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外為マーケットコラム

目先はイベントの結果次第

 ドル・円相場は28日、一時、1ドル=105.53円と3カ月ぶりの水準へ上昇。依然として12月の米利上げ観測が根強いなか、米債利回りの上昇や来月8日の米大統領選挙でヒラリー民主党候補の勝利が確実視されていることなどが背景となっている。また、欧州中央銀行(ECB)による量的緩和延長の可能性などもあり、目先の欧米当局の金融政策の方向性の違いから、主要6通貨に対するドル指数も25日に2月1日以来の水準へ切り上がった。
 28日午後にはヒラリー民主党候補の新たなメール問題を米連邦捜査局(FBI)が捜査することとなったとの報を受け、ドル・円は再び105円を割り込んだが、市場はやや反応しすぎ。31日と11月1日に日銀金融政策決定会合、1‐2日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、4日に10月の米雇用統計の発表、8日に米大統領選挙を控え、ドル高が一段と進むかどうかはこれらの結果次第とみる。日銀が追加緩和に動くような気配は全くなく、今回のFOMCでは利上げ見送りが決定的のなか、次回12月の利上げに向けてより積極的な姿勢が示されるかどうかだろう。また、10月の米雇用統計が予想通りか予想以上に強い内容が示されれば、素直にドルが買われよう。その場合、ドル・円は200日移動平均の通る107円台前半が目先の上値目標となりそうで、同水準を一気に上抜けば110円を視野に入れた動きとなるのかもしれない。しかし、12月の米利上げの可能性の高まりだけでは新鮮味を欠き、ドル買いの流れが長く続きそうもなく、さらなる支援材料が欲しいところ。
 一方、ほぼ絶望的とみられるが、大統領選挙でトランプ共和党候補が勝利した場合は、その後の世界経済に与える影響への懸念や不確実性の高まりから、パニック的なドル売りが出そうだ。ただし、そのようなことが起きる可能性はゼロに近いと思われる。

【米雇用拡大ペースが続く見通し】
 市場は現時点で、10月の米雇用統計での失業率を4.9%と前月の5.0%から低下し、非農業部門雇用者数は17万5,000人増と前月の15万6,000人増を上回ると予想している。雇用拡大ペースが続いていることが示される見込みで、予想通りの結果となれば、12月の利上げを正当化する一因となりそうだ。ただし、12月13-14日のFOMCまでにはまだ日があり、12月2日発表の11月の雇用統計を含めて発表される指標を見極める必要がある。
 足元の経済指標は引き続き強弱まちまち。10月の消費者信頼感指数は前月から大きく低下し、市場予想も下回った。9月の耐久財受注統計では、国内総生産(GDP)の算出に使用され設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の出荷はプラスと前月から改善するも、受注額はマイナスに転じた。9月の新築住宅販売件数は前月比3.1%増、9月の中古住宅販売仮契約指数は前月比1.5%上昇と、それぞれ前月のマイナスから改善した。22日までの週間新規失業保険申請件数は前週から減少し、15日までの失業保険の継続受給者数は2000年6月24日までの週以来の低水準となった。
 28日に発表された7−9月(第3四半期)・実質GDP伸び率速報値は前期比2.9%増と2年ぶりの高い伸びとなった。個人消費支出は前四半期比で半減したが、輸出が2013年第4四半期以来の高水準となり、民間国内投資が4四半期ぶりにプラスに転じたことなどが寄与した。一方、同日発表された10月の米ミシガン大消費者信頼感指数確報値は予想に反して下方修正され、昨年9月以来の低水準となった。利上げの決め手が見つからない。

【来年に3回の利上げ見込む向きも】
 ハト派とみられ2017年にFOMCでの政策決定の投票権を持つことになるシカゴ連銀のエバンス総裁は24日、来年末までに25ベーシスポイント(0.25%)の利上げを3回見込んでいると述べた。年後半にかけて経済成長の伸びが持ち直し、労働市場や個人消費の堅調な回復、インフレ圧力が高まり始めることを楽観視していることが背景のようだ。
 一方、今年のFOMCでの投票権を持つセントルイス地区連銀のブラード総裁は同日、当面1度の利上げしか必要ないとし、12月利上げの可能性が最も高いとの見方を示した。生産性の低さや投資家の安全資産を選考する傾向が強いことなどから、この先2〜3年は低金利が続く公算が大きいとのこと。雇用や物価指標はFRBの目標にほぼ見合うものとなっているが、利上げを推し進めていくだけの決定打に欠き、経済成長ペースの弱さなども考慮すると、プラ―ド総裁の見立てに同意する部分は大きい。タカ派とみられ今年投票権を持つジョージ・カンザスシティー連銀総裁、メスター・クリーブランド連銀総裁とローゼングレン・ボストン連銀総裁は来年、FOMCメンバーから抜ける。来年はハト派色が強まりそうで、今年以上に当局の利上げに慎重な姿勢が示されるのではないか。

