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外為マーケットコラム

120円をめどにドル高・円安続く

 ドル・円は1ドル=117円を挟んでの推移が続き、年末・年始を迎え市場参加者が限られるなか、トランプ氏の米大統領選勝利後に急速に進んだドル高・円安の流れが一服となっている。ただし、トランプ次期大統領の掲げる積極的な財政支出や巨額減税などを含む政策による米景気押し上げや米利上げペースの加速観測、株高や日米長期金利の格差拡大見通しなどを背景に、年明け後もしばらくはトランプ・ラリーが続くとの見方は多い。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は19日、ボルティモア大学を卒業する学生に向けての演説で、労働市場がここ10年近くで最も力強い状況になりつつあり、賃金上昇の加速を示す兆候も見られるとの見方を示した。原油など資源価格の回復で物価上昇圧力が強まり、米利上げ時期が速まるかもしれず、しばらくは120円をめどとしたドル高・円安の流れが続きそうだ。

【足元の米成長は鈍化へ】
 22日に発表された7−9月(第3四半期)・米実質国内総生産(GDP)確定値は前期比3.5%増と改定値3.2%増から上方修正され、引き続き2年ぶりの高い成長となった。市場予想は3.3%増。約7割を占める個人消費も3%増と改定値2.8%増から引き上げられ、サービス支出や知的財産、州および地方政府による支出の寄与が拡大した。
 第3四半期の経済成長が予想以上に加速したものの、足元はすでに勢いが弱まっているとの見方が出ている。以前から指摘されているが、輸出(10.0%増)の大部分は中国向けの大豆輸出で占められており、第4四半期も中国による米国産大豆の買い付けはおう盛だが、第3四半期ほどではなく、輸出増加は一時的と捉えられている。また、11月の米個人消費支出が前月比0.2%増と前月(0.4%%増)から鈍化したことなども挙げられる。
 第4四半期のGDPについて、ニューヨーク連銀は1.8%増と、アトランタ連銀は2.6%増と、ともに減速すると予想している。FRBも13-14日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で来年の経済見通しをほぼ据え置いており、トランプ次期政権が目標とする3−4%の経済成長率はかなりハードルが高いような気がする。

【来年の米住宅市場の減速を警戒】
 全米不動産業者協会(NAR)が21日に発表した11月の中古住宅販売件数は前月比0.7%上回る561万戸と、2007年2月(579万戸)以来の高水準。前年同月比は15.4%増。中古住宅販売平均価格は6.8%増の23万4,900ドルと、前年同月を57カ月連続して上回った。また、11月末時点の在庫は9.3%減の185万戸と、前年同月を18カ月連続して下回った。
 米抵当銀行協会(MBA)発表の16日までの週間住宅ローン申請指数は前週比2.5%上昇したが、前週(9日までの週)は1月1日までの週以来の低水準だった。超低金利を背景に住宅市場の活況が続いてきたが、トランプ氏の大統領選勝利後の金利上昇による先行きへの影響が懸念される。長期金利の指標となる10年物国債の利回りは2.5%と米大統領選挙前の1.8%から急上昇しており、MBA発表の30年物住宅ローン金利平均も4.41%と2014年5月以来の高水準となっている。長期金利のさらなる上昇が見込まれるなか、住宅市場の減速の恐れが米経済成長の足かせとなってしまう可能性が出てくるかもしれない。

【日銀総裁は利上げは時期尚早】
 日本銀行は19〜20日に開催した金融政策決定会合で、マイナス0.1%の短期金利、ゼロ%程度の長期金利(10年物国債金利)と、年間約80兆円の長期国債買い入れ額などすべての政策を据え置くことを決定した。景気判断は、緩やかな回復基調を続けているとし、海外経済や輸出・生産などの持ち直しを背景に上方修正した。一方、急激な円安進行や金利上昇などから、日銀が長期金利の目標を引き上げるのではとの見方が広がっていることに関し、黒田総裁は時期尚早とし、2%の物価目標の達成にはまだまだ遠いとの認識を示した。また、今の円相場については、現時点で円安が行き過ぎて問題になるとの見通しは持っていないとし、円安と言うよりもドル高だと指摘。日銀は、過去に例のない量的緩和で円安や経済成長を押し上げる手法に手詰まり感があったなか、トランプ相場の登場で現状はかなり居心地の良いものに戻っていると思われる。ただし、円安や金利上昇に加え物価上昇圧力が強まる可能性が出てきており、来年中にも緩和政策の変更に迫られるかもしれない。

