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外為マーケットコラム

方向感欠くもドル高基調続きそう

 ドル・円相場は13日に7月29日以来となる1ドル=104.64円まで上昇したが、その後は104円を挟んで上げ止まっている。市場の関心は、来月の米大統領選挙の行方と、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)に集中するなか、ドル買い・円売りの勢いに力強さは感じられず、方向性もはっきりしない。19日の米大統領選・第3回討論会でもクリントン民主党候補の優位は揺るがず、勝負あったようにみられるが、同候補に対する嫌悪感は根強く、来月8日の本選での結果を見るまでは安心できそうもない。一方、市場では12月の利上げを見込む向きは多いが、発表される足元の米経済指標はまだら模様のままで、連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は慎重に慎重を重ねて判断するだけに、今後も冴えない指標が続くようだと、再び利上げが見送られるかもしれない。引き続き100円の壁は厚そうで、105円を回復すれば200日移動平均が通る水準(107円台半ば)まで切り上がりそうだが、一段のドル高・円安が進行していくようなムードは感じられないのも現状だ。

【米経済指標は利上げを正当化できず】
 最新の米経済指標は引き続き強弱まちまちで、12月の利上げが決定的となるまでには至っていない。10月のニューヨーク連銀製造業景気指数はマイナス6.80と前月(マイナス1.99)から悪化。プラスに転じるとの市場予想に反して3カ月連続の低下で、5月以来の水準に落ち込んだ。新規受注指数の低迷や労働市場の弱さが続いていることなどが背景。9月の鉱工業生産指数は前月比0.1%の上昇。前月(0.5%低下)から改善するも、市場予想(0.2%上昇)を下回った。ただ、第3四半期では1.8%上昇と1年ぶりのプラスとなった。9月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.3%上昇と過去5カ月で最大の伸びとなり、前年比は1.5%上昇と2014年10月以来の大幅な伸びとなった。ガソリンと居住費の上昇が寄与。しかし、食品とエネルギーを除くコアCPIは前月比0.1%上昇と前月(0.3%上昇)から低下し、市場予想(0.3%上昇)を下回った。前年比も2.2%上昇と前月(2.3%上昇)から鈍化。10月に入って原油相場の上昇が続くなか、先行きの物価全般への影響が注目される。
 9月の住宅着工件数は前月比9.0%減の104万7,000戸と、市場予想(2.9%増)に反して昨年3月以来の水準に落ち込んだ。一戸建ては前月比8.1%増と2月以降で最大の伸びとなったが、集合住宅が38%も急減したことが影響。ただし、9月の住宅着工許可件数は前月比6.3%増の122万5,000件と昨年11月以来の大幅な伸びとなった。また、全米不動産業者協会(NAR)発表の9月の中古住宅販売件数は前月比3.2%増の547万戸。6月(557万戸)に次ぐ高水準となり、初めて購入する人の割合が全体の34%と4年ぶりの大幅なものとなった。中古住宅価格の平均は23万4,200ドルと前年同月比5.6%上昇した。在庫は204万戸と前年同月6.8%下回り、販売に対する在庫比率は4.5カ月と前月(4.6カ月)から縮小し、供給タイトな状態が続いている。
 15日までの週の新規失業保険申請件数は26万件と、2週続けて42年ぶりの低水準となった前週から増加した。より変動の少ない4週移動平均も前週から増加し、失業保険の継続受給者数は8日までの1週間に7,000人増の206万人となるも、引き続き2000年以来の低水準にある。9月の景気先行指数は前月比0.2%上昇と前月(0.2%低下)から改善し、来年初めにかけて緩やかなペースでの景気拡大が続く見通し。

【米当局者は低金利継続のリスクを警告】
 ボストン連銀のローゼングレン総裁は15日、同連銀主催の会議の合間や終了後に複数メディアのインタビューに応じ、大統領選挙直前の11月1〜2日開催のFOMCよりも、12月13〜14日の次回会合で利上げを決定するのが好ましいとの考えを示した。また、金融緩和政策により国内経済は既に十分な活況を呈しており、失業率は来年、持続可能な最低水準とみる4.7%を下回る可能性を示唆し、労働市場の過熱でインフレ高進や資産価格バブルを引き起こすリスクがあり、FRBが一段と急速な引き締めを迫られることになると述べた。さらに10−12月の米経済成長率を年率2.5%に達すると予想し、労働市場の引き締まりが続き、2017年末までにインフレ率が当局目標の2%に極めて近づくとの見通しを示した。
 17日にニューヨークのエコノミック・クラブで講演したフィッシャーFRB副議長も、低金利の継続は長期的な成長見通しが低いことを示唆し、将来の景気後退(リセッション)局面で金融政策の選択肢が狭まると述べた。先行きのリスクが高まる可能性も、FOMCメンバー間で利上げのタイミングで意見が一致しておらず、米指標は決め手を欠くなか、現時点では12月に利上げされたとしても、来年の追加利上げはより困難になりそうだ。

