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外為マーケットコラム

100円台で方向感欠く展開へ

 ドル・円は6日に1ドル=104.16円と1カ月ぶりの水準へ上昇。9月下旬の日米の金融政策イベントでサプライズはなく、100円の壁をあっさりと下抜けていくと思われたが、心理的な節目でもある同水準を割り込まず反転している。複数の米経済指標の予想を上回る改善や米債利回りの上昇などから、12月の米利上げの可能性が意識されていることが背景にある。注目の集まった9月の米雇用統計は予想を下回るものとなったが、12月の利上げ期待が大きく後退するほどのものではなく、市場の反応は限られた。引き続き発表される米経済指標から利上げの判断を見極める状況に変わりはなく、11月4日の大統領選挙の行方も気がかりで、しばらくは米国サイドからの材料に振られやすい展開が続くこととなろう。
 チャート上でみると、ドル・円は6日に一目均衡表の雲の上限を突き抜けてしまったが、7日には再び雲の上限前後まで軟化しており、確たる方向性が出ているようには見えない。目先100円割れの可能性は後退してしまった感が強いものの、市場にはリスクが多く存在していることを考えると、110円へと上昇していくような状況でもなく、100円台で方向感に欠ける相場展開が続くのではないか。

【足元の米景気は回復基調、雇用拡大ペース鈍化も】
 米供給管理協会(IMS)発表の9月の製造業景況指数は51.5と、1月以来の低水準となった前月(49.4)から改善し、市場予想(50.2)も上回った。内訳では、新規受注が3月以来の大幅な上昇となり、雇用は判断の分岐点となる50を下回るも前月から改善された。また、9月の非製造業景況指数は57.1と2015年10月以来の高水準となり、2010年2月以来の低水準となった前月(51.4)から急改善。サービス雇用は昨年10月以来の高水準となり、前月からの上昇幅は1997年の統計開始後で最大となり、新規受注も前月比で2009年4月以来では最大の上昇となり、事業活動も2015年10月以来の高水準となった。1日までの週の新規失業保険申請件数は24万9,000件と、4月に付けた1973年以来の低水準(24万8,000件)に一段と接近。より変動の少ない4週間移動平均は1973年12月以来の低水準となり、9月24日までの継続受給者数は2000年以来の低水準となった。
 一方、7日に発表された9月の雇用統計では、失業率が5.0%と前月(4.9%)から上昇。非農業部門雇用者数は15万6,000人増と前月(16万7,000人増)から減少し、市場予想(17万2,000人増)を下回った。平均時給は前年同月比2.6%上昇と前月(2.4%上昇)から伸びが加速するも市場予想と一致。雇用拡大ペースが鈍化していることから、12月の利上げの確定ランプは点灯せず、引き続き10月と11月の雇用統計の中身を見極める必要がある。

【IMFは今年と来年の世界成長見通しを据え置く】
 国際通貨基金(IMF)は4日、世界経済見通しを発表し、今年は3.1%、来年は3.4%とともに7月時点予想を据え置いた。先進国の景気低迷が続いていることが反貿易感情に火をつけ、成長を阻害する可能性があるとし、各国は成長見通し押し上げのために金融、財政や構造などすべての政策水準に頼る必要があるとのこと。先進国の今年の成長見通しは1.6%と7月時点の予想1.8%から下方修正され、昨年の2.1%から減速する。
 国別では、米国は今年が1.6%と2.2%から大きく下方修正された。企業設備投資の弱さや、上期の低成長などが要因。来年は2.2%に回復も2.5%から引き下げられた。ユーロ圏は今年が1.7%、来年は1.5%の見込みで、昨年の2%を下回る。日本は今年が0.5%と0.3%から、来年は0.6%と0.1%からともに上方修正された。短期的には政府支出と金融緩和政策が成長を下支えし、中期的には人口減が成長を押し下げる見通し。中国は今年が6.6%、来年は6.2%で据え置かれたが、昨年の6.9%を下回る見込み。

