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外為マーケットコラム

ドル円の先安観が強まる

 ドル・円は22日に1ドル=100円割れ寸前まで下落。20-21日に行われた日銀金融政策決定会合で追加緩和が見送られ、米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが見送られたことが背景にある。ドル・円相場が反発する要因はほとんど見当たらず、日米金融当局ともに次の一手に踏み切るまでには間が空くとみられるなか、米経済指標の中身や米大統領選挙の行方を見極めながら、ドル・円は下値を試す動きとなりそうだ。ドル安・円高進行局面での日本政府・当局によるけん制に効果はないとみられ、100円の壁を割り込めば、6月24日に付けた2013年11月以来の安値(99.00円)、2011年の安値から2015年の高値までの上げ幅に対する61.8%押しに当たる94円台後半が当面の下値目標となりそうだ。

【日銀は追加緩和見送り】
 日銀は20−21日開催の金融政策決定会合で、短期金利は当座預金の政策金利残高にマイナス0.1%を適用する従来政策を据え置いた。一段の金融緩和を見込む向きが多かったものの、会合前から黒田総裁など一部メンバーがマイナス金利の副作用に言及しており、特にサプライズはなかった。むしろ市場からは、よりわかりにくくなった、との声が聞かれる。日銀は引き続き2%の物価目標の実現に向け、長短金利の操作を行うイールドカーブコントロールを導入し、長期金利については10年物国債金利がおおむね0%程度で推移するよう長期国債の買い入れを行い、上場投資信託(ETF)は年間買い入れ額5.7兆円のうち、3兆円は従来通り3指数連動型を対象にし、残り2.7兆円はTOPIX連動型を対象にするとのこと。量から金利への軸足を移すも、日銀がこれまでに打ち出してきた金融政策はすでに効果が失せ、金融緩和継続による物価や経済成長の押し上げへの期待感もなく、手詰まり感が強く印象付けられてしまい、失望感からの円高が進むリスクが強まった感がある。

【米利上げは経済指標次第】
 FOMCは、短期金利の指標となるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準を0.25−0.50%に据え置くことを決定。カンザスシティー連銀とクリーブランド連銀、ボストン連銀の各総裁が利上げを主張するも、連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は経済状況全体について考え決定を下したと説明。労働市場の改善が続くも、4−6月期の経済が予想外の低成長となるなど足元の指標は弱く、インフレ圧力もなく、何事にも慎重なイエレン議長を動かすような決定打が出てこなかった。議長は、FOMC内部で意見が一致していない点は利上げのタイミングで、利上げ実行の是非ではないと指摘している。

 次回11月会合は1−2日と、8日の大統領選挙の直前で、金融政策の変更はないとみられ、12月13−14日の会合で利上げに踏み切れるかどうかが焦点となろう。雇用拡大継続や経済成長ペースの加速、インフレ上昇などがみられ先行き警戒感が強まれば、利上げに踏み切る公算は大きい。今後の指標次第の状況に変わりはなく、予想外に冴えないものが続くようだと、利上げ見送り期間が予想以上に長引くかもしれない。また、金利予測分布図(ドット・プロット)によると、FOMCメンバーのうち10人が年内の利上げを1回予想し、前回の6人から増加、据え置きは3人とゼロから増えた。来年の利上げ見通しの中央値は2回と同3回から減少し、長期的な利上げ見通しも下方修正された。足元の景気回復が力強さを欠いていることや世界経済の弱さ、インフレが高まるような状況にはないことなどを映し出している結果と言えそうだ。

【主要経済指標・イベントレビュー】
19日 中国新築住宅価格(8月):前年+9.2%
   米NAHB住宅市場指数(9月):65
20日 独生産者物価指数(8月):前月比-0.1%
   米住宅着工件数(8月):前月比-5.8%
21日 日本貿易統計(8月):187億円の赤字
   日銀金融政策決定会合:-0.10%の政策金利を据え置く
   FOMC:0.25-0.50%のFF金利誘導目標水準を据え置く
22日 米週間新規失業保険申請件数:25万2,000件
   米住宅価格指数(7月):前月比+0.5%
   米景気先行指数(8月)前月比-0.2%
   米中古住宅販売仮契約指数(8月):前月比-0.9%の533万戸
23日 独総合購買担当者指数(PMI、速報値、9月):52.7
   独製造業PMI速報値(9月):54.3
   ユーロ圏総合PMI速報値(9月):52.6
   ユーロ圏製造業PMI速報値(9月):52.6

