FX・為替比較はALL外為比較

  • FX会社を探す
  • FXの基礎知識
  • Q&A
  • 外国為替マーケット予想

ALL外為比較 > 外為マーケットコラム > ドル・円は110〜115円で綱引き状態続く

外為マーケットコラム

ドル・円は110〜115円で綱引き状態続く

 ドル・円相場は15日に一時、1ドル=115円目前と半月ぶりの高値を付け、主要6通貨に対するドル指数も1カ月ぶりの水準へ上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が14日、半期に一度の議会証言で、早期利上げの可能性を示唆したと市場でけ止められたことが背景となり、想定されたよりもタカ派的だったとの声が多く聞かれた。ただし、足元の米経済指標は力強いものが目立つものの、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げムードが強まるまでには至らず、16日にドル指数は1週間ぶりの水準へと下落した。
 利上げ期待が常にドルの下支えとなる構図に変わりはないが、ここ数日の市場の反応を見る限りでは、一段と押し上げていくほどの勢いはなさそうだ。ドル・円も17日には112円台半ば近辺と1週間ぶりの安値圏へ押し戻され、115〜120円台のレンジへと上昇していくような段階ではない。13日夜には対ロシア制裁をめぐる疑惑からマイケル・フリン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が辞任し、トランプ大統領とホワイトハウスの関係もぎくしゃくしているようで、人事につまずいているトランプ政権の先行き不透明さが増しており、市場が期待する経済政策にも影響が出てくるのではと懸念されている。欧州では来月15日のオランダを皮切りに選挙モードに突入し、政治リスクに敏感な海外勢の動きが警戒されるところでもあり、先行きリスク回避の円買いの動きが進む可能性も考えられる。決め手となる材料を欠くだけに、しばらくはレンジ内で方向性の定まらない展開が続こう。

【米当局は利上げモード強める】
 イエレンFRB議長は14日の上院銀行委員会で、緩和解除を長く待ち過ぎるのは賢明ではないとし、雇用とインフレが当局の予想に一致し改善し続けることとなれば、短期金利の指標となるフェデラルファンド金利のさらなる調整が適切となる公算が大きいとの認識を示した。利上げ時期を待ちすぎれば、急速な利上げペースが求められ、金融市場の混乱や経済のリセッション(景気後退)を引き起こすリスクが生じる恐れがあると指摘した。
 リッチモンド連銀のラッカー総裁は同日、次の利上げは早めに実行するべきで、金利上昇は正当化されると述べた。イエレン議長同様に適切な利上げが遅れることによるリスクを警戒し、今年の経済成長は2%を見込み、財政投入による刺激は金利上昇を意味するとし、3月利上げの論拠は弱くはなく、3回超の利上げが必要となる可能性を示唆した。タカ派として知られる同総裁は今年のFOMCでの投票権はなく、10月には総裁を退任する。
 また、15日にはその他の金融当局者から利上げを支持する発言が続いた。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、米経済がこのまま順調に推移すれば、年3回の利上げは適切との考えをあらためて表明。ボストン連銀のローゼングレン総裁は今年の経済成長は利上げ加速を要する可能性を示唆し、労働市場に残るスラックは非常に限定的との見方を示し、セントルイス連銀のブラード総裁は経済指標を考慮すると年内に利上げできると述べた。
 ただし、イエレン議長は、次回の利上げ時期に言及していない。同日講演したアトランタ連銀のロックハート総裁(今月末に退任)は、今年の利上げ予想は2回と3回の間で思案中だとし、3月利上げに関しては説得力ある根拠が見当らないと否定的な見解を示した。
 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループのフェドウォッチによると、市場が織り込む次回の利上げは6月が大勢となっている。一部メディアによると、JPモルガンは15日、強い経済指標を受け、次回利上げ予想時期を6月から5月に前倒しし、年内は5月と9月の年2回を予想しているとのこと。また、ゴールドマン・サックス・グループは同日、6月までに1回以上の利上げの確率を85%から90%に引き上げた。

【米インフレの上振れリスク一段と】
 最新の米インフレ指標は上振れリスクが一段と強まったことを示した。1月の生産者物価指数(PPI)は前月比0.6%上昇と、2012年9月以来の高い伸びとなった。前年同月比は1.6%上昇と前月から横ばいで、引き続き2014年9月以降で最大の伸び。最終需要材は前月比1.0%上昇と2015年5月以来の大幅な伸びとなり、エネルギー価格の上昇が寄与。食品とエネルギーを除くコアPPIは前月比0.4%上昇と前月の0.1%上昇から加速した。
 1月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.6%上昇と2013年2月以来、前年同月比は2.5%上昇と2012年3月以降で最大の伸び。最も寄与したのはエネルギー(前年比10.8%上昇)で、その内訳はエネルギー商品が20.0%上昇、ガソリンが20.3%上昇、燃料石油が24.8%上昇。食品・エネルギーを除くコアCPIは前月比0.3%上昇と過去5カ月で最大の伸びとなり、前年同月比は2.2%上昇と前月の2.1%上昇を上回った。
 一方、1月の小売売上高は前月比0.4%増加。前月の1.0%増から鈍化するも、市場予想(0.1%増)を大きく上回った。前年同月比は5.6%増。項目別では、ガソリンスタンドが前年同月比14.2%増と最も高く、オンライン取引が12.0%増、自動車・部品が6.8%増と続いた。また、自動車を除く小売売上高は前月比0.8%増と前月の0.4%増を上回った。インフレ圧力の強まりや好調な消費が続いていることも利上げを正当化している。

