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外為マーケットコラム

ドル・円は120円を視野も

 ドル・円は9日に1ドル=115.37円と10カ月ぶりの水準へ一段と上昇し、トランプ氏が米大統領選挙に勝利した11月9日以降の急激なドル独歩高の流れが続いている。トランプ次期大統領の掲げる積極的なインフラ投資や巨額減税などの政策が米経済成長を後押しするとの期待感や、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めペースが速まるとの観測などが広がる一方で、財政支出拡大によるインフレ懸念から米国債の利回りが上昇し続けており、トランプ相場が大きく崩れるような状況にはなさそうだ。
 チャート上(週足ベース)では、ドル・円は一目均衡表の雲の上限突破寸前の水準にある。トランプ次期大統領誕生後の1カ月で約14円(14%)も急騰しており、さすがに行きすぎ感が強いものの、トランプ相場は予測不能のため今の流れに乗るしかなさそうだ。昨年高値から今年安値の下げ幅に対する61.8%戻し相当(115.60円)を上抜けば、120円が視野に入ってこよう。13〜14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、短期金利の指標となるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準が0.50〜0.75%へ引き上げられるのはすでに織り込み済みで、今後はクリスマスを前にしたポジション絡みの動きや、トランプ氏や次期政権からのドル高へのけん制が警戒されるが、来年1月20日のトランプ大統領就任式までは今のドル高基調が続くのではないか。

【米指標改善も利上げペース加速を示唆か】
 ニューヨーク連銀のダドリー総裁は5日、景気の改善に伴い、政策金利を緩やかに引き上げることを支持する姿勢を示した。共和党が議会の過半数を握ることもあり、トランプノミクスが経済成長拡大の追い風となるとのムードが広がるなか、引き続き足元の経済指標の改善が目に付き、市場の関心は来年の利上げペースや時期へと移っているようだ。
 11月の米ISM非製造業景況感指数は昨年10月以来の高水準となり、10月の製造業新規受注は4カ月連続して増加し、昨年6月以来の高い伸びとなった。11月のミシガン大消費者信頼感指数速報値は、2004年の統計開始後の最高を記録した昨年1月の水準に接近した。
 来年の利上げ見通しに関し、ゴールドマン・サックス・グループは3回、シティグループやクレディ・スイス・グループなどは2回と予想。9日時点のCMEグループのフェドウォッチによると、来年6月に追加利上げされる可能性は44.3%である。現時点では来年前半は利上げペースが加速するとは想定されていないが、力強い経済指標が続くようだと、追加利上げのタイミングが早まる可能性が出てきそうだ。なお、過去のパターンでは、一定の利上げ後にドルが下落しており、注意が必要だろう。

【ECBは量的緩和を継続】
 欧州中央銀行(ECB)は8日の理事会で、主要政策金利のリファイナンス金利を0%、預金金利をマイナス0.4%にそれぞれ据え置いた。債券購入プログラムは、期限を来年3月末から12月末までに延長し、来年4月からの購入額を月600億ユーロと現行の月800億ユーロから引き下げる。理事会終了後の記者会見で、ドラギ総裁は、緩やかで着実なペースの成長を見込んでおり、量的緩和(QE)はインフレが継続的に上昇軌道となるまで継続する姿勢を示した。また、デフレリスクはほぼ解消されたとし、この日の会合でテーパリング(量的金融緩和の縮小)は討議されなかったことを明らかにした。
 欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)発表の7−9月期・域内総生産(GDP)確定値は前期比0.3%増加と改定値が据え置かれたが、前年同期比は1.7%増と改定値の1.6%増から上方修正された。分野別では、民間と政府の最終消費支出がともに4−6月期を上回ったが、総固定資本形成、輸出と輸入はともに大きく鈍化した。11月の域内の食品とエネルギーを除いたコア消費者物価指数は前年同月比0.8%上昇と、前月(0.7%上昇)をわずかに上回ったにすぎず、ECBの景気刺激措置が必要な状況に変わりはない。
 一方、第4四半期入り後の経済指標の改善が目に付く。11月のユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)改定値は53.9と速報値(54.1)から下方修正されたが、引き続き昨年12月以来の高水準。独仏の低下も他の加盟国がけん引し、アイルランドが3カ月ぶり、スペインが5カ月ぶり、イタリアは9カ月ぶりの高水準となった。サービス部門PMI改定値は、景況判断の分岐点となる50を40カ月連続して上回った。10月のユーロ圏小売売上高は前年同月比2.4%増と8カ月ぶりの大幅な伸びとなり、10月の独製造業新規受注も前月比4.9%増と2014年7月以来の高い伸びとなった。ECBは来年の成長見通しを9月時点の1.6%から1.7%へ、インフレ見通しを1.2%から1.3%へ上方修正しており、政治リスクは残るが、足元の景気拡大基調が続けば、テーパリングへと軸足を移すことになりそうだ。

