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外為マーケットコラム

FOMCの議事録や米雇用統計に左右される

 6月27日の週のドル・円相場は1ドル=101.39〜103.29円のレンジで推移。6月20日の週は英国のEU離脱の決定を受け、24日の取引だけで、7円近い乱高下となったが、27日の週は一転して落ち着いた値動きとなった。各国当局から市場安定に向け政策が出されるとの期待の広がりから下値は堅く推移。30日にはイングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁が夏の金融緩和を示唆したことや、欧州中央銀行(ECB)が債券購入のルール緩和を検討しているとの報道を受け、一時、103.29円に上昇した。ただし103円台で定着するには至らず、1日は102.50円台で引けた。ユーロは対ドル、対円でも反発となり、英国のユーロ離脱が決まった6月24日の急落から修正高局面を迎えた。

【ドル・円の予想レンジ】
 今週は米労働市場に絡む米経済指標が注目されよう。予想レンジは1ドル=101〜104円。過去2週間と比べ、予想レンジを狭くするが、油断はできない。英国のEU離脱ショックは和らいだが、今後の英国、欧州さらに世界経済に対する不透明感は強く、楽観的な投資家心理が拡大するには限界がある。今月7月26、27日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げの可能性が後退しているが、8日に米労働省から発表される6月の米雇用が弱気の数字になると、その可能性はさらに低くなり、ドルは売られやすくなる。6日に先月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の公開があり、この内容にも左右されよう。
 テクニカル指標から抵抗線は103.50円水準、105円の節目、25日移動平均線が通る105.40円、支持線は101.30円、100円、99円。

【主要経済指標・イベントレビュー】
28日 米GDP(第1四半期)確報値:前期比+1.1%
29日 米個人所得・支出(5月):所得は前月比+0.2%、支出は同+0.4%
30日 米週間新規失業保険申請件数(25日まで):26万8,000件
   シカゴ購買部協会景気指数(6月):56.8
7日 米ISM製造業景況指数(6月):51.3

【7月4日からの週の注目ポイント】
4日 ユーロ圏生産者物価指数(5月)          ☆☆
5日 ユーロ圏小売売上高(5月)            ☆☆
   米製造業受注指数(5月)             ☆☆
   米耐久財受注(5月)               ☆☆
6日 独製造業受注指数(5月)              ☆
   米ISM非製造業景況指数(6月)          ☆☆
   米FOMC議事録公表(6月15、16日開催分)    ☆☆☆
7日 日本景気動向指数速報値(5月)          ☆☆
   独鉱工業生産指数(5月)             ☆☆
   米ADP雇用統計(6月)             ☆☆
   米新規失業保険申請件数              ☆☆
8日 米雇用統計(6月)               ☆☆☆
*重要度を3段階で表示


【米独立記念日明けを待つウォールストリート】

【日経平均株価】
 6月27日の週は円相場が落ち着いたこと、ニューヨークダウが反発し、一時1万8,000ドル近くまで反騰したことを好感し反発した。6月30日に1万5,781.69円まで上昇し、1万5,682.48円で1日の取引を終えた。
 6月24日に1,286.33円安の1万4,952.02円で引けたが、その日の中間レンジである1万5,627円を上回って、1日の取引を終えた。修正高となったが、反発力のある業種、企業の株価の二極化が進んでおり、投資家の間でも選別の動きがある。今週は8日に米労働省から発表される6月の米雇用統計を控え、上値は重く推移、1万6,000円が抵抗線か。

【米株】
 米株式市場は6月27日こそ英国のEU離脱ショックを引き継ぎ続落したが、28日から各国当局の金融市場安定策や景気刺激策への期待感、英中銀とECBの緩和措置の可能性から急反発となった。原油相場の反騰も追い風となった。
 ニューヨークダウは27日に3月11日以来の安値となる1万7,063.08ドルまで下落したが、28日から急反騰となり、1日に1万8,000ドルを試す上昇になった。今週は4日が米独立記念日で休場となり、5日から取引再開となる。8日に米雇用統計の発表を控え神経質な展開か。米企業の第2四半期の企業業績の発表が開始され、企業業績も材料視され始めそうだ。

【大口投機家】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は1日に先月28日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円の大口投機家の買い越し幅が6月21日現在の5万2,296枚から5万9,750枚まで増加した。23日の英国のEU残留を問う国民投票で離脱派の勝利を受け、比較的、安全な通貨とされる円が買い進まれた。買い越し幅は6万枚以上と予想したが、28日は円売りが進み、買い越し幅は6万枚割れになった。29日から7月1日にかけて世界的に金融市場が落ち着きを取り戻したこと、2日からの米国の3連休を控え、円買い建て玉の利食い売りの動きが継続したもよう。ただし、このまま世界的に株高が進むとは考えにくく、安全通貨とされる円買いの動きは根強いとみる。

2016年7月4日

(みんかぶ/森 成俊)

株式会社みんかぶ 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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