【独指標の良好さが目を引く】
 IHSマークイットから24日に発表された10月のユーロ圏製造業購買担当者指数(PMI)速報値は2年半ぶりの水準へ上昇し、サービス部門PMI速報値も上昇したため、総合PMI速報値は53.7と前月(52.6)を上回り、昨年12月以来の高水準となった。6月の英国の欧州連合(EU)離脱選択によるユーロ圏経済への悪影響は出ておらず、欧州中央銀行(ECB)の緩和政策などを背景にした緩やかな景気拡大ペースが続いていることが示された。
 特に域内最大のドイツの数字が目を引き、10月の独総合PMI速報値も昨年12月以来の高水準となった。25日に発表された10月の独Ifo企業景況感指数も2014年4月以来の高水準となり、製造業マインドは上昇し、建設業マインドは過去最高を更新した。10月の現況指数と期待指数も前月から上昇しており、足元の景気回復基調は強く、当面、ユーロ域内全般の経済のけん引役が続きそうだ。


【NYマジソンスクウェアパークから見る高層ビル】

【主要経済指標・イベントレビュー】
24日 日本貿易統計(9月):4,983億円の黒字
   独製造業PMI速報値(10月):55.1
   EU製造業PMI速報値(10月):53.3
25日 独Ifo企業景況感指数(10月):110.5
   ケース・シラー米住宅価格指数(8月):前年比+5.1%
   米消費者信頼感指数(10月):98.6
26日 米新築住宅販売件数(9月):前月比+3.1%の59万3,000件
27日 第3四半期・英国内総生産(GDP)速報値:前期比+0.5%
   米耐久財受注(9月):前月比-0.1%、コア資本財は前月比+0.3%
   米週間新規失業保険申請件数:25万8,000件
   米中古住宅販売仮契約指数(9月):前月比+1.5%
28日 日本全国消費者物価指数(CPI、9月):前年比-0.5%、コアは前年比-0.5%
   東京都区部コアCPI(10月):前年比-0.4%
   独HCPI速報値(10月):前月比+0.7%
   第3四半期・米GDP速報値:前期比+2.9%
   米ミシガン大消費者信頼感指数確報値(10月):87.2

【10月31日からの週の注目ポイント】
31日 日本鉱工業生産速報値(9月)               ☆☆
   ユーロ圏HCPI速報値(10月)               ☆☆☆
   第3四半期・ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値       ☆☆☆
   米個人所得・消費支出(9月)                ☆☆
   シカゴ購買部協会景気指数(10月)              ☆☆
1日 日銀金融政策決定会合、金利発表              ☆☆☆
   米ISM製造業景況指数(10月)               ☆☆☆
2日 独雇用統計(10月)                     ☆☆
   独製造業PMI改定値(10月)                 ☆☆
   ユーロ圏製造業PMI改定値(10月)              ☆☆
   米ADP雇用統計(10月)                   ☆☆☆
   FOMC、政策金利発表                     ☆☆☆
3日 ユーロ圏失業率(9月)                    ☆☆
   英中銀、金融政策発表                    ☆☆☆
   米週間新規失業保険申請件数                 ☆☆
   米ISM非製造業景況指数(10月)               ☆☆
   米製造業新規受注(9月)                  ☆☆
4日 米雇用統計(10月)                     ☆☆☆
   米貿易統計(9月)                      ☆☆
*重要度を3段階で表示

2016年10月31日

(みんかぶ/NYのもののふ)

株式会社みんかぶ NYのもののふ(ペンネーム)

担当
商品先物・金融市場
経歴
1994年から商品先物業界で市況作成・アナリスト業務に従事。主に工業品銘柄を担当し、1999年からは投資情報会社のニューヨーク駐在員としてニューヨーク在住。主に市況作成に従事。現在は、原油中心で為替、貴金属、穀物に関する情報も配信。
読み手に容易に理解していただけるような情報配信を目指している。

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