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外為マーケットコラム

日米当局の政策発表待ち

 ドル・円は7日に1ドル=101.21円と8月26日以来の水準へ下落。8月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が事前予想を下回ったのに続き、6日に発表された8月の米ISM非製造業景況指数が6年半ぶりの低水準となったことから、20〜21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの可能性が一段と後退したとの見方が広がった。また、日本銀行の黒田総裁がマイナス金利の副作用に言及したことで、20〜21日の日銀金融政策決定会合での金融政策に対する不透明さが広がっていることも一因。しかし、引き続き米利上げ観測は根強く、9日にはボストン地区連銀のローゼングレン総裁が利上げを遅らせることへのリスクが増大しているとし、段階的な金融引き締めが適切との考えを示したことから、一時、103円前後まで回復。依然として日米当局の金融政策決定待ちの状況に変わりはない。
 チャート上では、一目均衡表の雲の下限に接近するも突破できない状況が続いている。月足ベースでは、65日移動平均線(99円台半ば)で強い下値支持が働く一方、200日移動平均線が105円台まで下がってきており、2つの間隔が一段と狭まっている。20〜21日のFOMCで利上げが決定されても、その後の利上げペースが加速するような状況は考えにくく、経済動向次第では利下げの可能性が浮上するかもしれず、ドル・円相場の上値は限られるのではないか。日銀の手詰まり感も強く、引き続き下げリスクを警戒しながら、100円近辺での推移が予想される。

【追加緩和は見送りか】
 黒田日銀総裁は5日の講演で、総括的な検証について、「市場の一部で言われているような緩和の縮小という方向の議論ではない」と述べ、追加緩和の可能性に含みをもたせた。日本経済研究センターが7日に発表した民間エコノミストへの調査では、6割が9月の緩和を予想している。メディアによると、黒田総裁は総括的検証のポイントとして、「何が2%の実現を阻害したのか」と、マイナス金利付き量的・質的緩和の「効果と影響」の2点を挙げ、「あくまで2%早期実現のために行う検証」であることを強調したとのこと。量、質、金利の各次元での拡大は「まだ十分可能だ」とし、「それ以外のアイデアも議論の俎上から外すべきではない」とも語ったが、具体的な措置などへの言及はなく、これまで以上にマイナス金利の副作用を強調した。市場の追加緩和への期待感は根強いものの、マイナス金利の深堀りへのデメリットが懸念されている。中曽日銀副総裁はすでに、金融資産の大半を貯金として保有する年金生活者や高齢者は利息収入の低下が意識されると認めている。大規模の金融緩和政策を続けても物価は上昇せず、日銀の目論見はすでに頓挫しており、劇的な効果が見込めそうもない追加緩和は見送られるのではないか。

【ECBは政策金利と資産購入規模を据え置く】
 欧州中央銀行(ECB)は8日の理事会で、主要政策金利であるリファイナンスオペの最低応札金利を0.00%、下限政策金利の中銀預金金利をマイナス0.40%、上限政策金利の限界貸出金利を0.25%と、それぞれ据え置くことを決定した。資産購入規模も月額800億ユーロで据え置き、2017年3月までの期間の延長は見送った。6月の英国国民投票での欧州連合(EU)離脱選択を受け、ユーロ経済動向に影響が出てくるのか警戒されているものの、現時点で目立ったダメージは出ておらず、利下げ余地を残した格好となった。
 ドラギECB総裁は理事会後の記者会見で、資産購入プログラムの変更の可能性について検討していることを明らかにしたが、具体的な詳細は示さなかった。ユーロ圏のインフレは弱く、市場からは保有上限の引き上げや買い入れ対象の拡大などといった観測が聞かれる。ECBは来年と2018年の成長見通しを6月時点からわずかに引き下げており、域内景気は回復の力強さを欠く状況。日銀同様に緩和政策による経済成長や物価の押し上げ効果は見受けられず、政策の限界が近づいているようだ。

