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外為マーケットコラム

政治相場の様相を呈し、ドルは振幅の展開に


 3月5日からのドル円相場は、米国の政治情勢などに左右される展開となった。
 週の初めは、前週から続く鉄鋼・アルミの関税賦課に関する警戒感がドルの重石となり、ドル円は105円台前半の安値圏での推移。
 日経平均が一時2万1,000円の大台を割り込むなど、リスク警戒感が強い展開となった。
 もっとも、4日のイタリア総選挙で、既存勢力が後退し、ポピュリズム的な色彩が強い五つ星運動などが勢力を伸ばしたことで、各勢力とも過半数の確保が難しくなり、イタリア政局の今後の不安定な状況が警戒されたことで、ユーロ売りドル買いが進行。ドル全面安の流れが崩れ、ドル円も少し買い戻しに。
 さらに、米国の関税措置でメキシコとカナダの除外方針が報じられたことで、ドル円の買い戻しが継続。下げ局面で105円を維持したことで、下値一服感が出て、短期的なポジション調整が入りやすくなった面も。
 7日になって関税方針に反対していたコーン米国家戦略会議(NEC)議長の辞任が報じられ、いったんリスク警戒の動きが優勢となって、105円台半ば割れまで下落する展開に。
 もっとも、週初の安値圏には届かず値を戻すと、米朝首脳会談の実施で合意などの報道も追い風となり、ドル円は106円台後半に。
 週末には米雇用統計で、非農業部門雇用者数(NFP)が予想をはるかに超える30万人超えの雇用者増を記録したこともあり、107円台を付ける場面まで見られた。

【豪中銀金融政策会合は無風通過】
 3月6日の豪中銀(RBA)金融政策会合は、事前見通し通り政策金利の現状維持を発表。声明は、豪ドル安が豪景気を支えるとの姿勢をこれまで同様に示すなど、前回踏襲が中心なものとなり、市場の反応は限定的に。
 豪中銀は当面の政策金利維持姿勢を示しており、波乱要素は少ない。

【ECB理事会でユーロ振幅】
 3月8日のECB理事会は、事前見通し通り政策金利及び債券購入プログラム(QE)の現状維持を発表。ECBは少なくとも9月までに現状の債券購入プログラムを維持する意向を示しており、市場の注目は声明と会見に集まっていた。
 声明では、これまでに見られた「経済見通しや金融システムが悪化した場合は、資産購入の規模または期間、もしくはその両方を拡大の用意」という追加緩和の可能性を示した文言が削除され、いったんユーロ買いに。
 しかし、その後の会見で示されたECBスタッフによる経済・物価見通しにおいて、2019年のインフレ見通しが引き下げられたほか、ドラギ総裁が会見で貿易に対する懸念を示すなど、慎重な姿勢を強調するものとなったことで、一転して一気にユーロ売りが広がった。

【米雇用統計はサプライズも影響限定的】
 9日の米雇用統計(2月)は、非農業部門雇用者(NFP)が前月比+31.3万人と、予想の20万人を大きく超える高水準に。前月の数字が+20万人から+23.9万人に上方修正されたうえに、この数字ということで、かなりの好結果という印象を与えた。一方で失業率は前回の4.1%から4.0%への低下見込みも、4.1%を維持。インフレとの関連で注目度の高い平均時給は前月比+0.1%、前年比+2.6%と、ともに予想値、前回値を下回る弱めの数字となり、NFPの好結果を受けて上昇したドル買いを鈍らせる結果に。

【主要経済指標・イベントレビュー】
5日
米ISM非製造業景況指数(2月) 59.5
トランプ大統領 貿易は今が変化の時、米国の鉄鋼、アルミ産業は死に体となった

6日
豪中銀政策金利 1.50%に据え置き
豪中銀声明 低金利が引き続き豪経済を支える
米製造業新規受注(1月) 前月比-1.4%
黒田日銀総裁参、所信聴取 物価が持続的に下落するという意味でのデフレではない
ダラス連銀総裁、講演 自身の基本シナリオは年内3回利上げ

7日
豪GDP(第4四半期) 前期比+0.4%
米貿易収支(1月) -566億ドル
米ADP雇用者数(2月) 前月比+23.5万人
カナダ中銀政策金利 1.25%に据え置き
カナダ中銀声明 持続的な緩和策が必要な公算
ブレイナードFRB理事 現在のマクロ環境は2年前などに直面した逆風とは違い、追い風が吹いている
米地区連銀経済報告(ベージュブック) 賃金上昇につれ緩やかなインフレ見込む
アトランタ連銀総裁 貿易戦争に勝者はいない

8日
日本GDP改定値(第4四半期) 前期比+0.4%
中国貿易収支(2月) +2,248.8億元
ECB政策金利 0.00%に据え置き
ECBスタッフ経済予測 2019年のインフレ見通しを1.5%から1.4%に引き下げ
ドラギECB総裁 現状の金利水準をQE終了まで継続
トランプ大統領 鉄鋼・アルミ輸入に関税を課す
米新規失業保険申請件数(3日までの週) 23.1万件

9日
日銀金融政策会合 現状維持
黒田日銀総裁会見 前向き循環働く下で景気は緩やかに拡大
中国消費者物価指数(2月) 前年比+2.9%
中国生産者物価指数(2月) 前年比+3.7%
米雇用統計(2月)非農業部門雇用者数 前月比+31.3万人
米雇用統計(2月)平均時給 前月比+0.1%、前年比+2.6%
カンザスシティ連銀総裁 政策金利の緩やかな正常化が大切
シカゴ連銀総裁 雇用統計は極めて強い数字で良いニュース

【3月12日からの週の注目ポイント】
12日
米財政収支(2月)                      ☆
ユーロ圏財務相会合                      ☆

13日
米消費者物価指数(2月)                 ☆☆☆
EU財務相理事会                        ☆

14日
日銀議事録(1月22日、23日開催分)             ☆
中国小売売上高、鉱工業生産(2月)              ☆
米小売売上高(2月)                    ☆☆☆
米生産者物価指数(2月)                  ☆☆☆
ドラギECB総裁、講演                     ☆
メルケル独首相、4期目の就任宣誓               ☆

15日
米輸入物価指数(2月)                     ☆
米NY連銀製造業景況指数(3月)                 ☆
米新規失業保険申請件数(10日までの週)             ☆

16日
米住宅着工件数(2月)                     ☆

18日
ロシア大統領選(第1回投票)                  ☆

*重要度を3段階で表示



2018年3月12日

みんかぶ 山岡 和雅

担当
外国為替情報
経歴
1992年から、10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画後、事業譲渡により2016年3月にみんかぶグループ入り。
レベルの高い情報を易しく丁寧に提供するだけでなく、専門家の目による分析などを加え、実際の取引に役立つ国際金融情報の提供に努めています。
主な著書
はじめての人のfx基礎知識&儲けのルール(すばる舎)
夜17分で、毎日1万円儲けるFX(アスカビジネス)

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