の高値となる1万7,891.71ドルまで上昇。26、27日も1万7,800ドルを割り込むことなく、高もちあいで推移した。200ドル以上の上昇となった24日が基調転換日。この日は4月の米新築住宅販売件数が8年ぶりの高水準となったことや、原油高が支援材料となった。今週は米労働市場に関する米経済統計の発表が続き、その反応に注目。原油相場が6月2日に石油輸出国機構(OPEC)総会を控えるなか、50ドル台の大台を回復できるかもカギであろう。テクニカル要因からは1万8,000ドルを終値で維持する上昇局面になるかに注目したい。

【大口投機家】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は27日に5月24日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円の大口投機家の買い越し幅が2万2,059枚まで急減となった。17日現在の5万8,919枚から3万6,860枚の減少。買い玉が減り、売り玉が増え、投機家の間で売買戦略の転換が感じられた。円の買い越し幅は25日以降もさらに減少しているとみられる。シカゴ・ユーロは大口投機家の売り越しが3万7,895枚となり、20日現在の2万2,587枚より増加し、ユーロ売り、ドル買い姿勢がさらに強まった。ヘッジファンドなどの投機家はドル買い姿勢を強めている。投機家主導で、さらに円安、ドル高が進む可能性あり。

2016年5月30日

(みんかぶ/森 成俊)

株式会社みんかぶ 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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