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外為マーケットコラム

3月前半のイベントを見極めへ

 ドル・円相場は24日に1ドル=112円前後と2週間ぶりの安値を付けるなど、先週は113円を挟んで軟調な展開となった。先行きの日米金利差拡大見通しなどを背景にしたドル買い・円売りの動きは限定され、トランプ政権の成長押し上げのための政策への期待の後退や、ポピュリズムの躍進が警戒される欧州の政治の不透明さなどから、リスク回避の動きが円を下支える格好となっている。また、良好な米経済指標や複数の米金融当局者からの早期利上げの可能性を示唆する発言なども、市場はまだ利上げを強く意識するまでには至っていないこともドルを圧迫。23日にはムニューシン米財務長官が、米経済専門局CNBCテレビとのインタビューで、8月の議会の休会までに税制改革案を通過させたいと意欲を示す一方で、米経済は2018年末までに3%成長を達成しそうもないだろうと述べ、金利は長期間歴史的な低水準にとどまるとの見通しを示したことなどもドルの重しとなった。
 28日にはトランプ米大統領が上下院両院合同本会議で演説する予定で、政権運営の方針内容が注目される。大統領はまだ、市場が最も気にかけているインフラ整備や減税などの具体的な中身を何一つ説明していない。また、その後、ホワイトハウスは2018会計年度予算教書を3月13日までに議会に提出する見込みとなっている。3月11日には2月の米雇用統計の発表を、14-15日には米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、しばらくはイベントを見極めながらの展開が予想され、ドル・円は引き続き110〜115円のレンジ内で方向感の欠ける動きとなりそうだ。

【利上げ時期はまだ先か】
 米連邦準備制度理事会(FRB)が22日に公表した1月31日‐2月1日開催のFOMC議事録によると、「労働市場は引き続き強く、経済活動も引き続き緩やかなペースで拡大している。家計支出も緩やかな増加が続く一方、企業の設備投資は弱いまま。インフレは最近の四半期で強まったが、当局の2%目標を下回っている。金融政策のスタンスは引き続き緩やかで、経済活動はある程度拡大する見通し」とのこと。FOMCは、雇用やインフレ指標が予想通りとなれば、比較的近い時期の利上げが適切になる可能性を示唆した。
 1月のISM製造業景況感指数は2年2カ月ぶりの高水準にあり、1月の非農業部門雇用者数は昨年9月以来の高水準と労働市場のひっ迫は続き、1月の消費者物価指数(CPI)は2013年2月以来の最大の伸びとなり、個人消費も好調が続いており、足元の米経済指標は力強いものが目につく。22日にはフィラデルフィア連銀のハーカー総裁が今年3回の利上げが妥当と再表明し、クリーブランド連銀のメスター総裁は今後インフレ率が加速し、利上げを過度に待ちたくないとの見解を示した。23日にはアトランタ連銀のロックハート総裁が、今年は2、3回の利上げが行われる公算が大きいとし、FOMC議事録でも言及されていた「かなり早期」は恐らく次回からの3会合を意味すると述べ、ダラス連銀のカプラン総裁も利上げは遅いより早いほうが良いとの見解を示した。複数の米金融当局者からのタカ派的なコメントが続いていることなどもあり、早期利上げが視野に入ってきている。
 ただし、FOMC議事録公表後に市場に広がったのは、少なくとも3月の利上げはないとの見方だ。FOMC参加者の多くがかなり早期の利上げが適切になる可能性を指摘する一方で、大半が大幅なインフレリスクはかなり低いとの見方を示したため。CMEグループのフェドウォッチによると、24日時点のフェデラルファンド(FF)金利の3月利上げの確率は22.1%。5月も据え置き予想が上回っており、市場の大半は6月の利上げを見込んでいる。

【1月の貿易収支は5カ月ぶりの赤字】
 財務省から20日に発表された1月の貿易統計(速報)によると、貿易収支は前年同月比67.8%増の1兆869億円の赤字となった。赤字は5カ月ぶり。日本の正月休み、中国の春節スタートが1月末と前年よりも10日早まったこと、円安や原油価格の上昇などが影響。
 輸出は1.3%増の5兆4,219億円で2カ月連続して増加。品目別では、増加で目立ったのが鉱物性燃料(52.3%)、自動車の部分品(12.5%)、鉄鋼(8.1%)などで、減少品では自動車(6.7%)。輸入は8.5%増の6兆5,088億円と25カ月ぶりに増加した。増加品では、原粗油(35.6%)、石炭(52.2%)、衣類・同付属品(11.8%)などで、減少品では医薬品(16.3%)などが目立った。
 地域別では、対米は3,993億円の黒字も前年比26.6%減少し、2カ月連続してマイナス。輸出品では自動車(10.1%)や半導体等電子部品(19.4%)などが減少し、輸入品では液化天然ガスや穀物類などが大幅に増加した。対EUは7.2%増の948億円の赤字と4カ月連続して赤字となり、対アジアは13.2%増の4,701億円の赤字と12カ月ぶりに赤字に転じ、対中国は11.6%増の9,093億円の赤字と59カ月連続して赤字となった。
 対米輸出は前年比6.6%下回り、減少率は2011年5月以来の大幅なもの。トランプ米大統領の自動車業界への恫喝の影響が出たのかどうかは分からないが、政府関係者はひとまずほっとしているところだろう。

