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外為マーケットコラム

ロシアゲートなどがドル全面安誘う


 先週のドル円相場は、週末に111円ちょうど近くまで値を落とすなど、ドル安の動きが広がった。
 先々週の米イエレン議長の議会証言において、今後の利上げについて慎重な姿勢が示されたことを受けて、週明けからドル安基調が継続して始まった。
 ユーロドルが節目と見られた1.15をしっかりと超えたことで、ドル安の流れが強まり、111円台まで値を落として迎えた木曜日の日銀金融政策決定会合では、景気見通しが上方修正された一方、物価目標の先送りが決定され、円安がやや優勢となる場面が見られた。もっとも、現状の物価動向から想定される範囲内であり、影響は限定的。
 同日のECB理事会では、ドラギ総裁の会見で、現状の資産買い入れプログラムについて秋にも協議することが示され、市場のテーパリングへの期待を誘ってユーロ買いドル安の流れが加速した。
 それ以上にドル売りを誘ったのが、ロシアゲート関連への警戒感。
 トランプ大統領の長男とロシア人弁護士とのメールのやり取りの公開や、同疑惑について調査するモラー特別検察官が、捜査対象をビジネス取引などにも拡大するなどの報道が、同疑惑への市場の警戒感を誘い、ドルは全面安に。
 その他通貨は基本的に対ドルで上昇。
 そうした中、ポンドは英貿易担当相がEU離脱交渉がなくとも英国は生き残れると発言したことなどをうけて売りが出る場面が見られ、豪ドルは豪中銀副総裁が議事録で示された中立金利議論について、特別な意味を読み取るべきではない、他の中銀が金利を上げたからと言って自動的に上げるものではないと発言し、売りが出る場面が見られるなど、短期的に値を落とす展開も生じたが、その後、値を戻すなどドルは基本的に全面安に。

【日銀展望レポートがやや円安誘う】
 先週の日銀金融政策決定会合は、年8回の同会合のうち、「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)が発表される回にあたっており、物価動向の見通しなどに注目が集まっていた。展望レポートでは景気見通しについて上方修正される一方、物価見通しを予想通り引き下げ、現実的に難しくなった2018年度中という2%物価目標達成時期について、2019年度ごろと先送りを発表した。
 緩和政策の長期化を印象付ける目標の先送りをうけて、ドル円は111円台から112円40銭近辺まで上昇する場面が見られたが、その後もドル全面安の流れが続いたこともあり、戻り一服後は再びドル安円高に。

【ECB理事会は秋にもテーパリング決定へ】
 ECB理事会では、会合後のドラギ総裁会見において、12月末が期限となる現状の資産買い入れプログラムについて、「秋にも協議」と示された。市場では買い入れ額を徐々に現状させ、ゆっくりと収束させるテーパリングが期待されており、同発言を受けて早ければ9月の理事会で決定するのではとの期待が広がった。ドル安基調を受けて上昇していたユーロドルは、これを受けてさらに上げ幅を広げた。

【NZ財務相が現状のNZドル高を容認】
 NZのジョイス財務相は金曜日、現状のNZドル高について、NZ経済の強さを反映しているもの。NZの企業はうまく対応していると発言。NZドル高を容認する姿勢を示したことで、NZドルが買われる場面が見られた。同日、豪中銀のデベル副総裁が他国が利上げをしているからといって豪州が自動的に利上げに向かうものではないなどと発言し、豪ドル売りが入ったのとは対照的な状況で、オセアニア通貨で動きがまちまちとなる場面が見られた。

【主要経済指標・イベントレビュー】
17日
中国GDP(第2四半期) 
前年同期比+6.9%
中国鉱工業生産(6月) 
前年比+7.6%
中国小売売上高(6月) 
前年比+11.0%

18日
NZ消費者物価指数(第2四半期) 
前期比0.0%
豪中銀議事録 
同国経済の成長及びインフレ見通しを踏まえ労働市場や住宅市場の状況に注意深い監視が継続して必要
独ZEW景況感指数(7月) 
17.5
英消費者物価指数(6月) 
前年比+2.6%
英生産者物価指数(6月) 
前年比+3.3%

19日
米住宅着工件数(6月) 
121.5万件

20日
日本貿易統計(6月) 
+4399億円
日銀金融決定会合結果 
現状維持
黒田日銀総裁会見 
景気判断上方修正、物価目標達成時期先送り
豪雇用統計(6月)+1.4万人
ECB理事会 
現状維持
ドラギECB総裁会見 
理事会は秋に決定を下す
米新規失業保険申請件数 
23.3万件

【7月24日からの週の注目ポイント】
24日
独製造業PMI速報値(7月)                  ☆☆
ユーロ圏製造業PMI速報値(7月)               ☆☆
米中古住宅販売件数(6月)                   ☆☆
OPEC加盟国・非加盟国、閣僚会議               ☆☆☆

25日
独Ifo企業景況感指数(7月)                 ☆☆
米消費者信頼感指数(7月)                  ☆☆
米S&Pケースシラー住宅価格指数(5月)              ☆

26日
豪消費者物価指数(第2四半期)                ☆☆
英GDP速報値(第2四半期)                 ☆☆☆
米FOMC                          ☆☆☆
米新築住宅販売件数(6月)                   ☆

27日
米耐久財受注(6月)                     ☆☆
米新規失業保険申請件数(22日までの週)            ☆☆

28日
日本雇用統計(6月)                      ☆
日本消費者物価指数(6月)                  ☆☆
米GDP速報値(第2四半期)                 ☆☆☆
ミネアポリス連銀総裁、発言                  ☆☆

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2017年7月24日

(みんかぶ 山岡 和雅)

みんかぶ 山岡 和雅

担当
外国為替情報
経歴
1992年から、10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画後、事業譲渡により2016年3月にみんかぶグループ入り。
レベルの高い情報を易しく丁寧に提供するだけでなく、専門家の目による分析などを加え、実際の取引に役立つ国際金融情報の提供に努めています。
主な著書
はじめての人のfx基礎知識&儲けのルール(すばる舎)
夜17分で、毎日1万円儲けるFX(アスカビジネス)

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