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外為マーケットコラム

105円前後で推移へ、決め手欠く

 ドル・円相場は13日、104.64円と7月29日以来の水準へ上昇。7日に発表された9月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が事前予想を下回るも、労働参加率は3月以来の高水準となり、賃金の伸びは前年比で加速したことから、12月の米利上げの可能性が大きく後退するまでには至らず、むしろ市場は利上げを織り込む格好となっている。ドルは対ユーロやスイス・フランで7月末以来の水準へ上昇し、ドル指数も7カ月ぶりの高値を付けており、米債利回りの上昇基調が続いていることや原油高などもドル高進行の一因。13日には中国の9月の貿易輸出が前年比10%減と7カ月ぶりの大幅な落ち込みとなり、世界的な需要の低迷が意識されリスク回避の円買いの動きとなるも、翌日発表された9月の中国生産者物価指数が2012年以来の上昇に転じたことで中国リスクが後退すると、104円台を回復するなどドル・円相場の下値の堅さが示されることとなった。
 依然として日本国内要因よりも米国からの材料が注目される状況に変わりはなく、発表される米経済指標や米大統領選挙の行方を見極める必要がある。今週はインフレや住宅関連の指標、欧州中央銀行(ECB)理事会などに市場の関心が集まろうが、よほどのことがない限り相場への影響は限定されよう。また、ヒラリー民主党候補の優勢が伝えられているも支持率は伸び悩んでおり、トランプ共和党候補ともども不人気者同士の決戦なだけに、来月8日の米大統領選挙結果はふたを開けてみないとわからない状況が続きそうだ。
 ドル・円相場は、先月下旬の日米金融政策イベント後に100円の節目を割り込めなかったことも心理的に影響しているとみられ、105円に乗せれば200日移動平均が通る水準(107円台後半)が次の上値目標になるのかもしれない。ただし、積極的に進めていくだけの決め手が見当たらないだけに、一段と上昇していくような強気なムードが感じられないのが現状だろう。

【米指標はまちまち】
 米連邦準備制度理事会(FRB)は12日、9月20〜21日開催の連公開市場委員会(FOMC)議事録を公表し、利上げの根拠が強まるも、雇用に若干のスラック(需給の緩み)が残るとの見方を明らかにした。また、利上げ見送りは僅差の判断であり、大半は更なる指標を待つとする一方、更なる見送りは金融政策の信頼性にかかわるとの懸念も出た。大半がインフレ上昇も下降圧力もほとんどないと言及し、米経済の短期的リスクは概ね安定的とのこと。特に市場への目新しいものはなく、議事録公表後のドル相場は特に反応しなかった。
 13日発表の8日まで週の新規失業保険申請件数は24万6,000件と、2週続けて42年ぶりの低水準となった。より変動の少ない4週移動平均は24万9,250件と1973年以来の低水準となり、1日までの継続受給者数は前週比1万6,000人減の205万人と2000年6月以来の最低となり、雇用情勢は好調な状況が続いており、先行きの賃金上昇圧力が強まる可能性が警戒されるかもしれない。14日発表の9月の小売売上高は前月比0.6%増と前月(0.2%減)から回復し、9月の生産者物価指数は前月比0.3%上昇と市場予想(0.2%上昇)を上回り、前年同月比は0.7%上昇と2014年12月以来の大幅な伸びとなった。FRBが利上げを正当化できる材料がそろったものの、10月のミシガン大消費者信頼感指数速報値は87.9と昨年9月以来の低水準となり、先行きについても2014年9月以来の水準に落ち込んだ。引き続き米指標は強弱まちまちで、12月の利上げを判断するうえでの決め手に欠ける。

【日本の経常黒字は26カ月連続】
 財務省発表の8月の経常収支は2兆8億円の黒字。前年同月比23.1%増加し、8月としては9年ぶりの高水準となった。経常黒字は26カ月連続。市場予想は1兆5,027億円の黒字だった。また、8月の貿易収支は2,432億円の黒字と、前年同月(3,292億円の赤字)から転じた。前月(6,139億円の黒字)を大きく下回るも、黒字は7カ月連続。市場予想は1,165億円の黒字。輸出額は前年同月比9.6%減の5兆3,019億円、輸入額は同18.3%減の5兆587億円となった。8月のドル・円相場は100円近辺と前年同月を20%超も円高に振れたことや、エネルギー価格の下落の影響から、輸入額が大きく落ち込んだ。また、企業の海外子会社から受け取った配当金や債券利子などの第一次所得収支は前年同月比2.8%減の1兆9,853億円の黒字と、6カ月連続で減少した。現状は貿易黒字=円高進行とはなっていないものの、一段の円の下落を抑制する効果は薄れてはいないだろう。

