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外為マーケットコラム

ドル安の流れが急速に変わることない

 8月15日の週のドル・円相場は1ドル=100円を挟んで推移となり、軟調な展開となった。16日にNY連銀のダドリー総裁が「9月にも利上げに動く可能性がある」との発言からドル反発も修正高にとどまった。17日(日本時間は18日の深夜)に先月26、27日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が公表され、FOMCメンバーの米利上げの時期に関しての意見は二分された内容だったが、市場の判断は9月の利上げは遠退いたとの見方が優勢となり、ドル安が進んだ。
 18日はニューヨーク市場の終値ベースで100円割れとなったが、19日はかろうじて100円台を維持して終えた。しかし依然としてドル安、円高の流れは払拭できていない。ドルは対ユーロでも下落し、ユーロ・ドルは18日に1ユーロ=1.1366ドルまでユーロ高・ドル安が進行し、6月24日以来のユーロ高・ドル安となった。

【ドル・円の予想レンジ】
 今週は26日に米ワイオミング州ジャクソンホールでの米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の講演が最大の注目材料。米経済指標の数字を見極めながら9月のFOMCでの利上げの可能性を探ることになるが、ドル安・円高の流れが急速に変わることはないとみる。
 予想レンジは1ドル=99円前後〜101円台半ば。テクニカル指標から抵抗線は8月16日の高値101.29円、102円の節目、8月8日の高値102.65円。支持線は16日の安値99.51円、6月24日の安値98.98円、2013年11月7日の安値97.59円。

【主要経済指標・イベントレビュー】
15日 NY連銀製造業景気指数(8月)−4.21(事前予想2.00 前月0.55)
16日 米消費者物価指数(7月)前月比変わらず(事前予想変わらず、前月同+0.2%)
   前年比+0.8%(事前予想+0.9% 前月+1.0%)
   米住宅着工件数(7月)121万1,000件(事前予想118万件 前月118万6,000件(修正値)
   米鉱工業生産(7月)前月比+0.7%(事前予想+0.3% 前月+0.4%(修正値)
   NY連銀のダドリー総裁が「9月にも利上げに動く可能性がある」と発言
17日 FOMC議事録
    利上げが早期に必要かどうかで見方分かれる
    数人が経済状況はすぐに次の利上げを正当化と予想
18日 新規失業保険申請件数 26万2,000件(事前予想26万5,000件 前週26万6,000件)
   フィラデルフィア連銀製造業景況指数(8月)+2.0(事前予想+2.0 前月−2.9

【8月22日からの週の注目ポイント】
23日 米新築住宅販売件数(7月)                 ☆☆
24日 日本景気気動向指数(6月)                 ☆☆
   独第2四半期国内総生産(GDP)確報値             ☆☆
   米中古住宅販売件数(7月)                  ☆☆
25日 独ifo景況感指数(8月)                   ☆☆
   米新規失業保険申請件数                   ☆☆
   米耐久財受注(7月)                     ☆☆
26日 日本消費者物価指数(7月)                  ☆☆
   英第国内総生産(GDP)第2四半期改定値             ☆☆
   米国内総生産(GDP)第2四半期改定値             ☆☆☆
   米ミシガン大学消費者信頼感指数(8月)            ☆☆
   ワイオミング州ジャクソンホールでのFRBのイエレン議長の講演 ☆☆☆
*重要度を3段階で表示


【NYマンハッタンにあるイサム・ノグチのレッドキューブのオブジェ】

【日経平均株価】
 8月15日の週は軟調な展開となった。円高の進行を嫌気し、右肩下がりの展開となり、18日に1万6,500円割れとなり、今月8日以来の安値をつけた。19日は1万6,452.62円まで下落した後で反発し、かろうじて1万6,500円台を維持して引けた。
 引き続き円高警戒感が強く、上値は重い展開か。円相場が1ドル=99円台前半に進むと、今月8日にチャート上で空けたギャップ(窓)を下に埋め、5日の安値1万6,230.70円を目指す展開を予想。50日移動平均線が通る1万6,170円水準が支持線。内需型の安定成長企業や自社株買い実施企業は下値が堅い反面、輸出型企業は円高による業績悪化懸念を引き継ぎ戻り売り圧力が強い展開か。

【米株】
 米株式市場は15日にニューヨークダウが1万8,668.44ドルまで上伸し、史上最高値を更新。16日以降、高値修正局面入りしたが、1万8,500ドル割れは押し目買い意欲が強く、1万8,552.57ドルで19日の取引を終えた。原油高が支援材料となったが、第2四半期の決算発表は企業で明暗が分かれた。今週は米金融政策、原油価格の動向を見極めながらの展開が予想されるが、基調は強気で史上最高値更新の期待は強い。

【大口投機家】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は19日に16日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円の大口投機家の買い越し幅が5万6,006枚となり、7月5日に6万3,568枚を記録して以来の買い越し幅を記録。3週連続の増加となったが、17日以降も増加しているとみられ、買い越し幅は6万枚前後まで増加か。ユーロ・ドルは、売り越しは9万2,508枚に減少。7月26日に11万2,600枚まで売り越し幅が増加したのをピークに買い戻しが先行し、ユーロ高、ドル安傾向に転換。円買い増し、ユーロ買い戻しの流れはしばらく継続か。

2016年8月22日

(みんかぶ/森 成俊)

株式会社みんかぶ 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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