【日本の7−9月期・GDPは大幅下方修正】
 内閣府が8日に発表した7−9月期・国内総生産(GDP)2次速報値は実質が前期比0.3%増(年率1.3%増)と1次速報の0.5%増(年率2.2%増)から、名目は0.1%増(年率0.5%増)と1次速報の0.2%増(年率0.8%増)から、ともに下方修正された。実質、名目ともに3四半期連続のプラス成長。今回の発表から基準年が2005年から2011年に変更されたことなどの影響から、2015年度の名目GDPは31超円も押し上げられた。
 実質GDP成長率に対する寄与度は、国内需要(内需)がマイナス0.0%と1次速報0.1%から下方修正され、財貨・サービスの純輸出(外需)も0.3%と0.5%から引き下げられた。民需動向では、民間最終消費支出は実質0.3%増と0.1%増から上方修正され、3四半期連続の増加。テレビ、飲料、宿泊施設サービス等が引き上げられたことが寄与した。民間住宅も実質2.6%増と2.3%増から上方修正され、2四半期連続の増加。一方、民間企業設備は0.4%減と0.0%から下方修正され、民間在庫変動のGDP寄与度もマイナス0.3%とマイナス0.1%から引き下げられた。公共投資は0.1%増と0.7%減から上方修正された。
 日本経済は巡航速度(2%台)以下の非常に緩やかなペースで成長している。安倍首相は先月、来年の春闘に向けて今年並みの賃上げを要請しており、GDPの約6割を占める個人消費の拡大や、民間設備投資の増加が経済の力強い回復には欠かせない。


【NY名物、ロックフェラーセンター前のクリスマスツリー】

【主要経済指標・イベントレビュー】
5日
ユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)改定値(11月)
:53.9
ユーロ圏小売売上高(10月)
:前月比+1.1%、前年比+2.4%
米ISM非製造業景況指数(11月)
:57.2

6日
豪準備銀行
:政策金利1.50%に据え置く
独製造業新規受注(10月)
:前月比+4.9%
7−9月期・ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値
:前期比+0.3%
米貿易収支(10月)
:426億ドルの赤字
米製造業新規受注(10月)
:前月比+2.7%

7日
独鉱工業生産(10月)
:前月比+0.3%
カナダ中央銀行、政策金利を0.50%に据え置く

8日
7−9月期・日本GDP改定値
:前期比+0.3%、年率換算+1.3%
中国貿易収支(11月)
:446.1億ドルの黒字(2981.1億元の黒字)
ECB理事会
:政策金利を据え置く、債券購入は期限を延長し規模を縮小
米週間新規失業保険申請件数
:25万8000件

9日
米ミシガン大消費者信頼感指数速報値(12月)
:98.0

【12月12日からの週の注目ポイント】
12日
日本機械受注(10月)                    ☆☆

13日
独消費者物価指数(CPI)改定値(11月)            ☆☆
独ZEW景況感指数(12月)                   ☆☆
英CPI、英生産者物価指数(PPI、11月)             ☆☆

14日
10-12月期・日銀企業短期経済観測調査(短観)         ☆☆☆
英失業率(11月)                       ☆☆
米小売売上高、PPI、米鉱工業生産(11月)           ☆☆
FOMC(13-14日)、政策金利発表                ☆☆☆

15日
ユーロ圏製造業・サービス部門PMI速報値           ☆☆☆
英中銀金融政策委員会(14-15日)、金利発表          ☆☆☆
米CPI(11月)                       ☆☆☆
ニューヨーク連銀製造業景気指数(12月)            ☆☆
フィラデルフィア地区連銀製造業景気指数(12月)        ☆☆

16日
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(11月)        ☆☆☆
米住宅着工件数(11月)                    ☆☆

*重要度を3段階で表示

2016年12月12日

(みんかぶ/NYのもののふ)

株式会社みんかぶ NYのもののふ(ペンネーム)

担当
商品先物・金融市場
経歴
1994年から商品先物業界で市況作成・アナリスト業務に従事。主に工業品銘柄を担当し、1999年からは投資情報会社のニューヨーク駐在員としてニューヨーク在住。主に市況作成に従事。現在は、原油中心で為替、貴金属、穀物に関する情報も配信。
読み手に容易に理解していただけるような情報配信を目指している。

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