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外為マーケットコラム

通商問題とFANG株安が継続して市場のテーマに


 4月2日からのドル円相場は、米中の貿易戦争と不安定な米株式市場動向をにらんで、神経質な展開となった。
 イースターマンデーで欧州市場が休場となった週明け7日、NY市場で株安が大きく進んだ。トランプ大統領によるアマゾンへの批判などをきっかけに、FANG株中心に売りが進み、ダウ平均株価は一時700ドル超の下げを記録。株安を懸念してのドル売り円買いも進み、ドル円も105円65銭近辺まで売り込まれた。
 もっとも、翌日には株安が一服し、米株の買い戻しが大きく入る中でドル円も106円台後半まで反発した。
 いったん落ち着きを取り戻した市場だが、3日に米通商代表部が中国に対して約1,300品目500億ドル規模の追加関税をかけることを示したことに対抗して、中国政府は4日、米製品に対して106品目、規模的には米国と同等の約500億ドルの追加関税を賦課する方針を発表し、米中貿易戦争への懸念が広がった。
 しかし、この懸念によるドル安円高は106円を瞬間割り込むところまでにとどまり、同日のNY市場で106円台後半、翌日の東京市場で107円台を回復など、一転してドル買い円売りの動きに。
 中国側の関税対象に大豆や飛行機など米国にとって急所となる品目が含まれたことで、瞬間懸念が広がったものの、市場ではこうした関税を実際に掛け合うには両国の被害が大きすぎるため、実施までの交渉で和解に向かうとの楽観論が広がった。
 107円台半ば近くまでドル高が進む展開となったが、日本時間6日にトランプ大統領が中国にさらなる1,000億ドル規模の輸入関税の検討をUSTRに指示と報じられ、またしてもリスク警戒が強まる展開に。同日の米雇用統計で、非農業部門雇用者数の伸びが予想以上に鈍化したことなども材料となり、106円台に値を落として週の取引を終えている。

【米中貿易戦争への動き強まる】
 米国は鉄鋼・アルミニウムへの関税に続き、知的財産権侵害を根拠として通商法301条に基づく追加関税を中国に対して賦課する方針を示していた。米USTRは3日にその対象として約1,300品目500億ドル規模に上ることを示した。米国は中国政府が自国内に進出する米企業に技術移転を強いるなどの知的財産権侵害を行っていると主張。制裁として電子機器、半導体装置などハイテク分野を幅広く対象とした。
 一方、中国はそれに対応して、106品目ほぼ同額の追加関税を米製品に賦課する方針を示した。この時焦点とされたのが、大豆、自動車、航空機。特に大豆は、世界の生産量の約6割を中国が消費しており、米国産の大豆もかなりの割合が中国向けとなっている。米国内での主な生産地はアイオワ、ミシガンなど、共和党・民主党の支持が拮抗している州となっており、中間選挙で激戦区となることが予想される地域だけに、米国側のダメージが大きくなると懸念されていた。一方で、中国としても米国に代わる輸入元を確保することは現実的でなく、米中両国のダメージが大きいとみられている。

【FANG売りの流れが続く】
 フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグル(現アルファベット)の頭文字をとってFANG(牙の意)と呼ばれる株式の売りが継続。特に先週目立ったのはアマゾンの売り。反トラスト法(独占禁止法に相当)の適用をトランプ政権が検討と報じられたことで元々売られていたが、トランプ大統領はツイッターなどでアマゾンへの批判を繰り返し、市場の警戒感を誘った。週末前には米政府からアマゾンへの具体的な対応は検討されていないと発表があったことで、少し収まったが、警戒感は続いている。

【豪中銀は事前見込み通りの据え置き】
 3日に発表された豪中銀政策金利は事前見通し通り現状維持となった。声明でも前回までの姿勢が踏襲され、当面の現状維持姿勢の維持が示された。豪ドル高へのけん制は見られたが、こちらも以前からと同様で、市場の反応は限定的なものにとどまっている。

【主要経済指標・イベントレビュー】
2日
日銀短観(第1四半期)大企業製造業・業況判断 24
米ISM製造業景況指数(3月) 59.3

3日
黒田日銀総裁 ETF現時点でいつどう処分か検討の時点になっていない
豪中銀政策金利 1.50%
豪中銀声明 低金利は引き続き豪経済をサポート
トランプ大統領 納税者ではなくアマゾンが郵便コストを払うべき
米政府 アマゾンに対する行動は協議していない
ミネアポリス連銀総裁 米国の減税が企業の意欲を高めたのは明白
NY連銀 次期総裁にウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁を指名

4日
米ADP雇用者数(3月) 前月比+24.1万人
米製造業新規受注(2月) 前月比+3.1%
米ISM非製造業景況指数(3月) 58.8
セントルイス連銀総裁 追加利上げは必要ない
米通商代表部(USTR) 中国が500億ドル規模の米輸入品に関税を課す法的根拠はない

5日
豪貿易収支(2月) +8.25億豪ドル
米貿易収支(2月) -576億ドル
米新規失業保険申請件数(31日までの週) 24.2万件
クドロー米NEC委員長 米国は中国と通商問題で合意できると予想
トランプ大統領 EUとの貿易は米国に不利になっている
アトランタ連銀総裁 インフレは次の2四半期内に2%に達すると見込んでいる

6日
米雇用統計(3月) 非農業部門雇用者数 前月比+10.3万人
トランプ大統領 USTRに中国への1,000億ドルの追加関税の検討を指示
パウエルFRB議長 更なる漸進的な利上げが目標達成には最善
クドローNEC議長 中国への関税第2弾はまだ検討段階

【4月9日からの週の注目ポイント】
9日
日本国際収支(2月)                       
IMF世界経済見通し                       

10日
米生産者物価指数(3月)                   ☆☆
ダラス連銀総裁、講演                     ☆☆

11日
中国消費者物価指数(3月)                   
中国生産者物価指数(3月)                   
米消費者物価指数(3月)                   ☆☆☆
FOMC議事録(3月20日、21日開催分)            ☆☆☆
北朝鮮最高人民会議開催                    

12日
米輸入物価指数(3月)                      
米新規失業保険申請件数(7日までの週)             
ネアポリス連銀総裁、講演                    

13日
中国貿易収支(3月)                      
ダラス連銀総裁、講演                      
ボストン連銀総裁、講演                     
セントルイス連銀総裁、講演                   

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2018年4月9日

みんかぶ 山岡 和雅

担当
外国為替情報
経歴
1992年から、10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画後、事業譲渡により2016年3月にみんかぶグループ入り。
レベルの高い情報を易しく丁寧に提供するだけでなく、専門家の目による分析などを加え、実際の取引に役立つ国際金融情報の提供に努めています。
主な著書
はじめての人のfx基礎知識&儲けのルール(すばる舎)
夜17分で、毎日1万円儲けるFX(アスカビジネス)

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