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外為マーケットコラム

NYダウが修正安ならばドルも修正安ながら下値は堅く推移

 7月11日の週のドル・円相場はニューヨークダウの史上最高値更新を背景に14日に1ドル=105円の節目を突破し、15日には106.31円まで続伸となり、6月24日以来の高値をつけた。その後、トルコ軍の反乱を嫌気し104円台後半に反落したが、週初からは4円以上の値上がりで引けた。対ユーロではレンジ相場だったが、しっかり。15日に発表された中国第2四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比6.7%増となり、第1四半期から横ばい。ただし英国のEU離脱で今後、EU向けの輸出減少不安が払しょくできず。

【ドル・円の予想レンジ】
 今週は16日にトルコ軍の反乱が鎮圧されたことで、18日のニューヨーク為替市場は106円台を維持して引けており、堅調な値動きでの取引開始となった。ニューヨークダウが高値修正局面を迎えると、ドルも利食い売りが出ることが予想されるが、105円水準では押し目買いが入り下値堅く推移か。世界経済への不安から安全通貨として円を買う動きは根強く、現在の水準から一本調子にドル高・円安は進みにくいとみる。21日に欧州中央銀行(ECB)から政策金利の発表、ドラギ総裁は記者会見で今後の金融政策に関して言及するとみられ、反応が注目される。
 予想レンジは1ドル=104.50〜107円水準。テクニカル指標から抵抗線は6月24日の高値106.84円、同月107.90円、108円、109円の節目、支持線は105円の節目、13日の安値103.89円。

【主要経済指標・イベントレビュー】
12日 5月の米卸売売上高:前月比で0.5%増加(事前予想通り)
13日 米地区連銀報告書(ベージュブック) 大半の地区で緩慢な成長
                     見通しは全体的に良好
14日 英中銀金融政策委員会 政策金利は予想外の据え置き
   米新規失業保険申請件数 25万4,000事前予想 26万5,000件
   米生産者物価指数(6月)前月比+0.5%(総合)事前予想 +0.3%
15日 米小売売上高(6月)前月比+0.6% 事前予想(+0.1%)
   米消費者物価指数(6月)前月比+0.2%(+0.3%)
   ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値(7月)89.5(事前予想 93.3)

【7月19日からの週の注目ポイント】
19日 独ZEW景況感指数(7月)         ☆☆
   米住宅着工件数・建設許可件数(6月)  ☆☆☆
20日 独生産者物価指数(6月)          ☆
   ユーロ圏経常収支(5月)          ☆
   英6月雇用統計(6月)          ☆☆
21日 欧州中央銀行(ECB)政策金利      ☆☆☆
   ドラギ総裁記者会見           ☆☆☆
   米新規失業保険申請件数          ☆☆
   米フィラデルフィア連銀景況指数(7月)  ☆☆
   米中古住宅販売件数(6月)        ☆☆
   米景気先行指数(6月)          ☆☆
*重要度を3段階で表示


【ウォール街から見えるトリニティチャーチ】

【日経平均株価】
 7月11日の週は大幅高で推移した。円安の進行、ニューヨークダウが1万8,000ドルから一段高となったことを好感し、12日に1万6,000円台を回復した。その後も戻りを試す展開となり、15日には6月10日以来の高値をつけ、1万6,497.85円で引けた。週間で1,390円の急騰となり、週間ベースでは1997年11月以来、18年8カ月ぶりの上げ幅を記録した。円相場が一時1ドル=106円台に下落したことで輸出依存度の高い企業の業績悪化懸念が後退し、自動車、電機、機械、精密などの業種中心にほぼ全面高と展開となった。テクニカルからは50日移動平均線が通る1万6,220円、6月24日の高値1万6,389.17円を突破し、強気に転換した。ただし短期的な修正安はあってもしかるべき相場であり、50日移動平均線が通る1万6,220円、1万6,000円台前半までの修正はあるとみる。抵抗線は6月8日の高値1万6,830.92円。

【米株】
 米株式市場は大幅高となり、13日に2015年5月につけた史上最高値である1万8,351.36ドルを突破し史上最高値を更新。14日には1万8,500ドルを上抜き、15日には1万8,557.43ドルまで上値を伸ばした。6月27日の安値1万7,063.08ドルから今月15日の高値1万8,557.43ドルまで短期間で1,494.35ドルの急騰となり、短期的な買い過剰感があり、高値修正局面はあるとみるが、基調は強気。米経済指標、第2四半期の企業業績、原油価格の動向も見極めながらの展開か。

【大口投機家】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は15日に12日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円の大口投機家の買い越し幅が7月5日現在の6万3,568枚から4万7,545枚まで減少した。買い建て玉は8万7,037枚から8万5,364枚の減少にとどまったが、売り建て玉が2万3,469枚から3万7,819枚まで急増。11日から円売りの動きが強まったもよう。シカゴユーロの売り越し幅が7万5,327枚から8万7,660枚へと拡大した。投機家のドル買い姿勢が強まった。

2016年7月19日

(みんかぶ/森 成俊)

株式会社みんかぶ 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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