【ECBは量的緩和政策を延長の公算大】
 欧州中央銀行(ECB)は20日の理事会で、主要政策金利のリファイナンスオペの最低応札金利をゼロ、中銀預金金利をマイナス0.4%に据え置いた。また、資産購入プログラムの規模も月額800億ユーロで維持した。ECBは声明で、政策金利が現行またはそれ以下の水準に長期にわたりとどまることを引き続き見込んでいるとし、資産購入プログラムは2017年3月末まで、または必要に応じそれ以降も継続すると表明。ドラギ総裁は、理事会終了後の記者会見で、量的緩和(QE)延長の議論はなかったと発言し、ユーロが対ドルでほぼ1週間ぶりの水準へ急伸したが、一方で唐突なテーパリング(QEの縮小)はなく、期限を延長する公算が大きいことを示唆したため、すぐさまユーロは売り転じ、7か月ぶりの水準へと下落している。ECBは12月8日の会合で2019年までの経済予測を発表するが、景気は底堅く推移するも、インフレは当局の目標を大きく下回っていることから、QE延長の可能性は高く、欧米当局の金融政策の方向性の違いがユーロを圧迫し続けそうだ。


【秋空の下のブルックリンブリッジ。まもなく大統領選挙です。】

【主要経済指標・イベントレビュー】
17日 ニューヨーク連銀製造業景気指数(10月):-6.80
   米鉱工業生産(9月):前月比+0.1%
18日 米CPI(9月):前月比+0.3%、前年比+1.5%
          コアは前月比+0.1%、前年比+2.2%
   NEHB米住宅市場指数(10月):63
19日 英失業率(9月):2.3%、6−8月(ILO方式)は4.9%
   米住宅着工件数(9月):前月比-9.0%の104万7000戸
   米地区連銀経済報告:経済は引き続き緩やかなペースで拡大
20日 ECB理事会:政策金利と量的緩和を現状維持
   米週間新規失業保険申請件:26万件
   フィラデルフィア地区連銀景況指数(10月):9.7
   米中古住宅販売件数(9月):前月比+3.2%
   米景気先行指数(9月):前月比+0.2%

【10月24日からの週の注目ポイント】
24日 日本貿易統計(9月)                   ☆☆
   独製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(10月)     ☆☆
   ユーロ圏製造業PMI速報値(10月)             ☆☆
25日 独IFO企業景況感指数(10月)               ☆☆
   ケース・シラー米住宅価格指数(8月)           ☆☆
   米住宅価格指数(8月)                   ☆
   米消費者信頼感指数(10月)                ☆☆
26日 独GFK消費者信頼感調査(11月)               ☆
   米新築住宅販売件数(9月)                ☆☆☆
27日 第3四半期・英国内総生産(GDP)速報値          ☆☆☆
   米耐久財受注(9月)                    ☆☆
   米週間新規失業保険申請件数                 ☆☆
   米中古住宅仮販売契約指数(9月)              ☆☆
28日 日本全国CPI(9月)                   ☆☆☆
   日本失業率(9月)                     ☆☆
   ユーロ圏消費者信頼感確定値(10月)             ☆☆
   独CPI速報値(10月)                    ☆☆
   第3四半期・米GDCP速報値                 ☆☆☆
   米ミシガン大消費者信頼感指数確報値(10月)         ☆☆
*重要度を3段階で表示

2016年10月24日

(みんかぶ/NYのもののふ)

株式会社みんかぶ NYのもののふ(ペンネーム)

担当
商品先物・金融市場
経歴
1994年から商品先物業界で市況作成・アナリスト業務に従事。主に工業品銘柄を担当し、1999年からは投資情報会社のニューヨーク駐在員としてニューヨーク在住。主に市況作成に従事。現在は、原油中心で為替、貴金属、穀物に関する情報も配信。
読み手に容易に理解していただけるような情報配信を目指している。

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