FX・為替比較はALL外為比較

  • FX会社を探す
  • FXの基礎知識
  • Q&A
  • 外国為替マーケット予想

ALL外為比較 > 外為マーケットコラム > 米雇用統計に注目

外為マーケットコラム

米雇用統計に注目

 ドル・円相場は2月27日に1ドル=111.69円と3週間ぶりの水準へ下落するもその後は一変し、3日には114.75円と2週間ぶりの水準へ上昇した。米邦公開市場委員会(FOMC)を14-15日に控えるなか、利上げに対する見方が180度転換したことが背景。前回のFOMCで大半のメンバーが大幅なインフレリスクはかなり低いとみていることが示されたことから6月利上げが妥当との見方が市場を支配していたものの、複数の有力な米金融当局者が3月利上げの可能性を示唆したため市場の見方も急変し、米債利回りが上昇するなか、主要6通貨に対するドル指数は1月11日以来の水準へと切り上がっている。また、市場が最も気にしている経済対策への具体的な言及は今回も見送られたが、トランプ米大統領が28日の議会演説でいつもとは異なる大統領らしい振る舞いを見せたことも市場の好感を買うこととなり、世界的な株高進行もドル押し上げ要因となっている。
 目先は、10日発表の2月の米雇用統計が、次週のFOMCでの利上げを決定づけるかどうかがポイントだろう。予想外に失望させられる内容とならなければ利上げは確実となり、金利差拡大がドル・円を下支えることとなろう。ただし、市場がすでに3月利上げを織り込みつつあるなか、その後の利上げペースが速まるかどうかなど連邦準備制度理事会(FRB)の姿勢を見極める必要がある。また、トランプ政権の経済政策への期待感からの株高に行きすぎ感が広がればドルの上昇を押さえるかもしれない。ドル・円は目先、115〜120円のレンジへ切り上がるよりも、115円を挟んでの推移となるのではないか。

【市場は3月利上げを織り込む】
 先週も複数の米金融当局者からの早期利上げに前向きなコメントが続いた。ダラス連銀のカプラン総裁は2月27日、すぐにでも追加利上げを実施すべきとの考えを示した。金利水準は非常に緩和的で、引き上げの必要性は疑いようがないと指摘。28日にはニューヨーク連銀のダドリー総裁が、利上げの主張は過去数カ月でより説得力あるものになっているとし、見通しへのリスクは上振れ方向に傾き始めているとの見解を示した。またサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁はFRBは2つの目標達成に非常に近いとし、3月利上げを真剣に検討する可能性があると語った。2日にはパウエルFRB理事が3月利上げは協議の対象と述べ、ブレイナードFRB理事も利上げはすぐに適切になりそうだと指摘。3日にはイエレン議長が、経済が予想通りならば3月利上げは適切、状況は年3回の利上げを支持しているとする一方、緩やかなペースでの緩和解除がなお適切との認識を示した。CMEグループのフェドウォッチによると、3日時点でフェデラルファンド(FF)金利が3月に0.75-1.00%に引き上げられる確率は80%近くと1週間前の22.1%から急上昇している。

【2月の米製造業活動は一段と拡大】
 依然として米経済の力強さが示される経済指標の発表が目につき、利上げの正当性が裏付けられる環境にある。米供給管理協会(ISM)発表の2月の製造業景況指数は6カ月連続して前月を上抜き、2014年8月以来の高水準となり、新規受注は3年ぶり、生産もほぼ6年ぶりの高水準となった。仕入価格指数は1年ぶりに低下も引き続き2011年以降で2番目に高い。また、2月の非製造業景況感指数は2015年10月以来の高水準となり、景況指数は6年ぶり、新規受注指数も1年6カ月ぶりの高いものとなった。2月のシカゴ購買部協会景気指数は2年ぶり、2月の消費者信頼感指数も2001年7月以来の高水準となった。
 1月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.2%増と、3カ月ぶりの大幅な伸びとなった前月(0.5%増)から鈍化したが、FRBが政策判断の上で重視する食品・エネルギーを除くPCEコア価格指数は前月比0.3%上昇と前月の0.1%上昇から加速し、前年同月比は1.7%上昇と2.0%の目標に近い水準で推移。2月25日までの週の新規失業保険申請件数は22万3,000件と1973万3月31日までの週以来の低水準となり、より変動の少ない4週移動平均も23万4,250件と1973年4月14日までの週以来の低水準となった。
 FRBは1日発表した地区連銀経済報告で、「1月初めから2月半ばまでの経済は緩慢ないし緩やかなペースで拡大し、消費者支出も前回の報告以降、緩やかに増加。労働市場は引き続きひっ迫し、労働不足が拡大した地区があった。物価上昇圧力は前回から横ばいも、企業は今後数カ月、仕入価格と販売価格の緩やかな上昇を見込んでいる」と説明している。

