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外為マーケットコラム

ドル円は堅調地合いも、欧州通貨中心の流れに


 先週のドル円相場は、111円台前半から一時113円近くまで上昇を見せるなど、堅調な展開となった。
 相場を主導したのは欧州通貨。6月26日夜から28日にかけてポルトガルで行われたECB年次フォーラムにおいて、ドラギ総裁がインフレ動向について、「直近の鈍化の要因は総じて一時的なもの」と、楽観的な姿勢を示す一方で、経済成長への自信を見せたことで、ユーロの早期利上げ期待が広がり、一気にユーロ買いとなった。翌日にはECB関係者が発言の「市場のとらえ方は誤解」と、影響限定を狙う場面が見られたが、パネルディスカッションを行ったドラギ総裁からは否定的な発言は無く、市場の利上げ期待は継続した。ユーロ円が124円台から128円台半ば超えまで大きく上昇する中、ドル円も支えられる格好に。
 同フォーラムのパネルディスカッションでサプライズとなったのはカーニー英中銀総裁の発言。利上げに慎重な姿勢で知られる同総裁が、利上げに前向きな発言を行い、市場は一気にポンド買いに。総裁が据え置きに向いている限り、英中銀金融政策会合(MPC)での利上げ決定は難しいという見方が強かっただけに、一気に状況が変わる事態にポンド買いが広がり、ポンド円の買いが、ドル円を支える格好に。

【原油安一服】
 NY原油(WTI)は6月21日に期近で42ドル台前半と、約10カ月ぶりの安値を付けて以降、原油安の動きが一服。先週は買い戻しが優勢となる展開が見られた。
 米エネルギー庁エネルギー情報局(EIA)が発表した週報において、米国の原油生産量の減少が報じられたことや、米石油サービス大手ベイカーフューズ社による米国原油掘削装置(リグ)稼動数が24週ぶりに減少に転じたことなどが原油高を誘った。
 原油安の進行は豪ドルなどの資源国通貨売りにつながったことに加え、世界的なリスク警戒感の上昇で円買いも誘っていたため、原油安が一服したことはドル円クロス円の大きなサポート材料となった。
 金曜日のNY原油先物市場は46ドル台を回復して引けている。

【ECBに利上げ期待】
 27日の晩餐会から始まったECB年次フォーラム。28日のドラギ総裁による基調講演では、「かなりの規模の刺激策が引き続き必要」と渋滞通りの慎重姿勢を示しつつも、直近のインフレ鈍化について、「インフレを抑制している要因はすべて一時的なもの」「デフレ圧力はリフレの力に置き換わった」など、これまでと比べてかなり強気な発言が出てきた。ユーロ圏経済の堅調さが直近指標で意識される中、利上げを阻むインフレ鈍化懸念への警戒感が交代という形で、市場では一気に利上げへの期待感が広がる格好となった。翌日、複数のECBスタッフが匿名を条件に、ドラギ発言を利上げ期待に結び付ける市場の反応は誤解と火消しに走ったが、当のドラギ総裁が黒田総裁やカーニー総裁らとのパネルディスカッションの中で発言の火消しを行わず、市場の期待感は逆に強まる格好となり、一気にユーロが上昇した。ユーロドルは1.11台から1.14台へ、ユーロ円は124円台から128円台後半へ。

【カーニー総裁まさかの利上げ示唆】
 ECBフォーラムでのパネルディスカッションでサプライズとなったのは、カーニー英中銀総裁。21日に英中銀のホールデンチーフエコノミストが年内利上げを示唆し、市場の利上げ期待が強まったが、慎重な姿勢を続けるカーニー総裁が据え置きを支持する限り、利上げには8名中5名の賛同が必要(同数の場合総裁意見が優先)なため、現実的には難しいとみられていた。しかし、総裁はパネルディスカッションにおいて「ある程度の刺激策介助が必要となる公算」と前向きな発言を行い、市場を驚かせた。ポンドはこれを受けて上値を伸ばし、ポンドドルは週初の1.27近辺から1.30超えに。

【カナダの早期利上げ期待強まる】
 同じく同フォーラムのパネルディスカッションに参加していたポロズ・カナダ中銀総裁も、早期の利上げを示唆した。同総裁に関してはディスカッション前に「利下げの役割は果たされた」などの発言を行っており、同中銀上級副総裁も先日利上げに前向きな発言を行っていることで、市場では早ければ7月中の利上げが期待されるという状況に。原油安が一服していることも追い風となっており、カナダ買いの動き。

【主要経済指標・イベントレビュー】
26日
日銀議事録(15、16日分) 
現在の金融政策維持が2%の「物価安定の目標」を達成する上で最も有効
独Ifo景況感指数(6月) 
115.1
米耐久財受注(5月) 
0.1%

27日
米消費者信頼感指数(6月) 
118.9
米S&Pケースシラー住宅価格指数(4月) 
5.67%
イエレンFRB議長、講演 
緩やかなペースの利上げを明確にしている
サンフランシスコ連銀総裁、講演 
米国経済は完全雇用を取り戻しており、それを超える勢いも
フィラデルフィア連銀総裁、講演 
インフレ抑制要因は一時的なもの

28日
米中古住宅販売制約指数(5月) 
-0.8%
サンフランシスコ連銀総裁、講演 
実質賃金の伸びが生産性上昇ペースを上回っている

29日
米GDP確報値(第1四半期) 
+1.4%
米新規失業保険申請件数(24日までの週) 
24.4万件
セントルイス連銀総裁、講演 
現在の政策金利の水準は適切

30日
日本雇用統計(5月) 
3.1%
日本消費者物価指数(5月) 
0.4%
中国製造業PMI(6月) 
51.7
米個人所得(6月) 
+0.4%

2日
東京都議会議員選挙、投開票 
都民ファースト第一党

【7月3日からの週の注目ポイント】
3日
日銀短観(第2四半期)                   ☆☆☆
米自動車販売台数(6月)                    
米ISM製造業景況指数(6月)                ☆☆☆
セントルイス連銀総裁、講演日銀議事録(15、16日分)       

4日
豪小売売上高(5月)                     ☆☆

5日
米製造業新規受注(5月)                    
米FOMC議事録(6月13、14日分)              ☆☆☆
独中首脳会談                         

6日
ECB議事録                          ☆☆
米ADP雇用者数(6月)                    ☆☆
米ISM非製造業景況指数(6月)                ☆☆
米新規失業保険申請件数(1日までの週)            ☆☆
パウエルFRB理事、講演                    ☆☆

7日
米雇用統計(6月)                     ☆☆☆
FRB、半期に一度の金融政策報告               ☆☆☆
G20首脳会談                        ☆☆☆

*重要度を3段階で表示



2017年7月3日

(みんかぶ 山岡 和雅)

みんかぶ 山岡 和雅

担当
外国為替情報
経歴
1992年から、10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画後、事業譲渡により2016年3月にみんかぶグループ入り。
レベルの高い情報を易しく丁寧に提供するだけでなく、専門家の目による分析などを加え、実際の取引に役立つ国際金融情報の提供に努めています。
主な著書
はじめての人のfx基礎知識&儲けのルール(すばる舎)
夜17分で、毎日1万円儲けるFX(アスカビジネス)

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