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外為マーケットコラム

仏大統領選挙で流れに変化も、ドル反転材料なく下げリスク

 ドル・円相場は17日、一時、1ドル=108.13円と5カ月ぶりの水準へ下落後は一段落しているものの、戻りの限られてしまう状況に変わりはなさそうだ。メイ英首相が突然、総選挙の前倒しを要請し、6月8日に実施されることが決定し、引き続き欧州の選挙への警戒感は根強い。政権運営や政策の行き詰まりがうかがえるトランプ米大統領の予測不能な行動も一因となり、質への逃避から米債利回りが低下傾向を強めていることも一因。年内2回の利上げ見通しなどからドル上昇を見込む向きは多いものの、今の市場は利上げ動向への関心は後退している。麻生財務相は20日、ムニューシン米財務長官と会談し、為替問題に関しては「基本的に財務相同士でやるということを再確認した」と語るのみで、市場は特に反応せず。相場が反転していくだけの決め手材料が見当たらないなか、リスク回避の動きが頭を押さえそうで、状況次第で105円程度まで下げてしまう可能性をまだ捨てきれない。ただし23日に行われた仏大統領選挙で中道・独立系のエマニュエル・マクロン前経済相と極右政党・国民戦線のマリーヌ・ルペン党首が、決選投票への進出を確実にし、ユーロが対ドル、対円で上昇。ドル・円は1ドル=110円台前半に上昇し、先週までの流れからの変化も感じられる。

【米GDP次第では利上げ観測後退も】
 米連邦準備制度理事会(FRB)が19日に発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、2月半ばから3月末までの経済は12地区すべてで緩慢ないし緩やかなペースで拡大したとのこと。製造業は緩慢ないし緩やかなペースでの拡大が続き、個人消費は小型乗用車販売の強さも、自動車以外の売り上げは鈍化するなどまちまち。雇用は全米で増加し、労働市場は引き続きひっ迫しており、賃金は緩やかに上昇した。物価は前回の報告以降、緩やかに上昇し、インフレ圧力はなお抑制されているとの見方が示された。
 一方、3月の非農業部門雇用者数は急減し、3月の消費者物価指数は1年ぶりに前月比で低下するなど足元の指標は弱いものが目につき、景気回復ペースの勢いが鈍っている印象を受ける。28日に発表される1−3月(第1四半期)・国内総生産(GDP)は前期比1.3%増と昨年第4四半期(2.1%増)から鈍化する見通しとなっており、予想を下回るようであれば、FRBによる利上げ観測が大きく後退しよう。市場は6月に追加利上げを見込む向きが多いものの、その後、年内は据え置かれるとの見方も広がっている。

【米財務長官は引き続き年内の税制改革実施を見込む】
 ムニューシン米財務長官は17日、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、年内の税制改革実施をなお予想していると述べた。また、財政赤字より経済成長を重視していることを明らかにし、強いドルは長期的には良いことだと述べた。トランプ米大統領は12日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、「ドルは強くなり過ぎている」と発言したが、財務長官の強いドル高が望ましいとの姿勢に変化は見受けられない。財務長官は20日、税制改革に日夜取り組んでおり、まもなく改革案を公表するとし、年内に法案は成立するだろうとの見通しを示した。トランプ米大統領は21日、税制改革案を26日に公表すると発言したが、金融市場の反応は鈍く、中身の見極めが必要な状況に変わりはない。議会はヘルスケア法案をやり直している最中で、税制改革の審議にたどりつく道筋はまだまだ見えていないのが現状だ。

【日銀総裁は物価上昇圧力の弱さを懸念】
 日本銀行の黒田総裁は17日、第92回信託大会で演説し、日本経済は緩やかな回復基調を続いている。輸出・生産が持ち直し、設備投資は緩やかな増加基調にあり、雇用・所得環境は着実な改善を続けていると説明。ただし、生鮮食品を除く消費者物価は前年比でゼロ%程度が続き、先行きについてはエネルギー価格の上昇やマクロ的な需給バランスの改善で、中長期的に2%の目標に向けての上昇を見込むも、なお力強さに欠けており、引き続き注意深く点検していく必要があるとした。
 日銀は、26〜27日の金融政策決定会合で四半期の経済・物価情勢の展望(展望リポート)を公表する。2月の生鮮・エネルギーを除くコア消費者物価指数は前年比0.1%上昇と前月の0.2%上昇から鈍化しており、市場からは日銀がインフレ見通しを小幅下方修正するとの見方が広がっている。依然としてインフレ期待が高まるような状況にはなく、量的緩和解除に向けた日銀の動きは到底見込めそうもない。

