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外為マーケットコラム

調整局面の深押しも

 ドル・円相場は週初めから下値を切り下げる動きが進み、23日には一時、1ドル=110.63円と4か月ぶりの水準へ下落。トランプ政権の掲げる巨額な財政刺激策が一向に具体化せず、議会で審議するめども立たず、政策の実現に向けたハードルが上がるなか、先行き不透明さの広がりから、リスク回避の動きに押された。20日に行われた仏大統領選の候補者討論会で、最有力候補の極右政党、国民戦線(FN)のルペン党首の支持率が3位にとどまり、ポピュリズム(大衆迎合主義)躍進への懸念がやや緩和し、対ユーロでのドルの下げが目立つなか、10年物米債利回りが一時、2.4%前後へ低下したことなどもあり、主要6通貨に対するドル指数は100を割り込み、22日には2月3日以来の安値水準まで切り下がった。
 依然として14〜15日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)がハト派的だったとの見方が広がり、先行きのドル相場に強気なスタンスを取っていた向きの失望感が強く、ドル・円の調整局面が深入りしてしまいそうな雰囲気がある。23日には米医療保険制度改革(オバマケア)代替法案の下院での採決が翌日に延期され、24日は可決に必要な票を確保できず、採決が断念された。政権運営への懸念が強まり、期待先行で上昇してきた株式相場が変調するリスクが高まるかもしれない。
 チャート上でみると、2月に2度下げ止まった水準(112円台半ば)を割り込んでおり、昨年6月安値(99.00円)から12月高値(118.67円)までの上昇幅に対する38.2%押し相当(111.16円)も下抜いたことで、目先は110円の節目割れや半値押し相当(108.84円)を試しにいくなど調整局面が深押しするリスクが警戒される。

【米金融当局者から利上げに疑問の声も】
 FOMCで短期金利の指標となるフェデラルファンド(FF)レートが0.25%引き上げられたが、予想に反して年内の利上げ回数予想は2回に据え置かれた。今後の経済指標や経済状況次第だろうが、追加利上げが意識されるまでにはしばらく時間がかかりそうだ。
 米金融当局者からは、引き続き積極的な利上げを支持する声が聞かれる。シカゴ連銀のエバンス総裁は20日、年内に最大4回の利上げもあり得るとの認識を示した。インフレが加速するとの確信をやや強めており、今年の3回の利上げは完全に視野に入るとし、財政政策は重要なインフレ押し上げ要因になり、インフレが2%を超える余地があると語った。また、利上げの影響やトランプ政権の政策に進展がみられるか、物価動向などを検討するため、追加利上げの判断には少なくとも6月の会合まで待つ公算が大きいとの見方を示した。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は同日、経済指標からみて利上げは理にかなっていたとし、年内3回の利上げからのペース加速の可能性を排除しないと指摘。また、インフレは、当局目標の2%をやや上回ると見込んでいるとのこと。サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は23日、今年は3回かそれ以上の利上げを予想しているとし、利上げについてはデータ次第で、金融政策は依然として緩和的だとの見方を示した。
 一方、FOMCで利上げに唯一反対票を投じたミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、20日の一部メディアとのインタビューで、インフレと賃金は警鐘を鳴らしてはいないとし、当局は利上げに辛抱強くなることが可能だと述べた。さらに、コアインフレ率が年内に2%に達するとすれば非常に驚きだと付け加えた。21日にもデータは利上げを支持していないと述べた。また、バランスシート正常化による株式市場への影響は懸念しておらず、株式市場は政府の政策に反応しており、米経済ではないとの見方を示し、株式市場が下落しても危機は発生しないだろうと語った。

【2016年の米経常赤字は8年ぶりの高水準】
 米商務省から21日に発表された昨年10〜12月(第4四半期)・経常収支は1,124億ドルの赤字。昨年第3四半期は1,160億ドルの赤字と、速報値の1,130億ドルの赤字から拡大となった。対国内総生産(GDP)比は2.4%と第3四半期の2.5%からわずかに低下。一方、2016年通年の経常収支は4,812億ドルの赤字と前年比3.9%上回った。3年連続して赤字が拡大し、2008年以来の高水準となった。対GDP比は2.6%と、前年と変わらず。
 ドイツで17〜18日に行われた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、ムニューシン米財務長官の強い意向が働き、昨年までの共同声明にあった「保護主義に対抗する」との文言が削除された。米政府の保護主義を推し進めていく姿勢があらためて確認されることとなり、貿易問題が為替に暗い影を落とす可能性が警戒される。

