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外為マーケットコラム

世界的な株安進むと円が買われ105円割れも

 6月6日の週のドル・円相場は1ドル=106.24〜107.90円のレンジでのもみあいとなり、ドル安、円高の進行は一服となった。ドルは対ユーロで9日から反発に転じ、ドルの独歩安状態にはなっていないが、14、15日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米金利引き上げが見送られるとの見方が増え、ドル安が進みやすい環境に変わりなく、ドルは対円での反発力は限定的で自律修正高の域にとどまった。

【ドル・円の予想レンジ】
 今週の予想レンジは、引き続き1ドル=105円前後〜108円台半ば。日米の金融政策の違いが再認識されると、ドル高、円安が進みやすいが108円台前半ではドル売り圧力が強い展開か。15日の午後にFOMC終了後に声明文が発表される。イエレン議長の記者会見の内容と市場の反応が注目される。7月26、27日開催のFOMCでの利上げに含みを持たせる記者会見の発表となると、ドル高が進みやすくなるが、108円水準ではドル売り圧力が強い展開か。ニューヨークダウが調整色を濃くし、世界的に株安が進むと、比較的、安全な通貨とされる円が買われ、105円割れを試す可能性はありえるとみる。
 テクニカル指標から抵抗線は7日の高値107.90円、108円の節目、25日移動平均線が通る108.90円。支持線は5月3日の安値105.51円、105円の節目、2014年9月5日の安値104.66円。

【主要経済指標・イベントレビュー】
6月6日 セントルイス連銀総裁、6月の利上げの可能性は大きく低下
    イエレンFRB議長、5月の米雇用統計に失望、緩やかな利上げは適切、時期は言及せず
6月9日 米週間新規失業保険申請件数:26万4,000件(事前予想27万件)
6月10日 米ミシガン大消費者信頼感指数(6月、速報値):94.3(事前予想94.0)

【6月6日からの週の注目ポイント】
14日 日本鉱工業生産指数(4月)              ☆☆
   ユーロ圏鉱工業生産指数(4月)            ☆☆
   米小売売上高(5月)                ☆☆☆
15日 ユーロ圏貿易収支(4月)                ☆☆
   米生産者物価指数(5月)                ☆☆
   米NY連銀製造業景気指数(6月)            ☆☆
   米連邦公開市場委員会(FOMC、14〜15日)      ☆☆☆
   イエレンFRB議長記者会見               ☆☆☆
16日 日銀金融政策決定会合(15〜16日)金融政策発表     ☆☆☆
   ユーロ圏消費者物価指数(5月)               ☆
   米新規失業保険申請件数                  ☆☆
   米消費者物価指数(5月)                 ☆☆
   米フィラデルフィア連銀景況指数(6月)          ☆☆
17日 米住宅着工・許可件数(5月)              ☆☆☆
*重要度を3段階で表示


【ロスアンゼルスのダウンタウン。近年は再開発が進み人気スポットになっている】

【日経平均株価】
 6月6日の週は6日に円相場の急騰を背景に5月10日以来の安値となる1万6322.64円まで値を崩した。8日に1万6,830.92円まで反発したが、2日に空けたチャート上のギャップ(窓)が抵抗帯となり、上値は重い展開となった。9、10日は売り先行となり、10日には一時、1万6,500円を割り込む下落となった。円高進行による輸出型企業の収益悪化懸念、海外投資家の日本株離れ懸念など、不安が多く、10日は25日移動平均線が通る1万6,670円をわずかに割り込んで引けた。13日は大幅安となり、6日の安値1万6,322.64円を下抜く展開となっている。円相場が1ドル=105円台に上昇すると、1万6,000円割れから1万5,500円近くまでの下げもありえる展開か。

【米株】
 米株式市場は堅調に推移し、7、8、9日の3日間、1万8,000ドルを試し、4月28日以来の高値をつけた。早期の利上げ観測の後退や原油相場の上昇に支援された。10日は原油相場が利食い売りで下げ幅を拡大すると、1万7,812.34ドルまで下落し、6日の安値1万7,822.81ドルをわずかに下回る下げとなった。6日以降、25日移動平均線(10日の終値で1万7,749.66ドル)を上回る状態が続いており。まだ基調は強気だが、夏場の個人消費や原油相場の不安定さから下値警戒感は強い。原油相場や5月の小売売上高、住宅着工件数や、米連邦公開市場委員会(FOMC)で今後の金融政策に関して、どのような見解が示されるかに注目か。

【大口投機家】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は10日に7日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円の大口投機家の買い越し幅が5月31日現在の1万4,837枚から4万2,853枚まで急増となった。3日に発表された5月の米雇用統計が弱気の数字となり、ドル売り、円買い姿勢となり、円の買い建て玉が5月31日の4万6,964枚から6万8,237枚まで増加。8日以降も円買い、ドル売り傾向が続いているとみられる。106円を試す、円高、ドル安となると、さらに円買いが加速か。

2016年6月13日

(みんかぶ/森 成俊)

株式会社みんかぶ 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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