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外為マーケットコラム

米FOMCに左右される

 20−21日に日銀金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、先週のドル・円は1ドル=101円台半ば〜103円台前半の極めて狭いレンジ内で方向感なく推移。日銀がマイナス金利の深掘りなど追加緩和に踏み切ることへの期待感が根強い一方、米当局者間で利上げに向けたコンセンサスがなく、思惑で上下に振れる展開が続いた。
 週明けは日米当局の金融政策決定待ちの状況が続こうが、日銀が追加緩和に踏み切ったとしてもおそらくサプライズはなく、市場の注目は米当局が利上げを実施するのかどうかがポイントだろう。現時点では、複数の米経済指標は強弱まちまちで、足元の景気に力強さが感じられないことや、世界経済の弱さもあり、利上げを決定するだけの決め手がない。仮に利上げされたとしても、その後の利上げペースが加速するようなことは想像できない一方、今後の景気動向次第での利下げの可能性が払しょくされないこともあり、ドル・円は下げリスクを意識した状況に変わりはないだろう。米大統領選挙が近づくなか、100円台前半のレンジから100円を挟んだレンジへと切り下げる局面へと移るのではないか。

【米利上げは見送りへ】
 FOMC開催1週間前の12日、複数の当局者から利上げに対する見方が示された。アトランタ連銀のロックハート総裁は全米企業エコノミスト協会(NABE)での講演で、下期の経済成長加速見通しやインフレ上昇見通し、力強い雇用拡大などを挙げ、FOMC会合での真剣な議論を望む考えをあらためて示し、利上げに前向きな姿勢を明らかにした。ただし、利上げに切迫性はないと述べた。同総裁に加え、連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長、ボストン連銀のローゼングレン総裁、カンザスシティー連銀のジョージ総裁、クリーブランド連銀のメスター総裁が利上げに賛成票を投じる可能性がありそうだ。
 一方、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、米経済専門局CNBCとのインタビューで、今週の利上げの可能性に否定的な見解を示した。同総裁によると、低インフレと最近の雇用統計が経済成長が力強さに欠けることを示唆しており、利上げに緊急性はなく、コアインフレ率の一段の上昇を待ちたいとのこと。また、民主党大統領候補のヒラリー・クリントン氏に近く、最もハト派とみられているブレイナードFRB理事はシカゴでの講演で、引き続き利上げに慎重姿勢を示した。金融政策を引き締める論拠が弱く、今後数カ月の指標で評価したいとのこと。物価下落圧力と弱い海外需要がしばらく米国見通しの重しとなるとの見方を示した。イエレン議長も慎重に慎重を重ねるハト派とみられ、弱い経済指標が続き、利上げの正当性に疑問が残る状況から今回は利上げを見送るのではないか。

【主要経済指標・イベントレビュー】
12日 日本機械受注(7月):前月比+4.9%
13日 中国鉱工業生産(8月):前年比+6.3%
   中国小売売上高(8月):前年比+10.6%
   独消費者物価指数(CPI、8月)改定値:前月比変わらず
   独ZEW景況感指数(9月):0.5
   英CPI(8月):前月比+0.3%、前年比+0.6%
   英生産者物価指数(PPI、8月):前年比+1.3%
14日 日本鉱工業生産確報値(7月):前月比-0.4%
   英失業率(5−7月):4.9%
   ユーロ圏鉱工業生産(7月):前月比-1.1%
   米輸入物価指数(8月):前月比-0.2%
15日 スイス中銀:政策金利をマイナス0.75%に据え置く
   英中銀:政策金利を0.25%に据え置く
       資産買い入れプログラムの規模を4,350億ポンドに据え置く
   ユーロ圏CPI改定値(8月):前年比+0.2%
   米小売売上高(8月):前月比-0.3%
              自動車除くは前月比-0.1%
   フィラデルフィア地区連銀景況指数(9月):12.8
   米PPI(8月):前月比変わらず、コアは前月比+0.1%
   ニューヨーク連銀製造業景気指数(9月):-1.99
   米鉱工業生産(8月):前月比-0.4%
16日 米CPI(8月):前月比+0.2%、コアは前月比+0.3%
   米ミシガン大消費者信頼感指数速報値(9月):89.8

