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外為マーケットコラム

ドル・円は100円近辺での推移へ

 先週のドル・円相場は2日に一時、1ドル=100.75円と7月11日以来の水準へ一段と下落。米当局の利上げを急がない姿勢、4−6月期・米経済成長伸び率が予想を大きく下回るなど低調な米経済指標が続いたこと、日本銀行が市場の期待ほど大規模な追加緩和に踏み込まなかったことによる失望感からの円買いの動きなどが引き続き背景となった。5日に発表された7月の米雇用統計は予想を大きく上回るものとなるも、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までには来月発表の8月の雇用統計を見極める必要があり、早期の利上げ期待が高まるまでにまでには至っていない。ドル・円相場の反転がうかがえるような材料が見当たらないのが現状で、目先は100円近辺での推移が見込まれる。

【リスクは下向き】
 ドル・円相場は100円の節目に接近、あるいは割り込む円高が進めば、日本当局による円売り介入への警戒感が強まるが、当局が円高進行阻止のための介入を実施したくてもできない状況に変わりはなさそうだ。米財務省は4月に発表した外国為替報告書で、日本を中国などとともに監視リストに入れており、米財務省の同意なしでの単独介入は考えられない。円高進行は輸出で稼ぐ企業の収益を悪化させるも、日本経済が最近の円高に窮しているような危機的な状況にはない。5月の経常収支は1年10か月ぶりに黒字額が減少したが、黒字は1年11カ月連続だ。米労働市場の強さも賃金上昇率は緩やかで、米経済成長の勢いにも力強さは感じられず、米追加利上げの時期が後ずれしているのも一因である。年内は米大統領選挙後の利上げ1回のみとなりそうなうえ、現時点では来年に利上げペースが加速していくような状況は考えににくい。
 ドル・円は、昨年6月に13年ぶりの水準(125.86円)で頭打ちとなった後、昨年12月以降で前月を上回って引けたのは5月のみで、100円近辺でとどまるのか、あるいはレンジを一段と切り下げるのかの分岐点にある。市場を取り巻く環境を考慮すれば、2011年安値から昨年6月高値までの上昇幅に対する半値押し水準でもある100円を割り込むリスクは高まっているように思われる。再び110-120円のレンジに戻るよりも、95-105円や90-100円へと切り下がる方が現実的な気もする。日銀が9月にも大規模緩和に踏み切るとの声もあるが、すでに手詰まり感は強く、日米当局ともに先行きの政策を見透かされてしまっているようで、ドル安・円高の流れを転換させるような決め手が見当たらない。

【英中銀は政策金利を引き下げ、7年5カ月ぶり】
 イングランド銀行(英中央銀行)は4日、主要政策金利を0.25%と従来の0.50%から引き下げた。市場の予想通りで、利下げは7年5カ月ぶり。また、国債などを買い入れて金融市場に大量の資金を供給する量的緩和の規模を4,350億ポンドと従来から600億ポンド拡大するとともに、100億ポンドを上限に社債の購入再開も決定された。
 2日に発表された7月の英製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は48.2と速報値49.1から下方修正され、6月の52.4を下回り、2013年2月以来の低水準となった。その他の指標でも景況感の悪化などが示され、英中銀は6月の欧州連合(EU)離脱選択を受けた先行き不透明感や実体経済への影響緩和に強く取り組む姿勢を明らかにした。ただし、今年下期の英経済成長がマイナスに落ち込み、景気後退(リセッション)に陥るとの予想も出ており、カーニー総裁は追加利下げの用意があることを言明している。今後の指標を見極める必要があるものの、一段の緩和は避けられそうにもない。