【2月の貿易黒字額は2010年3月以来の高水準】
 財務省から22日に発表された2月の貿易統計(速報)によると、貿易収支は前年同月比245.5%増の8,134億円の黒字となった。黒字は2カ月ぶりで、黒字額は2010年3月以来の高水準。対米黒字は微増だったが、旧正月休暇明けなどから中国が大幅な黒字に転じたことや、対アジアの黒字が急増したことなどが背景となった。
 輸出は11.3%増の6兆3,465億円と3カ月連続して増加。品目別では、増加で目立ったのが自動車の部分品(21.8%)、半導体等電子部品(16.8%)、科学光学機器(23.4%)などで、減少品では船舶(41.2%)。輸入は1.2%増の5兆5,331億円と2カ月連続して増加した。増加品では、原粗油(69.9%)、石炭(52.0%)、石油製品(40.5%)などで、減少品では衣類・同付属品(26.9%)、医薬品(23.0%)などが目立った。
 地域別では、対米は6,113億円の黒字と前年比1.5%上回り、3カ月ぶりの増加。輸出は前年比0.4%上回り、2か月ぶりに増加した。輸出品では自動車の部分品(22.5%)や自動車(1.1%)などが増加し、建設用・鉱山用機械(14.9%)や二輪自動車(37.5%)などが減少し、輸入品では液化石油ガス(165.7%)や液化天然ガスなどが大幅増加となり、原動機(18.7%)や航空機類(21.4%)などが減少した。対EUは411億円の黒字と5カ月ぶりに赤字から転じ、対アジアは468.2%増の9,958億円の黒字と2か月ぶりの黒字。対中国は1,118億円の黒字と5年ぶりに黒字に転じた。昨年2月は3,837億円の赤字だった。


【NYマンハッタンの新観光名所ハイライン】

【主要経済指標・イベントレビュー】
20日
独生産者物価指数(2月)
:前月比+0.2%

21日
英消費者物価指数(CPI、2月)
:前月比+0.7%、前年比+2.3%
英コア生産者物価指数(PPI、2月)
:前年比+2.4%
昨年10-12月期・米経常収支
:1,124億ドルの赤字

22日
日銀金融政策決定会合議事録公表
:国債買い入れ増減政策姿勢示さず
日本貿易統計(2月)
:8,134億円の黒字
米中古住宅販売件数(2月)
:前月比-3.7%の548万戸

23日
ユーロ圏消費者信頼感速報値(3月)
:-5.0
英小売売上高指数(2月)
:前月比+1.4%
米新築住宅販売件数(2月)
:前月比+6.1%の59万2,000件

24日
ユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)速報値(3月)
:56.7
米耐久財受注(2月)
:前月比+1.7%、輸送用機器除くは前月比+0.4%

【3月27日からの週の注目ポイント】
27日
独IFO企業景況感指数                    ☆☆

28日
ケース・シラー米住宅価格指数(1月)            ☆☆
米消費者信頼感指数(3月)                  ☆☆

29日
米住宅販売仮契約指数(2月)                 ☆☆

30日
ユーロ圏消費者信頼感確定値(3月)              ☆☆
独消費者物価指数(CPI)速報値(3月)             ☆☆
昨年10-12月期・米GDP確定値               ☆☆☆

31日
日本全国CPI(2月)                    ☆☆☆
東京都区部コアCPI(3月)                  ☆☆
日本失業率(2月)                      ☆☆
日本鉱工業生産速報値(2月)                 ☆☆
中国製造業PMI(3月)                    ☆☆
独雇用統計(3月)                      ☆☆
昨年10-12月期・英GDP確定値                ☆☆☆
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(3月)         ☆☆☆
米個人所得・消費支出(2月)                 ☆☆☆
シカゴ購買部協会景気指数(3月)               ☆☆
ミシガン大消費者信頼感指数確報値(3月)           ☆☆

*重要度を3段階で表示



2017年3月27日

(みんかぶ/NYのもののふ)

株式会社みんかぶ NYのもののふ(ペンネーム)

担当
商品先物・金融市場
経歴
1994年から商品先物業界で市況作成・アナリスト業務に従事。主に工業品銘柄を担当し、1999年からは投資情報会社のニューヨーク駐在員としてニューヨーク在住。主に市況作成に従事。現在は、原油中心で為替、貴金属、穀物に関する情報も配信。
読み手に容易に理解していただけるような情報配信を目指している。

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