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外為マーケットコラム

ドル高・円安局面は転換点迎えるか

 ドル・円は昨年12月30日に一時、1ドル=116.05円と2週間ぶりの水準へ下落。米長期金利低下や日経平均株価の下落などが重しとなるなか、年末でポジション絡みの動きが進むこととなった。年明け3日は12月の米ISM製造業景況指数が54.7となり、事前予想の53.7を上回ったことで118.61円まで上昇したが、昨年12月15日の高値118.66円を上抜けず、117円台に反落し、往って来いの展開。
 2016年の値動きを振り返ると、2015年12月に米連邦準備制度理事会(FRB)が約10年ぶりに利上げを決定したが、1月末の121.69円が天井となり、その後は新興国市場からの資金流出や中国経済の減速、米追加利上げ期待の後退、日本銀行の政策不透明さなどを背景に一変し、6月には99.00円と2013年11月以来の水準まで急落。夏以降は100円台のボックス圏での推移が続いたが、11月のトランプ氏の米大統領選勝利後は政策期待や日米金利差拡大などから急反発し、12月半ばには10カ月ぶりに118円台半ばまで回復した。
 2017年もドル高・円安基調が続くとの見方は多いが、市場関係者のほぼ全てがトランプ・ラリーを予測できず、現時点でもトランプ次期大統領と次期政権が何をしてくるか予想できないことから、先行きの不透明さに変わりはない。日米当局の先行きの金融政策の方向性の違いや日米長期金利の拡大観測などを背景に、120円方向へとドル高・円安が進むかもしれないが、20日のトランプ氏の大統領就任後は、一般教書演説や予算教書、それを受けた議会の動向へと注目が移り、過度の期待感が後退すれば基調が一変してしまいそうだ。
 米経済成長が期待通り加速しなければ、2017年に3回の利上げを予想するFRBへの懐疑的な見方が広がるだろうし、主要6カ国の通貨に対するドル指数はすでに14年ぶりの高水準で推移するなか、トランプ氏がそろそろ為替水準に言及してくるかもしれない。トランプ氏は大統領就任当日に中国を為替操作国と認定することを明らかにしているが、米国が認定する3つの基準のうち2つ(貿易黒字と経常黒字)も当てはまっているのは日本の方であることも忘れてはならず、同氏がつぶやけばトランプ・ラリーは瞬時に吹き飛びそうだ。宴の終了とともに、ドル高・円安局面の転換点を迎えても不思議はないだろう。

【12月の米消費者信頼感指数は約15年ぶりの高水準】
 米コンファレンス・ボード(CB)が昨年12月27日に発表した12月の米消費者信頼感指数は113.7と前月の109.4から上昇し、2001年8月以来の高水準となった。CBの景気指標担当ディレクター、リン・フランコ氏によると、期待指数が大幅に上昇したことが、12月の消費者信頼感指数をさらに改善させたと説明し、引き続き米大統領選挙後の経済、雇用、収入と株価見通しへの楽観ムードの高まりが信頼感を押し上げたとのこと。現況指数は126.1と前月の132.0から低下したが、向こう6カ月の期待指数は105.5と前月の94.4から大きく上昇し、2003年12月(107.5)以来の高水準となった。
 先行きの楽観ムードが強いものの、小さな政府を望む共和党議会との間で、トランプ氏の大風呂敷を広げすぎた公約が現実路線に修正を余儀なくされそうで、膨らみすぎた期待感がしぼむのは意外に早いかもしれない。

【金利上昇で住宅購入の先食いも】
 全米リアルタ−協会(NAR)が昨年12月28日に発表した11月の中古住宅販売成約指数は前月比2.5%低下。前年同月比は0.4%低下し、1月以来の低水準となった。NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は、在庫不足が続いていることと、住宅ローン金利の上昇が影響したと指摘し、金利上昇が住宅市場見通しを幾らか不透明にしており、住宅購入を検討している人々の信頼感が年明け以来の減少となっているとの認識を示した。
 10月の米主要20都市のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比5.1%上昇。2015年以降は5%前後の伸びが続いており、賃金上昇ペースを大きく上回っている。これまでは超低金利政策の恩恵があったが、トランプ氏の米大統領選勝利後は先行きのインフレリスクが警戒され、長期金利の急上昇とともに住宅ローン金利も大きく上昇している。11月の米新築住宅販売件数は2008年以降で2番目の高水準となったが、住宅ローン金利の上昇が購入をはやしたとみられる。住宅購入需要が強い一方、さらなる金利上昇が見込まれるなか、住宅市場の先食いが続くのか、金利が落ち着くまで様子見となるのかどうかの判断は難しく、今後の住宅市場動向が注目される。