【ポンド安が進行】
 英ポンドが再び下値を切り下げている。6月の欧州連合(EU)離脱選択を受け、1ポンド=1.28〜1.35ドルのレンジ内での推移が続いていたが、メイ首相が2日、EU離脱通告を来年3月末までに開始すると明らかにしたことを受け、再び英国経済の先行き不透明感が意識されることとなり、リスク回避の売り圧力に押されている。7日のアジア時間帯には一時、1.13ドル台後半と前日比6%も急落し、1985年3月以来の安値を付けた。オランド仏大統領が英国に対し強硬姿勢を求めているとの観測や、コンピューターを駆使するトレーダーの売りなどといった見方があったが、急落した背景は謎のまま。ポンドはまた、一時、対ユーロで2009年10月以来、円でも2012年9月以来の水準へ急落した。ポンドの脆弱性が浮き彫りとなるなか、今後も乱高下する相場展開が続く可能性が高そうだ。
 足元の英経済指標を見る限り、市場が不安視するほどのような状況にはない。4−6月期・国内総生産(GDP)確定値は前期比0.7%増と改定値の0.6%増から上方修正され、9月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は2014年6月以来の高水準となった。8月の英小売売上高指数は前月比0.2%低下も、14年ぶりの大幅な伸びとなった前月(1.9%上昇)の反動とみられ、前年比では2カ月続けて6%台の上昇と好調に推移している。
 ただし、ポンド安などが強気の経済指標に寄与しているようだが、IMFはEU離脱選択による不確実性から、英経済成長は今年が1.8%と前年の2.2%から鈍化し、来年は1.1%にさらに減速するとの見通しを示している。メディアによると、デービスEU離脱担当相の側近は、「EU予算に拠出しない、欧州司法裁判所の管轄権から外れる、移動の自由の終了、英国法は英議会で作られる、これらの重要な譲れない線を中心に実現していく」と語ったそうだ。メイ首相率いる英政府とEUとの交渉は見込まれる以上にタフなものになるかもしれず、英経済の先行き縮小観測による世界経済への懸念が強まっていることは確かだ。


【ハロウィンが近いNYマンハッタンのチェルシーマーケット】

【主要経済指標・イベントレビュー】
3日 日銀企業短期経済観測調査(短観):大企業・製造業DIはプラス6
   独製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値(9月):54.3
   ユーロ圏製造業PMI改定値(9月):52.6
   英製造業PMI(9月):55.4
   米ISM製造業景況指数(9月):51.5
4日 豪中銀政策金利発表:1.50%に据え置く
   ユーロ圏生産者物価指数(8月):前月比-0.2%、前年比-2.1%
5日 独総合PMI改定値(9月):52.8
   ユーロ圏総合PMI改定値(9月):52.6
   米ADP雇用統計(9月):15万4000人増
   米貿易収支(8月):407億ドルの赤字
   米製造業受注(8月):前月比+0.2%
   米ISM非製造業景況指数(9月):57.1
6日 独製造業新規受注(8月):前月比+1.0%
   米週間新規失業保険申請件数:24万9,000件
7日 独鉱工業生産(8月):前月比+2.5%
   英鉱工業生産(8月):前月比-0.4%
   英製造業生産(8月):前月比+0.2%
   米雇用統計(9月):失業率は5.0%
            非農業部門雇用者数は15万6,000人増

【10月10日からの週の注目ポイント】
10日 独貿易収支(8月)                     ☆
11日 日本貿易・経常収支(8月)                ☆☆
   独ZEW景況感指数(10月)                 ☆☆
12日 日本機械受注(8月)                   ☆☆
   ユーロ圏鉱工業生産(8月)                ☆☆
   FOMC議事録公表                     ☆☆☆
13日 中国貿易収支(9月)                   ☆☆
   独消費者物価指数(CPI)改定値(9月)           ☆☆
   米週間新規失業保険申請件数                ☆☆
14日 中国CPI(9月)                     ☆☆
   中国生産者物価指数(PPI、9月)              ☆☆
   米小売売上高(9月)                  ☆☆☆
   米PPI(9月)                       ☆☆
   米ミシガン大消費者信頼感指数速報値(10月)        ☆☆
*重要度を3段階で表示

2016年10月11日

(みんかぶ/NYのもののふ)

株式会社みんかぶ NYのもののふ(ペンネーム)

担当
商品先物・金融市場
経歴
1994年から商品先物業界で市況作成・アナリスト業務に従事。主に工業品銘柄を担当し、1999年からは投資情報会社のニューヨーク駐在員としてニューヨーク在住。主に市況作成に従事。現在は、原油中心で為替、貴金属、穀物に関する情報も配信。
読み手に容易に理解していただけるような情報配信を目指している。

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