【IMFは今年の世界成長見通しを小幅上方修正】
 国際通貨基金(IMF)は18日に発表した世界経済見通しで、今年の世界成長率予想を3.5%と、1月時点予想から0.1ポイント上方修正した。2018年は3.6%成長と前回見通しを据え置いた。国・地域別でみると、米国は今年が2.3%、来年は2.5%と前回見通しから据え置かれた。前回は、トランプ米大統領の税制改革や財政支出への期待から見通しが引き上げられていた。ユーロ圏は、量的緩和政策やユーロ安などから今年が1.7%と前回から0.1ポイント上方修正され、来年は1.6%に据え置かれた。日本は今年が1.2%と前回から0.4ポイント、来年は0.6%と0.1ポイントそれぞれ引き上げられた。輸出の急増が寄与するとのこと。中国は今年が6.6%と0.1ポイント、来年は6.2%と0.2ポイント上方修正された。ユーロ圏、日本や中国などは来年に経済成長の鈍化が見込まれており、引き続き米経済動向の見極めがポイント。トランプ米大統領の政策期待が大きく後退しているだけに、IMFの予測が後退したとしても不思議ではない。

【日本の貿易収支は6年ぶりに黒字】
 財務省発表の3月の貿易統計(速報)によると、貿易収支は前年同月比17.5%減の6,147億円の黒字となった。黒字は2カ月連続も、旧正月休暇明けなどから中国が大幅な黒字に転じたことなどから2010年3月以来の高水準となった前月(8,136億円の黒字)からは25%も縮小した。平成28年度では4兆69億円の黒字となり、黒字転換は6年ぶりのこと。
 3月の輸出は12.0%増の7兆2,291億円と4カ月連続して増加し、品目別では自動車の部分品(21.2%)や科学光学機器(25.6%)の増加が目立った。輸入は15.8%増の6兆6,144億円と3カ月連続して増加し、原粗油(45.7%)や石炭(75.8%)の増加が目についた。
 地域別では、対米は6,281億円の黒字と前年比8.1%下回り、2カ月ぶりの減少。輸出は3.5%増加も、輸入は16.3%と2カ月ぶりに増加した。対EUは684億円の黒字と35.5%減も2カ月連続して黒字となり、対アジアは57.8%増の6,431億円の黒字と2カ月連続の黒字。対中国は3,198億円の赤字と、5年ぶりの黒字となった前月(1,162億円)から転じた。


【アメリカンイーグルとともにマンハッタンを走るトラック】

【主要経済指標・イベントレビュー】
17日
1−3月期・中国国内総生産(GDP)
:前年比+6.9%
ニューヨーク連銀製造業景気指数(4月)
:5.2

18日
米住宅着工件数(3月)
:前月比-6.8%の121万5,000戸
米鉱工業生産(3月)
:前月比+0.5%

19日
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(3月)
:前年比+1.5%

20日
日本貿易統計(3月)
:6,147億円の黒字
米景気先行指数(3月)
:前月比+0.4%

21日
ユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)速報値(4月)
:56.7
米中古住宅販売件数(3月)
:前月比+4.4%の571万戸

【4月24日からの週の注目ポイント】
24日
独IFO企業景況感指数(4月)                 ☆☆

25日
ケース・シラー米住宅価格指数(2月)             ☆☆
米新築住宅販売件数(3月)                 ☆☆☆
米消費者信頼感指数(4月)                  ☆☆

27日
日銀金融政策決定会合(26-27日)、金利発表           ☆☆
ECB理事会、金利発表                    ☆☆☆
米耐久財受注(3月)                     ☆☆
米中古住宅販売仮契約指数(3月)               ☆☆

28日
日本全国消費者物価指数(3月)               ☆☆☆
東京都区部コア消費者物価指数(4月)             ☆☆
日本鉱工業生産速報値(3月)                 ☆☆
1−3月期・英国内総生産(GDP)速報値            ☆☆☆
ユーロ圏HICP速報値(4月)                 ☆☆☆
1−3月期・米GDP速報値                  ☆☆☆
シカゴ購買部協会景気指数(4月)               ☆☆
米ミシガン大消費者信頼感指数確報値(4月)          ☆☆

*重要度を3段階で表示



2017年4月24日

(みんかぶ/NYのもののふ)

株式会社みんかぶ NYのもののふ(ペンネーム)

担当
商品先物・金融市場
経歴
1994年から商品先物業界で市況作成・アナリスト業務に従事。主に工業品銘柄を担当し、1999年からは投資情報会社のニューヨーク駐在員としてニューヨーク在住。主に市況作成に従事。現在は、原油中心で為替、貴金属、穀物に関する情報も配信。
読み手に容易に理解していただけるような情報配信を目指している。

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