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外為マーケットコラム

米保護主義や日銀総裁の出口言及でドル安円高再び強まる


 2月26日からのドル円相場は、週初のドル安トライの後、いったんドル高円安の流れが優勢となったものの、週の後半にかけてドル安円高の流れが再び強まり、それまでの安値を割り込む激しい展開となった。
 週初は米債利回りの低下を受けたドル売りや3月末の会計年度末を意識した実需がらみのドル売り円買いが優勢となり、22日、23日のドル安トライで下値を支えた106円台半ばを割り込む展開に。
 もっとも、その後クロス円の買い戻しなどに支えられて、下値進行が一服。27日のパウエルFRB議長の半期議会証言待ちで、ポジション調整の動きも。
 注目された議会証言は、経済見通しが強まっているとの発言があるなど、市場の見通しよりもタカ派(利上げに前向き派)な印象を与えるものとなり、ドル円は107円60銭台まで上昇。先週の高値を付ける動きとなった。
 28日の日銀オペで買い入れ減額が見られ、円買いが優勢に。その後は米株安などを受けた円高が広がり、週の後半に向けて円高基調が強まった。
 1日のNY市場では株安の動きが一気に広がりドル安円高に。トランプ大統領の鉄鋼とアルミに対する関税賦課の表明も株安ドル安を誘った。株安の流れは2日の東京、欧州と続き、ドル円の重石に。さらに黒田日銀総裁の出口戦略に関する発言や、トランプ大統領の貿易戦争歓迎発言などもあって、ドル円は前週の安値を割り込み、2016年11月以来の安値圏に。

【半期議会証言は前向き】
 2月27日に下院金融サービス委員会で、3月1日に上院銀行委員会で実施されたパウエル議長にとっては初めてとなる米議会証言。議長は27日の質疑応答の中で「経済見通しは強まっている」と発言。市場は従来の年3回から年4回に利上げ見通しが強まるとの印象を強め、ドル買いが広がる場面が見られた。

【黒田日銀総裁、所信聴取で出口戦略に触れる】
 3月2日に実施された衆議院議員運営委員会での黒田日銀総裁の所信聴取。無難な答弁が続いたが、「19年度頃にはインフレが2%に達成する可能性が高いと確信しており、当然のことながら出口をその頃に検討し、議論しているということは間違いない」との発言の、出口戦略検討間違いないという部分がクローズアップされる形で、一気に円高が強まった。

【トランプ大統領、保護主義的姿勢強める】
 トランプ大統領は1日に鉄鋼とアルミの関税賦課を正式に表明。さらに、翌2日には貿易戦争を歓迎とツイートするなど、保護主義的な姿勢を強めており、ドル売り円買いの動きにつながっている。関係国からは批判が広がっているが、欧州からの批判に対して「欧州車に関税を課せばいい」とツイートするなど、強硬姿勢を強める状況となっている。

【主要経済指標・イベントレビュー】
26日
米新築住宅販売(1月) 59.3万件
黒田日銀総裁 日本経済は極めて順調に拡大
セントルイス連銀総裁 著しい利上げは、引き締め過ぎのリスクがある

27日
米耐久財受注(1月) 前月比-3.7%
米消費者信頼感指数(2月) 103.8
米ケースシラー住宅価格指数(12月) 前年比+6.30%
パウエルFRB議長、下院金融委員会で半期議会証言 さらなる漸進的な利上げを想定
パウエルFRB議長 質疑応答 FRBの二大責務と透明性にコミット

28日
中国製造業PMI(2月) 50.3
米GDP改定値(第4四半期) 前期比年率+2.5%
米中古住宅販売制約指数(1月) 前月比−4.7%
ミネアポリス連銀総裁 利上げ支持の前にインフレや賃金上昇の証拠を見たい

1日
米個人所得支出(1月) 前月比+0.2%
米PCEデフレータ 前年比+1.7% 同コア前年比+1.5%
米ISM製造業景況指数(2月) 60.8
米新規失業保険申請件数(24日までの週) 21.0万件
トランプ大統領 鉄鋼・アルミ輸入に関税を賦課
パウエルFRB議長、上院銀行委員会で半期議会証言 数箇所に労働市場のスラックがある可能性
ダドリーNY連銀総裁 0.25%ずつ4回の利上げはなお漸進的

2日
日本雇用統計(1月) 2.4%
黒田日銀総裁 19年度ごろ出口を検討していること間違いない
トランプ米大統領 貿易戦争は良い、簡単に勝つことできる

【3月5日からの週の注目ポイント】
5日
米ISM非製造業景況指数(2月)               ☆☆☆
中国全国人民代表大会開幕                  ☆☆

6日
豪中銀政策金利                      ☆☆☆
米製造業新規受注(1月)                   ☆☆
ブレイナードFRB理事、講演                   
NY連銀総裁、講演                       ☆☆
ダラス連銀総裁、講演                      

7日
豪GDP(第4四半期)                     ☆☆
米貿易収支(1月)                      ☆☆
米ADP雇用者数(2月)                     ☆☆
米地区連銀経済報告(ベージュブック)              
NY連銀総裁、講演                       ☆☆
アトランタ連銀総裁、講演                   ☆☆

8日
日本GDP改定値(第4四半期)                  
中国貿易収支(2月)                     ☆☆
ECB政策金利、ドラギECB総裁会見              ☆☆☆
米新規失業保険申請件数(3日までの週)              

9日
日銀金融政策会合、黒田日銀総裁会見             ☆☆☆
中国消費者物価指数、生産者物価指数(2月)          ☆☆
米雇用統計(2月)                     ☆☆☆
シカゴ連銀総裁、講演                      
ボストン連銀総裁、講演                     

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2018年3月5日

みんかぶ 山岡 和雅

担当
外国為替情報
経歴
1992年から、10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画後、事業譲渡により2016年3月にみんかぶグループ入り。
レベルの高い情報を易しく丁寧に提供するだけでなく、専門家の目による分析などを加え、実際の取引に役立つ国際金融情報の提供に努めています。
主な著書
はじめての人のfx基礎知識&儲けのルール(すばる舎)
夜17分で、毎日1万円儲けるFX(アスカビジネス)

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