【11月の貿易収支は3カ月連続して黒字】
 財務省が19日に発表した11月の貿易収支(速報)は1,525億円の黒字と、3カ月連続して黒字となった。前月は4,960億円の黒字と速報値(4,962億円の黒字)からわずかに下方修正され、11月の黒字幅は69%も縮小し、市場予想(2,274億円の黒字)も下回った。前年同月比での円高が影響した輸出は前年同月比0.4%減の5兆9,565億円、輸入が8.8%減の5兆8,040億円となり、輸入の減少が貿易黒字の背景。地域別では、米国向けが前年同月比2.1%増と5カ月ぶりに黒字となるも、欧州連合(EU)向けは2カ月連続、アジア向けは10カ月連続、中国向けは57カ月連続してそれぞれ赤字となった。ただ、12月は急速な円安に振れているだけに、貿易黒字の増加が見込まれるところ。

【12月の独企業景況感指数はほぼ3年ぶりの高水準】
 ドイツのIFO経済研究所が19日に発表した12月の独企業景況感指数は111.0。前月の110.4を上回り、2014年2月以来の高水準となった。現況指数は116.6と前月(115.6)を上回り、2012年2月以来の高水準に達し、今後6カ月の期待指数も105.6と前月(105.5)をわずかに上回り、先行きに楽観的なムードが広がっている。内訳では、製造業部門は現況・期待指数ともに改善し、需要が大幅に回復して受注残も拡大。卸売部門は、約3年ぶりの高水準に上昇し、建設部門は引き続き過去最高を更新した。
 一方、独連邦統計庁から20日に発表された11月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比0.1%上昇と、2013年6月以降で初めてプラスに転じた。欧州中央銀行(ECB)の緩和政策や原油などの資源価格の上昇などを背景に、経済成長や物価が押し上げられている。来年秋には総選挙を控え、欧州全体で引き続き政治が最大のリスク要因となりそうだが、足元の回復基調はより鮮明になっている。


【NYマンハッタンの夜景。2016年のNYも暮れていく】

【主要経済指標・イベントレビュー】
19日
日本貿易統計(11月)
:1,525億円の黒字
独IFO企業景況感指数(12月)
:111.0

20日
日銀金融政策決定会合
:マイナス0.1%の政策金利を据え置く
独生産者物価指数(11月)
:前月比+0.3%、前年比+0.1%

21日
ユーロ圏消費者信頼感(12月)
:-5.1
米中古住宅販売件数(11月)
:前月比+0.7%の561万件

22日
7−9月期・米GDP確定値
:前期比+3.5%
米耐久財受注(11月)
:前月比-4.6%、輸出用機器除くは前月比+0.5%
米週間新規失業保険申請件数
:27万5,000件
住宅価格指数(10月)
:前月比+0.4%
個人所得・消費支出(11月)
:所得は前月比変わらず、消費支出は前月比+0.2%
景気先行指数(11月)
:前月比変わらず

23日
7−9月期・英GDP確定値
:前期比+0.6%
米新築住宅販売件数(11月)
:前月比+5.2%の59万2,000件
米ミシガン大消費者信頼感指数確報値(12月)
:98.2

【12月26日からの週の注目ポイント】
26日
日銀金融政策決定会合議事録                ☆☆☆
欧米市場は休場

27日
NZ、オーストラリア、英国、カナダなどが休場
日本全国消費者物価指数(CPI、11月)            ☆☆☆
日本東京都区コアCPI(11月)                 ☆☆
雇用統計(11月)                       ☆☆
ケース・シラー米住宅価格指数(10月)             ☆☆
米消費者信頼感指数(12月)                  ☆☆

28日
日本鉱工業生産速報値(11月)                 ☆☆
米中古住宅販売仮契約指数(11月)               ☆☆

29日
米週間新規失業保険申請件数                 ☆☆

30日
シカゴ購買部協会景気指数(12月)              ☆☆

*重要度を3段階で表示

2016年12月26日

(みんかぶ/NYのもののふ)

株式会社みんかぶ NYのもののふ(ペンネーム)

担当
商品先物・金融市場
経歴
1994年から商品先物業界で市況作成・アナリスト業務に従事。主に工業品銘柄を担当し、1999年からは投資情報会社のニューヨーク駐在員としてニューヨーク在住。主に市況作成に従事。現在は、原油中心で為替、貴金属、穀物に関する情報も配信。
読み手に容易に理解していただけるような情報配信を目指している。

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