【9月20日からの週の注目ポイント】
20日 日銀金融政策決定会合(21日まで)             ☆☆☆
   豪中銀、金融政策会合議事録公表               ☆☆
   独PPI(8月)                         ☆
   米住宅着工件数(8月)                   ☆☆
   FOMC(21日まで)                     ☆☆☆
21日 日本貿易統計(8月)                    ☆☆
   日銀金融政策決定会合                   ☆☆☆
   黒田日銀総裁、定例記者会見                ☆☆☆
   FOMC                           ☆☆☆
   イエレンFRB議長、定例記者会見              ☆☆☆
22日 ニュージーランド準備銀行政策金利             ☆☆☆
   欧州中央銀行(ECB)月報                    ☆
   ユーロ圏消費者信頼感速報値(9月)              ☆☆
   米週間新規失業保険申請件数                 ☆☆
   米住宅価格指数(7月)                     ☆
   米中古住宅販売件数(8月)                  ☆☆
   米景気先行指数(8月)                    ☆☆
23日 日本全産業活動指数(7月)                   ☆
   独製造業・サービス部門購買担当者指数(PMI)速報値(9月)   ☆☆
   ユーロ圏製造業・サービス部門PMI速報値(9月)         ☆☆
*重要度を3段階で表示


【NYマンハッタンの小規模なアパート。これでも家賃は結構高いです】

【インフレ懸念も足元の米指標の弱さ目立つ】
 8月の輸入物価指数は前月比0.2%低下し、2月以来のマイナスとなった。前月は0.1%上昇、市場予想は0.1%低下。前年同月比も2.2%低下したが、7月の3.7%低下からはマイナス幅が縮小。8月はドル指数の上昇や原油価格が引き続き低調に推移し、物価の押し下げ要因となった。8月の石油製品は前月比2.8%低下と、7月の3.6%低下に続きマイナス。8月の小売売上高は前月比0.3%減少と5カ月ぶりのマイナスとなり、市場予想(0.1%減)以上に悪化。自動車除く小売売上高は市場予想(0.2%増)に反し、0.1%減と2カ月連続のマイナス。国内総生産(GDP)の算出に使用される自動車ディーラーやガソリンスタンド、建築資材などを除くコア売上高も0.1%減少。雇用拡大も賃金が伸び悩み、個人消費は予想以上に弱いという印象だ。また、8月の鉱工業生産指数は前月比0.4%低下と3カ月ぶりのマイナスとなり、市場予想(0.2%低下)を下回った。製造業生産指数(0.4%低下)と公益事業(1.4%低下)はともに3月以来の大幅なマイナスだった。
 一方、8月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇と、市場予想(0.1%上昇)を上回った。食品・エネルギーを除くコア指数は前月比0.3%上昇と市場予想(0.2%上昇)を上回り、2月以来の大幅な伸び。前年比は2.3%上昇と前月の2.2%上昇から加速した。家賃や医療費の上昇が続いていることが背景。インフレ加速を警戒する米当局の利上げ要因の一つとして挙げられそうだが、単月の指標だけでは判断が難しいところ。
 余談だが、家賃に関してここニューヨークを例に挙げると、マンハッタンに住めるのは高所得者層だけと言っても言い過ぎではなくなっている。ある不動産会社の調査によると、昨年10-12月期の家賃平均は約47万円近くとマンハッタン居住者の世帯年収の7割近くに相当するとのこと。マンハッタンの一部で低所得者層のための住宅建設プロジェクトが発表されているものの、マンハッタンに住んでいた人々が周辺のブルックリンやクィーンズ地区へと住み移っており、両地区の家賃も高騰が続いている。数年前とは異なり「この物件・この仕様でこの価格!?」と首をかしげたくなる状況で、中・低所得層にとっては住みにくさが年々増しているが、家賃高騰に歯止めをかける有効な手立てが見当たらないのが現状のようだ。

2016年9月20日

(みんかぶ/NYのもののふ)

株式会社みんかぶ NYのもののふ(ペンネーム)

担当
商品先物・金融市場
経歴
1994年から商品先物業界で市況作成・アナリスト業務に従事。主に工業品銘柄を担当し、1999年からは投資情報会社のニューヨーク駐在員としてニューヨーク在住。主に市況作成に従事。現在は、原油中心で為替、貴金属、穀物に関する情報も配信。
読み手に容易に理解していただけるような情報配信を目指している。

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