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外為マーケットコラム

イエレン議長の議会証言と英国のEU離脱の国民投票に注目

 6月13日の週のドル・円相場は急落となった。15日に米連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きが決定し、1ドル=105円台半ばに下落した。16日の日本時間の正午前に日銀が金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定すると、東京時間に104円台前半までドル安・円高が進行。欧米時間では英国の欧州連合(EU)離脱への警戒感からリスク回避の動きがさらに強まり、103.50円台まで値を崩した。17日は104.83円まで反発する場面があったが、105円が抵抗線となり、104円台前半で引けた。

【ドル・円の予想レンジ】
 今週は米国、英国でイベントがあり、投機的な動きがさらに加速する可能性があり、予想レンジは、100〜106円と広めにとりたい。21、22日に米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長による議会証言、23日に英国のEU離脱を問う国民投票が注目要因。イエレン議長が7月のFOMCでの利上げの可能性に含みをもたす発言を行うとドル売りが進みやすくなる。英国のEU離脱の国民投票に関しては19日の世論調査ではジョー・コックス議員の殺害を受け、現状維持派が増え、残留支持派が離脱支持派を上回っている。均衡しており、離脱派支持が再度優勢になる可能性はあり、投票結果を予測するのは難しい状況。英国のEU離脱の不安からユーロは対ドル、対円で下落しており、ドルが全面安の環境ではない。行き過ぎたドル安、円高が修正される場面もあろう。
 テクニカル指標から抵抗線は5日間移動平均線(17日のNY市場の引け時点)が通る105.03円、16日の高値106.03円、13日の高値106.86円。支持線は16日の安値103.54円、103円の節目、2014年8月8日の安値104.48円、同年7月10日の安値101.04円。

【主要経済指標・イベントレビュー】
14日 米小売売上高(5月):総合は前月比+0.5%
15日 米生産者物価指数(5月):総合は前月比+0.4%
   ニューヨーク連銀製造業景気指数(6月):+6.01
   米鉱工業生産指数(5月):前月比−0.4%
   FOMC:FF金利の誘導目標水準を0.25〜0.50%に据え置き
16日 日銀金融政策決定会合で追加金融緩和見送り
   フィラデルフィア地区連銀景況指数(6月):4.7
   米消費者物価指数(5月) 総合は前月比+0.2%
17日 米住宅着工件数(5月):前月比−0.3%減の116万4,000件

【6月20日からの週の注目ポイント】
20日 独生産者物価指数(5月)              ☆☆
21日 独ZEW景況感指数(6月)              ☆☆
   イエレンFRB議長が議会証言(上院)        ☆☆☆
22日 米中古住宅販売件数(5月)             ☆☆
   イエレンFRB議長が議会証言(下院)        ☆☆☆
23日 米新規失業保険申請件数               ☆☆
   米新築住宅販売件数(5月)             ☆☆
   米景気先行指数(5月)               ☆☆
   英国で欧州連合(EU)残留・離脱を問う国民投票   ☆☆☆
24日 独ifo景況感指数(6月)              ☆☆
   米耐久財受注(5月)                ☆☆
*重要度を3段階で表示


【NYセントラーパークのJ・レノンの記念碑。彼は英国のEU離脱騒動をどう思うのか?】

【日経平均株価】
 6月13日の週は大幅安となり、16日に1万5,395.98円まで下落し、2月15日以来、約4カ月ぶりの安値をつけた。17日は1万5,774.87円で戻りを抑えられが20日は寄り付き直後に1万5,900円台に上昇した。輸出型企業にとって円高は痛手ではあるが、新分野への参入により成長力が評価され、堅調な値動きとなる銘柄も見られた。イエレンFRB議長の議会証言、英国の欧州連合(EU)残留・離脱を問う国民投票と重要イベントが多く、値動きが荒くなる可能性あり。チャートからは1万5,000円の節目、2月12日につけた1万4,865.77円(今年の安値)が支持線。落ち着いた展開となった場合、業種間、企業間で選別が進み、企業間で強弱感が異なりそうだ。

【米株】
 米株式市場は軟調に推移し、ニューヨークダウは16日に5月20日以来の安値となる1万7,471.29ドルまで軟化したが、その日のうちに1万7,700ドルに反転した。17日は原油高に支援されたが、上値は重く、前週末比190.18ドル安の1万7,675.16ドルで引けた。大局的には1万7,000〜1万8,000ドルのレンジ相場だが、英国がEUから離脱となると、リスク回避の動きが強まり、5月19日の安値1万7,331.07ドルを目指す動きもあると予想。その反面、原油相場が再度、上昇基調となると、支援材料になろう。

【大口投機家】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は17日に14日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円の大口投機家の買い越し幅が7日現在の4万2,853枚から5万5,690枚まで増加となった。前週より増加幅は鈍化したが、5月17日以来の高水準となった。15日以降も円買いの動きは強く、6万枚以上に増加か。投機的な円買い姿勢は継続されると予想。

2016年6月20日

(みんかぶ/森 成俊)

株式会社みんかぶ 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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