【9月26日からの週の注目ポイント】
26日 独IFO企業景況感指数(9月)              ☆☆
   米新築住宅販売件数(8月)              ☆☆☆
27日 日銀金融政策決定会合議事要旨              ☆☆
   米S&P/ケースシラー住宅価格指数(7月)         ☆☆
   米消費者信頼感指数(9月)               ☆☆
28日 独GFK消費者信頼感調査(10月)              ☆
   米耐久財受注(8月)                  ☆☆
29日 独雇用統計(9月)                   ☆☆
   独消費者物価指数(CPI)速報値(9月)         ☆☆
   ユーロ圏消費者信頼感確定値(9月)           ☆☆
   4−6月期・米国内総生産(GDP)確定値         ☆☆☆
   米週間新規失業保険申請件数               ☆☆
   米中古住宅販売仮契約指数(8月)            ☆☆
30日 日本全国CPI(8月)                  ☆☆☆
   東京都コアCPI(9月)                 ☆☆
   日本雇用統計(8月)                  ☆☆
   日本鉱工業生産速報値(8月)              ☆☆
   4−6月期・英GDP改定値               ☆☆☆
   ユーロ圏CPI速報値(9月)              ☆☆☆
   ユーロ圏失業率(8月)                 ☆☆
   米個人所得・消費支出(8月)             ☆☆☆
   米シカゴ購買部協会景気指数(9月)           ☆☆
   米ミシガン大消費者信頼感指数確報値(9月)       ☆☆
*重要度を3段階で表示


【情報と人が行き交うウォールストリート】

【OECDは世界の成長率予想を下方修正】
 経済協力開発機構(OECD)は21日、2016年の世界成長率見通しを2.9%、2017年は3.2%と、従来予想からそれぞれ0.1ポイント引き下げた。貿易低迷が世界経済成長の重しとなるとのこと。今年の成長率は、2008−2009年の金融危機以降で最低の水準になるもよう。チーフエコノミスト、キャサリン・マン氏は、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに対し、グローバル化の影響で職を失った労働者という少数派を助けてこなかったことが懐疑的な態度を育んできたと指摘し、「グローバル化の反転に取り組まなかったことの幅広い悪影響が出ている。リスクは高まっている」と述べた。
 OECDは米国の今年の成長率見通しを1.4%と6月時点予想の1.8%から下方修正し、2009年以来の低い伸びとなるとし、来年は2.1%に回復も同2.2%から引き下げた。ユーロ圏は今年が1.5%と1.6%から、来年は1.4%と1.7%からともに下方修正された。日本は今年が0.6%と0.7%から引き下げられたが、来年は0.7%と0.4%から上方修正された。英国は今年は1.8%と据え置かれたが、来年は1%と従来予想2%から大幅に下方修正された。6月に欧州連合(EU)離脱を選択したことで、投資が縮小しつつあるなか、引き続き将来への不確実性の高まりがリスクとし、来年は一転して減速する見通し。
 日米欧は低成長から抜け出すことに苦労し、中国など世界各国も成長を上向ける起爆剤を欠くなか、世界的な景気低迷が長引くリスクが高まっており、各国の中央銀行による金融緩和政策が転換していくような時期は見えてこない。金融緩和政策の継続が景気の下支えに安心感を与えるも、力強い景気押し上げには不十分なのは明らかで、政府による財政面からの支援が必要とされ、大規模で効果的な景気刺激措置が待たれるところ。

2016年9月26日

(みんかぶ/NYのもののふ)

株式会社みんかぶ NYのもののふ(ペンネーム)

担当
商品先物・金融市場
経歴
1994年から商品先物業界で市況作成・アナリスト業務に従事。主に工業品銘柄を担当し、1999年からは投資情報会社のニューヨーク駐在員としてニューヨーク在住。主に市況作成に従事。現在は、原油中心で為替、貴金属、穀物に関する情報も配信。
読み手に容易に理解していただけるような情報配信を目指している。

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