【主要経済指標・イベントレビュー】
5日 中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、8月):52.1
   独サービス部門PMI改定値(8月):51.7
   ユーロ圏サービス部門PMI改定値(8月):52.8
   ユーロ圏小売売上高(7月):前月比+1.1%
   英サービス部門PMI(8月):52.9
6日 英BRC小売売上高調査:前年比-0.9%
   豪中銀政策金利発表:1.50%に据え置く
   独製造業受注(7月):前月比+0.2%
   第2四半期・ユーロ域内GDP確報値:前期比+0.3%
   米ISM非製造業景況指数(8月):51.4
7日 日本景気先行指数速報値(7月):100.0
   独鉱工業生産(7月):前月比-1.5%
   英鉱工業生産(7月):前月比+0.1%
   米地区連銀経済報告:7−8月の米経済は緩やかに拡大
   カナダ中銀金利発表:0.50%に据え置く
8日 日本国際収支(7月):6,139億円の黒字
   4−6月期GDP改定値:前期比+0.2%
   中国貿易収支(8月):520.5億ドルの黒字
   ECB理事会:主要政策金利と資産購入規模を据え置く
   米週間新規失業保険申請件数:25万9000件
9日 中国消費者物価指数(CPI、8月):前年比+1.3%
   中国生産者物価指数(PPI、8月):前年比-0.8%
   独貿易収支(7月):194億ユーロの黒字
   英貿易収支(7月):117億6400万ポンドの赤字

【9月12日からの週の注目ポイント】
12日 日本機械受注(7月)              ☆☆
13日 中国鉱工業生産(8月)             ☆☆
   中国小売売上高(8月)             ☆☆
   独消費者物価指数(CPI、8月)改定値      ☆☆
   独ZEW景況感指数(9月)            ☆☆
   英CPI(8月)                 ☆☆
   英生産者物価指数(PPI、8月)         ☆☆
14日 英失業率(8月)                ☆☆
   英中銀金融政策委員会(15日まで)       ☆☆☆
   ユーロ圏鉱工業生産(7月)           ☆☆
   米輸入物価指数(8月)              ☆
15日 4−6月期・豪州GDP             ☆☆☆
   スイス国立銀行金利発表            ☆☆☆
   英小売売上高指数(8月)            ☆☆
   ユーロ圏CPI改定値(8月)          ☆☆☆
   イングランド銀行金利発表           ☆☆☆
   米小売売上高(8月)             ☆☆☆
   4−6月期・米経常収支             ☆☆
   米週間新規失業保険申請件数           ☆☆
   フィラデルフィア地区連銀景況指数(9月)    ☆☆
   米PPI(8月)                 ☆☆
   NY連銀製造業景気指数(9月)         ☆☆
   米鉱工業生産(8月)              ☆☆
16日 米CPI(8月)                ☆☆☆
   米ミシガン大消費者信頼感指数速報値(9月)   ☆☆
   対米中・長期証券投資(7月)          ☆☆
*重要度を3段階で表示


【NYグランドゼロのモニュメント】

【8月の米ISM非製造業活動は6年6カ月ぶりの低水準】
 米サプライマネジメント協会(ISM)発表の8月の非製造業景況指数は51.4。前月(55.5)から大きく低下し、2010年2月以来の低水準となった。前月からの低下幅は、金融危機からリセッション(景気後退)に陥っていた2008年11月以来の大幅なもの。項目別では、景況指数が51.8と前月(59.3)から低下し、2010年1月以来の低水準。前月比での低下幅は2008年11月以来の大幅なものとなった。新規受注は51.4と前月(60.3)から急低下し、2013年12月以来の低水準。雇用指数は50.7と前月(51.4)から低下し、2カ月続けて縮小した。活動の拡大・縮小を判断する分岐点(50)を上回ったものの、予想を超える大幅な低下となったことから、来週のFOMCでの利上げの可能性はゼロに一段と近づいたとみられる。単月の数字だけで判断するのは難しいところだが、経済活動の先行きに対する楽観ムードが後退する可能性もありそうだ。

2016年9月12日

(みんかぶ/NYのもののふ)

株式会社みんかぶ NYのもののふ(ペンネーム)

担当
商品先物・金融市場
経歴
1994年から商品先物業界で市況作成・アナリスト業務に従事。主に工業品銘柄を担当し、1999年からは投資情報会社のニューヨーク駐在員としてニューヨーク在住。主に市況作成に従事。現在は、原油中心で為替、貴金属、穀物に関する情報も配信。
読み手に容易に理解していただけるような情報配信を目指している。

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