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外為マーケットコラム

イエレンFRB議長の議会証言に注目

 ドル・円相場は7日に一時、1ドル=111.60円と昨年11月28日以来の水準へ下落。主要6通貨に対するドル指数は1週間ぶりの高値を付けるも、トランプ米大統領の掲げる成長押し上げのための政策期待の後退、ドル高是正を求める発言、足元のインフレ圧力が警戒されるまでには至らず、米当局が見込むような利上げペースが加速するような状況にはまだないこと、欧州の政治の不透明さなどを背景にしたリスク回避の動きに押されることとなった。
 しかし、9日にはトランプ米大統領が数週間内に「驚くべき税制改革」を表明すると述べたことから切り返し、10日には一時、113.86円まで上昇。トランプ大統領は28日に議会の上下両院合同本会議で経済などの基本政策を示す議会演説を控えており、連邦法人税の税率を現行の35%から15%に引き下げる案を選挙公約の一つとしていたが、どの程度の減税策を打ち出してくるのかが注目され、数字次第では期待感からのドル買い、失望感からのドル売りの両局面が想定されるところで、発表までは市場の思惑が交錯しそうだ。
 米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は14、15日に半期に一度の議会証言を行う。1月31日と2月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げに言及されなかったものの、引き続き年内3度の利上げを見込むスタンスに変わりがないのかどうかなどを見極める必要がある。ドル・円は、米政策期待や日米金利差拡大見通しなどに下支えられる一方、欧米の政治の不透明さがリスクとなる状況が続きそうで、一方向へと進んでいくような状況にはなく、目先は110〜115円のレンジ内での推移となるのではないか。
 10日にホワイトハウスで行われた日米首脳会談は、特にドル・円相場に影響を与えるようなものは出てこず、個別の経済問題などはフロリダへと場所が移される翌日へと持ち越された。余談だが、今回の日米首脳会談の米国側の関心は高く、米東部時間午後1時すぎから始まった共同記者会見はCNNや経済専門局CNBCなどといった専門局以外のCBSやNBCなどといった主要テレビ局でも生放送された。

【昨年の米貿易赤字は2012年以降で最大】
 米商務省が7日に発表した昨年12月の貿易収支は443億ドルの赤字と3カ月ぶりに縮小。モノが657億ドルの赤字と前月から12億ドル縮小し、サービスが214億ドルの黒字と3億ドル拡大した。一方、2016年通年の貿易赤字は5,023億ドルと前年比19億ドル(0.4%)増加し、2012年以降で最大となった。モノの貿易赤字は資源安の影響から7,343億ドルと前年比1.5%減少し、国別では中国が全体のほぼ半分(47%)を占め、日本(9.4%)、ドイツ(8.8%)と続く。トランプ米大統領は衰退が続いている製造業の国内回帰を掲げるなど保護主義色を強めており、貿易赤字の是正を求める動きへの警戒感は強い。また、日本から米国への自動車関連の貿易赤字は500億ドル規模もあり、トランプ米大統領が選挙中から日本の自動車関連への批判を強めている姿勢を崩していないことを考えれば、今後本格化する通商協議で日本側の譲歩が求められる可能性は十分にありそうだ。

【昨年の日本の経常黒字は9年ぶりの高水準】
 財務省が発表した昨年12月の国際収支状況(速報)によると、貿易収支は8,068億円の黒字。前月は3,134億円の黒字だった。輸出が増加し、輸入が減少したため、貿易黒字は前年同月比6,125億円拡大した。輸出は6兆6,692億円と前年比6.6%増加し、16カ月ぶりに増加に転じた。輸入は5兆8,624億円と同3.3%下回り、24カ月連続して減少。
 昨年12月の経常収支は1兆1,122億円の黒字となり、30カ月連続して黒字。前月は1兆4,155億円の黒字だった。経常黒字は前年同月比1,721億円拡大した。第一次所得収支は6,759億円の黒字と黒字幅は前年比で半減し、第二次所得収支は赤字幅が拡大したが、貿易・サービス収支が5,202億円の黒字と前年同月を5,242億円も上回ったことが寄与した。
 なお、2016年通年は20兆6,496億円の経常黒字。前年比4兆2,370億円拡大し、2007年以来の高水準となった。