【ECBは金融緩和政策を継続へ】
 欧州中央銀行(ECB)は9日の定例理事会で、最新の経済成長とインフレについての見通しを発表する。最新の経済指標は、ユーロ圏の成長拡大が続き、インフレ圧力が強まっていることが示され、ECBの金融政策を見直す機運が高まる可能性はありそうだ。
 IHSマークイット発表の2月のユーロ圏製造業購買担当者指数(PMI)改定値は55.4と5年10カ月ぶりの高水準で、ギリシャを除く7カ国で製造業生産、新規受注と雇用が拡大。製造業生産と新規受注はともに2011年4月以来の高い伸びとなり、域内需要は引き続きしっかりするなか、ユーロ安により輸出は約6年ぶりの高い水準となる一方で、仕入れ価格は2011年5月以来の高い伸びとなり、インフレ圧力が一段と強まった。
 欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)から発表された2月のユーロ圏消費者物価指数速報値は前年同月比2.0%上昇と前月の1.8%上昇から加速し、2013年1月以来の高い伸びとなった。内訳では、エネルギーが9.2%上昇と前月(8.1%上昇)から一段と加速し、食品・アルコール・たばこも大きく上昇(2.5%)するも、エネルギーと食品・アルコール・タバコを除くコア消費者物価指数は3カ月続けて0.9%上昇にとどまった。原油先物価格は年明け以降、上昇しきれず、先行きのエネルギー価格の伸びに影響が出てくる可能性があり、コア消費者物価指数の伸びの鈍さが金融政策変更のネックとなろう。また、15日のオランダの下院選挙を皮切りに、4月と5月に仏大統領選挙を、秋には独総選挙を控えていることや、英国のブレグジット協議などもあり、引き続き選挙や政治を巡る不透明さも金融緩和策から脱しきれない一因となり続けよう。


【NYチェルシーマーケットは人気のアートスポット】

【主要経済指標・イベントレビュー】
27日
米耐久財受注(1月)
:前月比+1.8%、輸送用機器除くは前月比-0.2%
米中古住宅販売仮契約指数(1月)
:前月比-2.8%

28日
日本鉱工業生産速報値(1月)
:前月比-0.8%
昨年10-12月期・米国内総生産(GDP)改定値
:前期比+1.9%
シカゴ購買部協会景気指数(2月)
:57.4
米消費者信頼感指数(2月)
:114.8

1日
独雇用統計(2月)
:失業率は5.9%、失業者数は1万4,000人減
独消費者物価指数速報値(2月)
:前年比+2.2%
ユーロ圏製造業購買担当者指数(PMI)改定値(2月)
:55.4
米個人所得・支出(1月)
:所得は前月比+0.4%、支出は+0.2%
米ISM製造業景況指数(2月)
:57.7

2日
ユーロ圏消費者物価指数速報値(2月)
:前年比+2.0%
ユーロ圏生産者物価指数(1月)
:前月比+0.7%、前年比+3.5%
ユーロ圏失業率(1月)
:9.6%
米週間新規失業保険申請件数
:22万3,000件

3日
日本全国消費者物価指数(CPI、1月)
:前年比+0.4%、コアは+0.1%
ユーロ圏サービス部門PMI改定値(2月)
:55.5
米ISM非製造業景況指数(2月)
:57.6

【3月6日からの週の注目ポイント】
6日
米製造業新規受注(1月)                   ☆☆

7日
独製造業新規受注(1月)                   ☆☆
昨年10-12月期・ユーロ域内GDP改定値             ☆☆☆
米貿易収支(1月)                      ☆☆

8日
昨年10-12月期・日本GDP改定値                ☆☆☆
日本国際収支・貿易収支(1月)               ☆☆☆
中国貿易収支(2月)                     ☆☆
独鉱工業生産(1月)                     ☆☆
米ADP雇用統計(2月)                   ☆☆☆

9日
中国消費者・生産者物価指数(2月)              ☆☆
ECB理事会                         ☆☆☆
米週間新規失業保険申請件数                   

10日
米雇用統計(2月)                     ☆☆☆

*重要度を3段階で表示



2017年3月6日

(みんかぶ/NYのもののふ)

株式会社みんかぶ NYのもののふ(ペンネーム)

担当
商品先物・金融市場
経歴
1994年から商品先物業界で市況作成・アナリスト業務に従事。主に工業品銘柄を担当し、1999年からは投資情報会社のニューヨーク駐在員としてニューヨーク在住。主に市況作成に従事。現在は、原油中心で為替、貴金属、穀物に関する情報も配信。
読み手に容易に理解していただけるような情報配信を目指している。

コラム一覧へ戻る

当社は「ALL外為比較」に掲載される情報(以下「掲載情報」といいます。)の完全性および正確性を保証いたしません。

また掲載情報は、将来における結果を示唆するものではありません。

したがいまして、お客様において掲載情報に基づいて行動を起こされた場合でも、当社はその行動結果について何らの責任も負担いたしません。

掲載情報に基づく行動は、お客様の責任と判断によりお願いいたします。掲載情報は、金融商品の売買等の勧誘を意図したり、推奨するものではありません。

お客様において掲載情報に含まれる金融商品の売買等の申込等をご希望される場合には、その掲載情報に記載の金融機関までお客様ご自身でお問い合わせください。

当社はお問い合わせに関し対応いたしかねます。

掲載情報のうち「外為マーケットコラム」等に関しましては、著作権法等の法律により保護されており、

個人の方の私的使用目的以外での使用や権利者に無断での他人への譲渡、販売コピーは認められていません。