【ドイツの先行き景気拡大期待高まる】
 ドイツの欧州経済センター(ZEW)から11日に発表された10月の独景気期待指数は6.2と前月(0.5)から大きく改善し、市場予想(4.0)も上回り、4カ月ぶりの高水準となった。現況指数も59.5と予想(55.5)を上回った。10日に発表された8月の貿易収支は200億ユーロの黒字と前月比2.5%上回り、前年同月比では31.6%の大幅増加となった。輸出が前年同月比9.8%増と2010年以来で最高となり、前月に大幅減少した中国やロシア、日本、米国を含むいわゆる「第三国」への輸出が9.6%の増加に転じたことが寄与。また、8月の鉱工業生産は前月比2.5%上昇と1月以来の大幅な伸びとなり、1年11カ月ぶりの大幅な落ち込みとなった7月(1.5%低下)から回復した。6月の英国の欧州連合(EU)離脱選択による独経済に与える影響が薄れるなか、景気の先行き拡大期待が高まっているようだ。


【NYマンハッタンの象徴のエンパイア―・ステ―トビルディング】

【主要経済指標・イベントレビュー】
10日 独貿易収支(8月):200億ユーロの黒字
11日 日本貿易収支(8月):2,432億円の黒字
   経常収支(8月):2兆8億円の黒字
   独ZEW景況感指数(10月):6.2
12日 日本機械受注(8月):前月比-2.2%
   独卸売物価指数(PPI、9月):前月比+0.4%
   ユーロ圏鉱工業生産(8月):前月比+1.6%
13日 中国貿易統計(9月):419億9000万ドル
   独消費者物価指数(CPI)改定値(9月):前月比+0.1%
   米週間新規失業保険申請件数:24万6000件
14日 中国PPI(9月):前年比+0.1%
   中国CPI(9月):前年比+1.9%
   米小売売上高(9月):前月比+0.6%、自動車除くは前月比+0.5%
   米PPI(9月):前月比+0.3%、コアは前月比+0.2%
   ミシガン大消費者信頼感指数速報値(10月):87.9

【10月17日からの週の注目ポイント】
17日 日本鉱工業生産確報値(8月)                ☆
   ユーロ圏CPI改定値(9月)               ☆☆☆
   ニューヨーク連銀製造業景気指数(10月)          ☆☆
   米鉱工業生産(9月)                   ☆☆
18日 英CPI、PPI(9月)                    ☆☆
   米CPI(9月)                       ☆☆
   NAHB米住宅市場指数(10月)                ☆☆
   対米中・長期証券投資(8月)                ☆☆
19日 中国7−9月期・国内総生産(GDP)            ☆☆☆
   中国鉱工業生産(9月)                   ☆☆
   中国小売売上高(9月)                   ☆☆
   英失業率(9月)                      ☆☆
   米住宅着工件数(9月)                   ☆☆
   カナダ中銀政策金利                    ☆☆☆
   米地区連銀経済報告(ベージュブック)           ☆☆☆
20日 独PPI(9月)                        ☆
   英小売売上高指数(9月)                  ☆☆
   ECB政策金利                       ☆☆☆
   米週間新規失業保険申請件数                 ☆☆
   フィラデルフィア地区連銀景況指数(10月)          ☆☆
   米中古住宅販売件数(9月)                 ☆☆
   米景気先行指数(9月)                   ☆☆
21日 ユーロ圏消費者信頼感速報値(10月)             ☆☆
*重要度を3段階で表示

2016年10月17日

(みんかぶ/NYのもののふ)

株式会社みんかぶ NYのもののふ(ペンネーム)

担当
商品先物・金融市場
経歴
1994年から商品先物業界で市況作成・アナリスト業務に従事。主に工業品銘柄を担当し、1999年からは投資情報会社のニューヨーク駐在員としてニューヨーク在住。主に市況作成に従事。現在は、原油中心で為替、貴金属、穀物に関する情報も配信。
読み手に容易に理解していただけるような情報配信を目指している。

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