【ユーロの下振れリスク高まる】
 欧州の政治的な先行き不透明さへの懸念から、ユーロは8日に一時、1ユーロ=1.0640ドルと1週間ぶりの水準へ下落。3月15日に行われるオランダ総選挙を皮切りに、4〜5月に仏大統領選挙、秋に独総選挙を、イタリアでも早ければ6月にも総選挙が行われる可能性があり、ギリシャも年内に選挙が予定されている。昨年の英国民投票での欧州連合(EU)離脱選択、米大統領選でのトランプ氏の勝利のようなポピュリズムの台頭・躍進がユーロ圏の経済大国の仏・独でも起これば、ユーロのシステム崩壊につながる最悪のシナリオが現実となるかもしれないとの警戒感が広がっている。
 市場の関心が集まっている仏大統領選挙は、第1回投票を4月23日に控え、極右政党「国民戦線(FN)」のマリーヌ・ルペン党首が勢いを増している。本命とみなされていたフランソワ・フィヨン元首相が家族への公金不正受給疑惑の渦中にあり、最有力候補のエマニュエル・マクロン前経済相は同性愛者との不倫疑惑が浮上し、混乱に陥っている。JPモルガンは6日付け顧客向けメモで、ルペン党首が勝利した場合、ユーロ・ドル相場はパリティ(等価)を割り込んで1ユーロ=0.98ドル程度まで下落し、仏独10年債利回り格差は200ベーシスポイント(2.00%)に拡大するとの見方を示した。
 一方、ユーロが売られているもう一つの要因がギリシャの債務問題の再燃だ。ギリシャ政府は7月に約60億ユーロの国債の償還期限が迫るなか、債権団代表のEUと国際通貨基金(IMF)の話し合いが行き詰まっており、ギリシャ国債が売られ(利回りは上昇)ている。IMFは7日発表したギリシャの経済政策に関する年次審査報告書で、年金は負担しきれないほど高く、年金予算を削減し、成長に向けた取り組みを行うべきと指摘。それに対し、ユーロ圏財務相会合のデイセルブルム議長は、足元の状況は改善しているとし、ギリシャ救済には否定的な姿勢を示した。3月以降は各国が選挙モードに突入するため、20日のユーロ圏財務相会合までにこの問題が解決しないようだと、ギリシャが債務不履行(デフォルト)に陥る確率が一段と高まる。ギリシャとの債権団の交渉はいつか来た道の様相を呈しており、最終的にはデフォルト回避に向けた合意に至るのだろうが、ユーロ圏が以前ほど一枚岩になっておらず、ユーロの信認への影響が懸念されるところだ。


【NYセントラルパークは都会のオアシス。】

【主要経済指標・イベントレビュー】
6日
独製造業新規受注(昨年12月)
:前月比+5.2%

7日
独鉱工業生産(昨年12月)
:前月比-3.0%
米貿易収支(昨年12月)
:443億ドルの赤字

8日
日本貿易収支(昨年12月)
:8,068億円の黒字
日本経常収支(昨年12月)
:1兆1,122億円の黒字

9日
独貿易収支(昨年12月)
:187億ユーロの黒字
米週間新規失業保険申請件数
:23万4,000件

10日
中国貿易収支(1月)
:513.5億ドル(3545.0億元)の黒字
米輸入物価指数(1月)
:前月比+0.4%
米ミシガン大消費者信頼感指数速報値(2月)
:95.7

【2月13日からの週の注目ポイント】
13日
昨年10-12月期・日本国内総生産(GDP)速報値         ☆☆☆

14日
中国消費者物価指数(CPI)・生産者物価指数(PPI、1月)    ☆☆
昨年10-12月期・独GDP速報値                 ☆☆☆
独消費者物価指数(CPI)改定値(1月)             ☆☆
独ZEW景況感指数(2月)                    ☆☆
英CPI、PPI(1月)                      ☆☆
昨年10-12月期・ユーロ域内GDP改定値             ☆☆☆
米PPI(1月)                         ☆☆
イエレンFRB議長、上院銀行委員会で議会証言          ☆☆☆

15日
英雇用統計(1月)                      ☆☆
米CPI(1月)                        ☆☆☆
米小売売上高(1月)                    ☆☆☆
米鉱工業生産(1月)                     ☆☆
イエレンFRB議長、下院金融サービス委員会で議会証言      ☆☆☆

16日
ECB理事会議事録公表                     ☆☆☆
米週間新規失業保険申請件数                  ☆☆
米住宅着工件数(1月)                    ☆☆

17日
米景気先行指数(1月)                    ☆☆

*重要度を3段階で表示



2017年2月13日

(みんかぶ/NYのもののふ)

株式会社みんかぶ NYのもののふ(ペンネーム)

担当
商品先物・金融市場
経歴
1994年から商品先物業界で市況作成・アナリスト業務に従事。主に工業品銘柄を担当し、1999年からは投資情報会社のニューヨーク駐在員としてニューヨーク在住。主に市況作成に従事。現在は、原油中心で為替、貴金属、穀物に関する情報も配信。
読み手に容易に理解していただけるような情報配信を目指している。

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