【2月のユーロ圏総合PMI速報値は2011年4月以来の高水準】
 マークイットが21日に発表した2月のユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)速報値は56.0と前月の54.4を上回り、2011年4月以来の高水準となった。部門別では、サービス部門が2011年5月以来、製造業と製造業生産も2011年4月以来で最高となった。
 マークイットによると、「2月に域内成長が加速したのは、需要拡大や、回復がより広範囲で確認されているためで、3月もこのペースが続くようだと、第1四半期の域内総生産(GDP)は前期比0.6%増となる見通し」とのこと。雇用は9年ぶり、ユーロ安を背景に新規輸出受注は約6年ぶりの高水準となり、フランスのPMI(56.2)がドイツ(56.1)を上回ったのは2012年8月以来。フランスとドイツの第1四半期・GDPは0.6〜0.7%増となる見通しで、特にフランスの回復は域内の幅広い成長拡大を示していると説明。また、ドイツの今年のGDPは1.9%増と、2011年以来の高い伸びが見込まれるとのこと。


【NYルーズベルト島とマンハッタンを結ぶロープウェイ。ビジネスマンの通勤の足。】

【主要経済指標・イベントレビュー】
20日
日本貿易統計(1月)
:1兆869億円の赤字

21日
ユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)速報値(2月)
:56.0

22日
独IFO企業景況感指数(2月)
:111.0
昨年10-12月期・英国内総生産(GDP)改定値
:前期比+0.7%
ユーロ圏消費者物価指数改定値(1月)
:前年比+1.8%
米中古住宅販売件数(1月)
:前月比+3.3%の569万件
FOMC議事録
:景気が見込み通りなら利上げはかなり早期に

23日
昨年10-12月期・独GDP改定値
:前期比+0.4%
米週間新規失業保険申請件数
:24万4,000件

24日
米新築住宅販売件数(1月)
:前月比+3.7%の55万5,000件
米ミシガン大消費者信頼感指数確報値(2月)
:96.3

【2月27日からの週の注目ポイント】
27日
ユーロ圏消費者信頼感確定値(2月)              ☆☆
米耐久財受注(1月)                     ☆☆
米中古住宅販売仮契約指数(1月)               ☆☆

28日
日本鉱工業生産速報値(1月)                 ☆☆
ユーロ圏消費者物価速報値(2月)              ☆☆☆
昨年10-12月期・米GDP改定値                 ☆☆☆
ケース・シラー米住宅価格指数(昨年12月)           ☆☆
米消費者信頼感指数(2月)                  ☆☆

1日
ユーロ圏製造業PMI改定値(2月)                ☆☆
独消費者物価指数(CPI、2月)                 ☆☆
米個人所得・消費支出(1月)                 ☆☆
米ISM製造業景況指数(2月)                 ☆☆☆
米地区連銀経済報告(ベージュブック)             ☆☆

2日
ユーロ圏生産者物価指数(PPI、1月)              ☆☆
ユーロ圏失業率(1月)                    ☆☆
米週間新規失業保険申請件数                  ☆☆

3日
日本全国CPI(1月)、東京都区部コアCPI(2月)       ☆☆☆
ユーロ圏サービス部門PMI改定値(2月)             ☆☆
ユーロ圏小売売上高(1月)                  ☆☆
米ISM非製造業景況指数(2月)                ☆☆☆

*重要度を3段階で表示



2017年2月27日

(みんかぶ/NYのもののふ)

株式会社みんかぶ NYのもののふ(ペンネーム)

担当
商品先物・金融市場
経歴
1994年から商品先物業界で市況作成・アナリスト業務に従事。主に工業品銘柄を担当し、1999年からは投資情報会社のニューヨーク駐在員としてニューヨーク在住。主に市況作成に従事。現在は、原油中心で為替、貴金属、穀物に関する情報も配信。
読み手に容易に理解していただけるような情報配信を目指している。

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