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外為マーケットコラム

ドル円しっかりも、上値では売り


 10月30日からのドル円相場は、多くのイベントで振幅を見せるも、米景気の底堅さもあり、基調はしっかり。もっとも、114円台半ばからは、23日からの週同様に売り注文が見られ、上値を抑えられる展開となった。
 23日の週に114円台を付けた後、113円台後半へ値を落として迎えた週明け。米下院が税制改革で段階的な税率の引き下げを検討との報道が流れ、ドル売りが強まる展開となった。
 113円割れまで値を落とす場面が見られたドル円であったが、31日に月末に関連した実需がらみのドル買い円売りが入り、113円台後半へ。日経平均を含め世界的な株高が進む中で、リスク選好の動きも強まり、再び114円台を回復するなど、その後もドル高基調が継続した。
 米ISM製造業景気指数の弱さや、次期FRB議長にパウエルFRB理事が指名される模様との報道がドル売りを誘い、一時114円割れも動きは限定的。
 FOMCは予想通りの据え置き、声明も目立ったサプライズはなく、発表直後の反応は一息も、その後は114円台を回復するなどしっかりに。
 木曜日には下院が税制改革案の概要を公表。住宅ローン控除の縮小などが嫌気されて、ややドル売り。成立への懐疑的な見方もドル売りに。
 同日、パウエル理事の次期FRB議長就任が正式に発表されたが、前日の報道で織り込みが済んでおり、反応は限定的に。
 注目された米雇用統計は、非農業部門雇用者数が予想を下回る数字に。物価との関連で注目を集める平均時給も予想をはっきり下回り、弱めの結果となった。
 発表直後にドル円は114円近辺から113円50銭台に下落。しかし、前日に続いて113円台半ば手前の買いに支えられ、しっかりと値を戻すと、下値安心感から上値を試す展開となり、114円40銭台まで上昇、週の高値を付ける展開となった。
 週末を前にNY午後には調整が入り、114円ちょうど近辺まで戻して週の取引を終えている。

【英中銀、10年ぶりの利上げ】
 英中銀は事前見通し通り2007年以来、10年ぶりの利上げに踏み切った。投票結果は7対2となり、カンリフ副総裁とラムスデン副総裁の2名が据え置きを主張し、反対に回った。反対者2名も含め予想通りであったが、同時に発表された四半期インフレ報告で、2018年の経済成長見通し及び物価見通しが引き下げられたことや、声明で2020年末時点での金利水準が1%と、3年であと2回の追加利上げしか想定していないことが判明したことを受けて、ポンドは急落を見せた。
 月初に151円台後半を付けた後、151円ばさみの高値圏で推移していたポンド円は149円割れまで急落。その後も149円ばさみと安値圏。

【NZドル、第3四半期の雇用統計強めで買われる】
 1日に発表されたNZの第3四半期雇用統計は、失業率が予想、前回を下回る強めの結果に。賃金上昇率も第1四半期、第2四半期より強めの数字となった。これらの結果を受けてNZドルは急騰。先月誕生した新政権への警戒感もあり、対米ドルで0.68台前半から半ばの安値圏でもみ合っていたが、発表直後に0.69台を回復。その後は0.69台前半を中心とした展開となった。

【豪ドル、二重国籍問題落ち着くも、安値圏】
 ジョイス副首相をはじめ複数の連邦議会議員が二重国籍問題で議員資格を喪失したことを受けた豪ドル売りは、いったん落ち着く展開となった。週の半ばには、NZドルの上昇や、商品先物市場の上昇を受けてしっかりの展開に。もっとも米国の追加利上げ期待が高い中で、緩和姿勢の長期化が予想される豪ドルに対する売り意欲は強く、戻ったところでは売りが出る展開に。86円割れから88円を回復するところまで買い戻された豪ドル円は、週の後半、87円台前半へ値を落としている。

【主要経済指標・イベントレビュー】
30日
米個人支出(9月) 前月比+1.0%
米PCEデフレータ(9月) 前年比+1.6%
フィッチ 英がEU離脱で合意しないならば格下げも
31日
日本雇用統計 失業率+2.8%
日銀会合結果 政策金利-0.1% 長短金利操作付き量的質的緩和維持
日銀展望 18年度、コアCPI見通し+1.4%、GDP見通し +1.4%
黒田日銀総裁会見 18年度、コアCPI見通し+1.4%、GDP見通し+1.4%
中国製造業PMI(10月) 51.6
米消費者信頼感指数(10月) 125.9
米S&Pケースシラー住宅価格(8月) 前年比+5.92%
1日
米自動車販売(10月) 前年比-1.3%
米ADP雇用者数(10月) 前月比+23.5万人
米ISM製造業景況指数(10月) 58.7
米FOMC 政策金利1.00-1.25% 現状維持
FOMC声明 経済活動はハリケーンにもかかわらず底堅い
麻生財務相 現状の日本の景気動向、流れは悪くない
2日
英中銀政策金利 政策金利0.50%(0.25%利上げ)
投票結果は7対2 据え置き票はカンリフ氏とラムスデン氏
英中銀四半期インフレ報告 18年成長見通しは1.7%(前回1.8%) インフレ見通しは2.4%(前回2.5%)
カーニー英中銀総裁 英企業投資にEU離脱の不透明性が影響与える
米新規失業保険申請件数(28日までの週) 22.9万件
トランプ大統領 次期FRB議長にパウエル理事
ムニューシン財務長官 小規模事業主の圧迫を緩和する
3日
米雇用統計(10月) 非農業部門雇用者数 前月比+26.1万人 失業率4.1%
米ISM非製造業景況指数(10月) 60.1
ブロードベント英中銀副総裁 ブレグジットは英経済にある程度の影響与えること明白

【11月6日からの週の注目ポイント】
6日
黒田日銀総裁講演                     ☆☆☆
日銀金融政策決定会合議事録(9月20-21日)         ☆☆☆
ユーロ圏財務相会合                     ☆☆
7日
豪中銀金融政策理事会                   ☆☆☆
EU財務相理事会                       ☆☆
8日
中国貿易収支(10月)                    ☆☆
トランプ大統領中国訪問                   ☆☆
9日
日本銀行主な意見(10月30-31日)               ☆☆
NZ中銀金融政策理事会                   ☆☆☆
中国消費者物価指数(10月)                 ☆☆
中国生産者物価指数(10月)                 ☆☆
米新規失業保険申請件数(4日までの週)             
ECB経済報告                          
10日
APEC首脳会議(11日まで)                  ☆☆
*重要度を3段階で表示



2017年11月6日

みんかぶ 山岡 和雅

担当
外国為替情報
経歴
1992年から、10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画後、事業譲渡により2016年3月にみんかぶグループ入り。
レベルの高い情報を易しく丁寧に提供するだけでなく、専門家の目による分析などを加え、実際の取引に役立つ国際金融情報の提供に努めています。
主な著書
はじめての人のfx基礎知識&儲けのルール(すばる舎)
夜17分で、毎日1万円儲けるFX(アスカビジネス)

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