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外為マーケットコラム

米株安がリスク回避の円高誘う


 2月5日からのドル円相場は、米株式市場動向に左右される展開となった。
 2日のNY株式市場でダウ平均株価が一時700ドル超の下げを記録するなど大幅安となった米株式市場は、週明けさらに大きく値を崩す大荒れの展開となった。ダウ平均株価は一時1,600ドル超の暴落となり、史上最大の下げ幅を大きく更新。終値ベースでも1,175ドル安と、終値ベースの史上最大下げ幅を大きく更新する展開となった。
 翌日のアジア株式市場なども大幅安で、世界同時株安の流れが強まったこともあり、外国為替市場ではリスク回避の円高が優勢に。ドル円は一時108円50銭割れと、月曜日の110円台から1円半超の下げに。
 その後、株式市場での下げが一服し、買い戻しの動きが強まると、ドル円、クロス円でも買い戻しの動きが入り、ドル円は109円台後半まで上昇した。
 しかし、落ち着くかに見えた米株式市場が、8日に再び値を崩し、ダウ平均株価が終値ベースで1,000ドル超の下げを記録する展開を見せると、ドル円は108円台へ下落。2日に137円台半ばを付けていたユーロ円が133円割れを付けるなど、円全面高傾向がかなり強まる展開に。
 週明けユーロ円が132円割れを付けるなど、不安定な展開が週末をまたいでも続いている。
 対円での売りに押され、欧州通貨、オセアニア通貨は対ドルでも軟調地合い。
 2日に1.25台に再び乗せていたユーロドルが1.22台前半を付けるなど、対ドルでもユーロ売りが目立つ展開に。
 ポンドも同様に対円での売りに押され、2日に1.42台後半を付けていたポンドドルが1.37台を付けるなど、軟調地合いに。8日の英中銀金融政策会合で今度の利上げ時期の目途が前倒しされたことで、一気にポンド買いが強まる場面も見られたが、すぐに値を戻すなど、頭の重い展開となった。
 NZ中銀は事前見通し通りの金利据え置きも、インフレ目標の達成時期見通しを先送りし、NZドル売りが加速する場面が見られた。

【英中銀金融政策会合で利上げ時期の見通しが前倒し】
 8日は英中銀金融政策会合(MPC)の結果及び議事録発表に加え、四半期インフレ報告が発表され、その後、カーニー中銀総裁が会見を行う、いわゆるスーパーサーズデーとなった。前回11月のスーパーサーズデーでは約10年ぶりの利上げ実施が見られたが、今回は事前見通し通り政策金利・資産購入枠は現状維持となった。しかし、議事録の中で次回の利上げの見通し時期について、前倒しされることとなり、ポンド買いを誘った。

【NZ中銀は慎重姿勢が目立つ】
 8日のNZ中銀政策会合では、事前見通し通り政策金利が据え置かれた。7日に発表されたNZ第4四半期雇用統計で、就業者数が9四半期連続で増加するなど、NZ経済は好調も、先月発表された消費者物価指数の鈍さなどが意識され、当面の据え置き見通しが広がる展開に。

【米株式市場は大荒れに】
 ダウ平均株価は5日の市場でこれまでの史上最大の下げ幅を大きく更新。いったん落ち着くかに見えたが、8日に再び1,000ドル超の下げ、9日は500ドル以上下げた後、安値から1,000ドル以上も上昇して500ドル超の上昇を記録するなど、不安定な展開が続いた。2日の700ドル超の下げの中で、ドル円は上昇を見せるなど、米株価とドル円の値動きはそれほどきれいに逆相関する訳ではないが、不安定な展開が続く中でリスク回避の動きが広がり、株式市場をにらみながらの展開が続いた。

【主要経済指標・イベントレビュー】
5日
米ISM非製造業景況指数(1月) 59.9
安倍首相 マクロ経済的にはまだデフレ脱却とはいえず
黒田日銀総裁 物価2%を実現するという目標は極めて重要
ミネアポリス連銀総裁 ドル安はインフレ圧力につながる可能性も

6日
豪中銀政策金利 1.50% 現状維持
豪中銀理事会声明 低金利が引き続き豪経済を支える
米貿易収支(12月) 531億ドル赤字
バイトマン独連銀総裁 ユーロ圏は成長のお荷物から牽引役へと転じた
セントルイス連銀総裁 インフレ期待は強まっているがなお低水準
ムニューシン米財務長官 市場のボラティリティーを過度に懸念していない

7日
ブラジル中銀政策金利 6.75% 0.25%利下げ
ダラス連銀総裁 市場に調整が入ることは健全なこと
ムニューシン財務長官 先日の発言、いくつかの文脈を無視して引用
EU成長予想 今年の成長予想を2.3%に引き上げ、従来2.1%

8日
日本国際収支(12月) 経常収支7,972億円黒字
NZ中銀政策金利 1.75%現状維持
中国貿易収支(1月) 1,358.0億元黒字
英中銀政策金利 0.50%
英中銀四半期インフレ報告 2018年成長見通しは1.7%(前回1.5%)
カーニー英中銀総裁 利上げの時期は経済統計次第
サンフランシスコ連銀総裁 今年来年と物価上昇が加速する見通し
ダラス連銀総裁 今年は3回の利上げが引き続き基本的なシナリオ
バイトマン独連銀総裁 ECBの緩和的な姿勢は引き続き適切
ロウ豪中銀総裁 豪中銀の四半期経済予測は大方変わりなし

9日
中国消費者物価指数(12月) 前年比+1.5%
中国生産者物価指数(12月) 前年比+4.3%
麻生財務相 市場価格はさまざまな要因で決まる
ブロートベント英中銀副総裁 利上げはわずかながら早める見込み
カンザスシティ連銀総裁 今年と来年で3回の利上げ実施が理にかなっている

【2月12日からの週の注目ポイント】
12日
米財政収支(1月) 490億ドル黒字               
米2019年度予算教書 インフラ投資に2,000億ドル      ☆☆☆

13日
英消費者物価指数(1月)                  ☆☆☆
英生産者物価指数(1月)                   
クリーブランド連銀総裁、講演                 

14日
日本GDP速報値(第4四半期)                 ☆☆
ドイツGDP速報値(第4四半期)               ☆☆
米小売売上高(1月)                    ☆☆☆
米消費者物価指数(1月)                 ☆☆☆
米財務長官、上院財務委員会で2019会計年度予算案について証言 ☆☆☆

15日
豪雇用統計(1月)                     ☆☆☆
米鉱工業生産(1月)                    ☆☆
米生産者物価指数(1月)                  ☆☆
NY連銀製造業景況指数(2月)                 
フィラデルフィア連銀景況指数(2月)             
中国春節(旧正月)祝日で休場(21日まで)          ☆☆

16日
米住宅着工件数(1月)                    ☆☆
香港春節(旧正月)祝日で休場(19日まで)          ☆☆

*重要度を3段階で表示



2018年2月13日

みんかぶ 山岡 和雅

担当
外国為替情報
経歴
1992年から、10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画後、事業譲渡により2016年3月にみんかぶグループ入り。
レベルの高い情報を易しく丁寧に提供するだけでなく、専門家の目による分析などを加え、実際の取引に役立つ国際金融情報の提供に努めています。
主な著書
はじめての人のfx基礎知識&儲けのルール(すばる舎)
夜17分で、毎日1万円儲けるFX(アスカビジネス)

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