【2016年の日本のGDPは5年連続のプラス成長】
 内閣府から13日に発表された昨年10-12月期・実質国内総生産(GDP)1次速報値は前期比0.2%増と昨年7−9月期(0.3%増)を下回り、前年同期比も1.0%増と1.4%増から成長ペースが鈍化した。GDPの内外需別の寄与度は、国内需要(内需)は前期比横ばいとなる一方、財貨・サービスの純輸出(外需)は0.2%増と2四半期連続してプラス。GDPの約6割を占める個人消費支出は前期比横ばいと、前四半期の0.3%増から減速した。飲食サービス等が増加に寄与するも、野菜、衣服等が減少に寄与した。民間住宅投資は0.2%増と4四半期連続のプラス。ただし、新設住宅着工戸数・工事費予定額が7−9月期以降減少し、進捗ベースでの増加幅は縮小しているとのこと。設備投資は0.9%増と2四半期ぶりのプラスとなるも、公共投資は1.8%減と2四半期連続のマイナス。
 2016年通年は前年比1.0%増と5年連続のプラスとなった。一部メディアによると、個人消費の持ち直しや輸出の堅調さなどを背景に、2017年1−3月期もプラス成長が見込まれ、2016年度の実質成長率は前年度比1.2%、2017年度は1.3%成長する見通しとのこと。


【NYセントラルパークの南西側入口にあるコロンバスサークル】

【主要経済指標・イベントレビュー】
13日
昨年10-12月期・日本GDP速報値
:前期比+0.2%

14日
昨年10-12月期・独GDP速報値
:前期比+0.4%
独CPI改定値(1月)
:前月比-0.6%、前年比+1.9%
独ZEW景況感指数(2月)
:10.4
英CPI(1月)
:前月比-0.5%、コアPPI(1月)は前年比+2.4%
昨年10-12月期・ユーロ域内GDP改定値
:前期比+0.4%
米PPI(1月)
:前月比+0.6%、コアは前月比+0.4%
イエレンFRB議長
:利上げを待ち過ぎるのは賢明でない

15日
米CPI(1月)
:前月比+0.6%、コアは前月比+0.3%
米小売売上高(1月)
:前月比+0.4%、自動車除くは前月比+0.8%
ニューヨーク連銀製造業景気指数(2月)
:18.7
米鉱工業生産(1月)
:前月比-0.3%

16日
欧州中央銀行(ECB)理事会議事録
:安定的な政策運営を維持する必要、緩和縮小には消極的
米住宅着工件数(1月)
:前月比-2.6%の124万6,000戸
フィラデルフィア地区連銀製造業景気指数(2月)
:43.3

【2月20日からの週の注目ポイント】
20日
日本貿易統計(1月)                       ☆☆
ユーロ圏消費者信頼感速報値(2月)                ☆☆

21日
ユーロ圏製造業購買担当者指数(PMI)速報値(2月)         ☆☆

22日
独IFO企業景況感指数(2月)                    ☆☆
昨年10-12月期・英国内総生産(GDP)改定値            ☆☆☆
ユーロ圏消費者物価指数改定値(1月)              ☆☆☆
米中古住宅販売件数(1月)                    ☆☆
FOMC議事録公表                         ☆☆☆

23日
昨年10-12月期・独国内総生産(GDP)改定値            ☆☆☆
米週間新規失業保険申請件数                    ☆☆
米住宅価格指数(昨年12月)                     

24日
米新築住宅販売件数(1月)                   ☆☆☆
米ミシガン大消費者信頼感指数確報値(2月)            ☆☆

*重要度を3段階で表示



2017年2月20日

(みんかぶ/NYのもののふ)

株式会社みんかぶ NYのもののふ(ペンネーム)

担当
商品先物・金融市場
経歴
1994年から商品先物業界で市況作成・アナリスト業務に従事。主に工業品銘柄を担当し、1999年からは投資情報会社のニューヨーク駐在員としてニューヨーク在住。主に市況作成に従事。現在は、原油中心で為替、貴金属、穀物に関する情報も配信。
読み手に容易に理解していただけるような情報配信を目指している。

コラム一覧へ戻る

当社は「ALL外為比較」に掲載される情報(以下「掲載情報」といいます。)の完全性および正確性を保証いたしません。

また掲載情報は、将来における結果を示唆するものではありません。

したがいまして、お客様において掲載情報に基づいて行動を起こされた場合でも、当社はその行動結果について何らの責任も負担いたしません。

掲載情報に基づく行動は、お客様の責任と判断によりお願いいたします。掲載情報は、金融商品の売買等の勧誘を意図したり、推奨するものではありません。

お客様において掲載情報に含まれる金融商品の売買等の申込等をご希望される場合には、その掲載情報に記載の金融機関までお客様ご自身でお問い合わせください。

当社はお問い合わせに関し対応いたしかねます。

掲載情報のうち「外為マーケットコラム」等に関しましては、著作権法等の法律により保護されており、

個人の方の私的使用目的以外での使用や権利者に無断での他人への譲渡、販売コピーは認められていません。