【主要経済指標・イベントレビュー】
1日 中国製造業購買担当者指数(7月、PMI):49.9
   独製造業PMI改定(7月):53.8
   ユーロ圏製造業PMI改定(7月):52.0
   英製造業PMI(7月):48.2
   米ISM製造業景況指数(7月):52.6
   米建設支出(6月):前月比-0.6%
2日 豪中銀理事会:政策金利を1.50%に引き下げる
   米個人所得(6月):前月比+0.2%
   米個人消費支出(6月):前月比+0.4%
   米コアPCEデフレーター(6月):前年比+1.6%
3日 ユーロ圏総合PMI改定(7月):53.2
   米ADP雇用統計(7月):17万9,000人増加
   米ISM非製造業景況指数(7月):55.5
4日 英中銀金金融政策委員会:政策金利を0.25%に引き下げる
               資産購入枠を4,350億ポンドに拡大
   米週間新規失業保険申請件数:26万9000件
   米製造業新規受注(6月):前月比-1.5%
5日 米雇用統計(6月):失業率は4.9%
            非農業部門雇用者数は25万5,000人増
            平均時給は前月比+0.3%

【8月8日からの週の注目ポイント】
8日 日本国際収支・貿易収支(6月)         ☆☆
   中国貿易収支(7月)              ☆☆
   独鉱工業生産(6月)              ☆☆
9日 中国消費者物価指数(7月)           ☆☆
   英鉱工業生産(6月)              ☆☆
10日 日本機械受注(6月)              ☆☆
11日 ニュージーランド準備銀行政策金利       ☆☆☆
   米週間新規失業保険申請件数            ☆☆
12日 中国鉱工業生産(7月)              ☆☆
   中国小売売上高(7月)              ☆☆
   独国内総生産(GDP、4−6月期、速報値)    ☆☆☆
   独消費者物価指数(7月、改定値)         ☆☆
   ユーロ圏GDP(4−6月期、改定値)       ☆☆☆
   ユーロ圏鉱工業生産(6月)            ☆☆
   米小売売上高(7月)              ☆☆☆
   米生産者物価指数(7月)             ☆☆
   米ミシガン大消費者信頼感指数(8月、速報値)   ☆☆
*重要度を3段階で表示


【ブルックリン橋。NYウォール街に近い人気観光スポット】

【米雇用拡大ペースは弱いまま】
 米労働省から5日に発表された7月の雇用統計では、失業率は4.9%と前月と変わらず、事前予想(4.8%)を上回った。昨年8月以降は5%かそれ以下で推移し、完全雇用に近い状態が続いている。非農業部門雇用者数は25万5,000人増と前月(29万2,000人増)を下回るも、予想(18万人増)を大幅に上回った。発表直前の米経済専門局CNBCテレビでは、13万5,000人増と予想するコメンテーターもいたほどで、大きなサプライズとなった。ただし、1−7月の平均雇用者数は約19万人増と、前年同期の約23万人増や2014年同期の21万人増を下回り、労働市場のひっ迫も雇用拡大ペースは緩やかなまま。平均時給伸び率は前月比0.3%上昇と予想(0.2%上昇)を上回るも、強く警戒されるほどではない。
 先週発表されたその他の米指標は弱いものが目立った。7月のISM製造業景況指数は1年ぶり高水準(53.2)となった前月から低下し、6月の建設支出は3カ月連続して減少し、6月の個人消費支出(PCE)は前月と変わらず、消費の底堅さが続く一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が物価目標として重視する6月のコアPCEデフレーターは前年同月比1.6%上昇と4カ月続けて同率の伸びと、FRBの2%目標を下回り続けており、年内の利上げに確信を持てるような状況にはまだないと思われる。

2016年8月8日

(みんかぶ/NYのもののふ)

株式会社みんかぶ NYのもののふ(ペンネーム)

担当
商品先物・金融市場
経歴
1994年から商品先物業界で市況作成・アナリスト業務に従事。主に工業品銘柄を担当し、1999年からは投資情報会社のニューヨーク駐在員としてニューヨーク在住。主に市況作成に従事。現在は、原油中心で為替、貴金属、穀物に関する情報も配信。
読み手に容易に理解していただけるような情報配信を目指している。

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