【物価上昇圧力は極めて弱い】
 総務省統計局が昨年12月27日に発表した11月の全国消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.5%上昇し、前月(0.1%上昇)に続いてプラスとなった。ただし、悪天候のためトマト(44.4%上昇)など生鮮野菜(37.3%上昇)の上昇が主な要因で、指標となる生鮮食品を除くコアCPIは前年同月比0.4%低下と市場予想(0.3%低下)を下回り、9カ月連続してマイナス。内訳では、ガソリンと灯油などの下げ幅が縮小し、エネルギー全体も縮小したが、電気代(6.9%低下)、通信(3.0%低下)や携帯電話機(9.6%低下)などの下げが目立つほか、外国パック旅行費が3.3%上昇と前年同月(8.2%上昇)から落ち込んだことなどが影響した。
 また、食料(酒類を除く)とエネルギーを除くコアCPIは前年同月比0.1%の上昇も、前月(0.2%上昇)からは鈍化。さらに先行指標とされる東京都区部の12月のコアCPIは前年同月比0.6%低下と前月(0.4%低下)から一段と悪化し、10カ月連続のマイナスとなり、2013年1月以来の大幅な下げとなった。
 12月は円安が一段と進み、この先も円安が続くのではとの見方が広がっていることや、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国の15年ぶりの減産合意を受け、原油価格も上昇していることから、2017年は物価が押し上げられるとの期待は強い。ただし、為替と原油相場は実体経済に基づいた動きではなく、トランプ・ラリーや減産合意といったマニピュレーション(市場操作)の面が強く、先行きのインフレ見通しは読みにくいのが現状ではないか。安倍政権は半ば強制的に企業に対し4年連続となる賃上げを要請するも、先行き不安の根強さなど消費者心理は一向にデフレ期待から抜け出せず、足元の消費低迷が続くなか、企業も円安やエネルギー高による価格への転嫁が難しい状況に変わりはない。CPIの低下幅が徐々に縮小しても、物価上昇圧力が強まる局面に転じるような状況は考えにくい。日銀が物価情勢の判断として重視するエネルギーと生鮮食品を除いたコアCPIは、11月が前年同月比0.2%上昇と前月(0.3%上昇)から鈍化した。


【ブルックリンから観るNYマンハッタン】

【主要経済指標・イベントレビュー】
昨年27日
日本全国消費者物価指数(CPI、11月)
:前年比+0.5%、コアは前年比-0.4%
東京都区部コアCPI(12月)
:前年比-0.6%
日本失業率(11月)
:3.1%
ケース・シラー米住宅価格指数(10月)
:前年同月比+5.1%
米消費者信頼感指数(12月)
:113.7

28日
日本鉱工業生産速報値(11月)
:前月比+1.5%
米中古住宅販売成約指数(11月)
:前月比-2.5%

29日
米週間新規失業保険申請件数
:26万5,000件

30日
シカゴ購買部協会景気指数(12月)
:54.6

1月3日
米ISM製造業景況指数(12月)
:54.7

【1月第1週の注目ポイント】
4日
独サービス部門PMI改定値(12月)               ☆☆
ユーロ圏サービス部門PMI改定値(12月)            ☆☆
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(12月)        ☆☆☆
FOMC議事録公表(12月13-14日開催)             ☆☆☆

5日
英サービス部門PMI(12月)                  ☆☆
ユーロ圏生産者物価指数(PPI、11月)             ☆☆
米ADP雇用統計(12月)                   ☆☆☆
米ISM非製造業景況指数(12月)               ☆☆☆

6日
独製造業新規受注(11月)                   ☆☆
ユーロ圏消費者信頼感確定値(12月)              ☆☆
ユーロ圏小売売上高(11月)                  ☆☆
米雇用統計(12月)                     ☆☆☆
米製造業新規受注(11月)                   ☆☆

*重要度を3段階で表示

2017年1月4日

(みんかぶ/NYのもののふ)

株式会社みんかぶ NYのもののふ(ペンネーム)

担当
商品先物・金融市場
経歴
1994年から商品先物業界で市況作成・アナリスト業務に従事。主に工業品銘柄を担当し、1999年からは投資情報会社のニューヨーク駐在員としてニューヨーク在住。主に市況作成に従事。現在は、原油中心で為替、貴金属、穀物に関する情報も配信。
読み手に容易に理解していただけるような情報配信を目指している。

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