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外為マーケットコラム

南欧の政局巡り振幅


 5月28日からの週は、イタリアとスペインの政局がらみで振幅がみられる展開となった。
 イタリアでは五つ星運動と同盟によって首相に推されたコンテ氏による組閣名簿において、財務相候補とされたサボナ元産業相を、大統領が拒否。早期の再選挙の可能性が強まったことで、混乱が生じた。
 29日の市場でイタリア債が暴落(利回りが急騰)。ドイツ債とイタリア債の10年債利回り格差が3%を超える事態となった。こうした状況を受けてユーロドルが1.1510台を付けるなど大きく値を崩す展開に。ユーロ円も125円ちょうど近辺まで売り込まれた。リスク警戒感が強まる中でドル円も108円台前半を付ける動きに。
 もっとも、翌日にはパニック的な動きが落ち着くと、その後、五つ星運動と同盟が、コンテ氏のもとで別の財務相候補を立て、サボナ氏を欧州問題担当相とする形で合意。イタリアの政局は週後半には落ち着く形となった。
 スペインではラホイ首相に対する不信任決議案提出に向けた動きが警戒材料となり、29日のユーロ売りに一役。実際に金曜日には不信任決議が可決されたが、元々少数与党政権で基盤が不安定だったこともあり、市場の織り込みも早く、実際に可決されるときにはすでに織り込み済みとなっていた。
 南欧の政局不安で108円台へ値を落としたドル円は、政局が落ち着くとともに買い戻しが優勢に。週末の米雇用統計、ISM製造業景況感指数の好結果もあって、ドル買い円売りの動きが広がり、ドル円は109円台後半まで一時上昇。109円台半ばで週の取引を終えている。

【カナダ中銀、利上げに慎重の文言外す】
 30日にカナダ中銀政策理事会は、事前見通し通り政策金利の現状維持を発表。声明ではこれまで見られた利上げに対して慎重(CAUTIOUS)という表現を外してきた。また、これまで見られた緩和的な金融政策が必要であるとの文言も外してきた。これらを受けて、市場は早期の利上げが近いという見方を強め、カナダ買いが広がっている。市場では次回7月の会合で利上げを実施するとの見通しが大勢となった。

【米雇用統計はかなりの好結果】
 注目された1日発表の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が予想を大きく上回る22.3万人と、20万人の大台を超える好結果。失業率も3.8%と、予想外に低下という好結果に。インフレとの関連で注目が集まっている平均時給も、前月比、前年比ともに予想及び前回値を超える好結果となっており、相当に強い数字となっている。今月の利上げ実施はもちろん、年内後3回の利上げへの期待が強まってもおかしくない数字となっており、今後の物価動向などによっては、ドル高が長期的に強まる期待も。

【主要経済指標・イベントレビュー】
28日
米国、英国市場は休場

29日
日本雇用統計(4月) 失業率2.5%
米消費者信頼感指数(5月) 128.0
セントルイス連銀総裁 政策金利はすでに中立に近い

30日
黒田日銀総裁 好調な世界経済を背景に、投資活動はより活発に
米GDP改定値(第1四半期) 前期比年率2.2%
米ADP雇用者数(5月) 17.8万人
カナダ中銀政策金利 1.25%据え置き カナダ中銀 これまでの慎重な姿勢という文言を削除
米地区連銀経済報告(ベージュブック) 景気は緩やかに拡大

31日
中国製造業PMI(5月) 51.9
ユーロ圏失業率(4月) 8.5%
米個人支出(4月) 前月比+0.6%
米中古住宅販売制約指数(4月) -1.3%
ブレイナードFRB理事 金利は中立水準を上回る可能性
クリーブランド連銀総裁 漸進的な利上げが必要

1日
米雇用統計(4月)非農業部門雇用者数 22.3万人
米ISM製造業景況指数(5月) 58.7
スペイン議会 ラホイ首相の不信任決議を可決

【6月4日からの週の注目ポイント】
4日
トルコ消費者物価指数(5月)                   
米製造業新規受注(4月)                    

5日
豪中銀政策金利                      ☆☆☆
米ISM非製造業景況指数(5月)                ☆☆

6日
豪GDP(第1四半期)                     ☆☆
インド中銀政策金利                      
米貿易収支(4月)                      ☆☆

7日
トルコ中銀政策金利                    ☆☆☆
日米首脳会談                       ☆☆

8日
日本国際収支(4月)                      
日本GDP改定値(第1四半期)                  
中国貿易収支(4月)                      
G7首脳会議                        ☆☆☆

9日
中国消費者物価指数(5月)                   
中国生産者物価指数(5月)                   
*重要度を3段階で表示



2018年6月4日

みんかぶ 山岡 和雅

担当
外国為替情報
経歴
1992年から、10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画後、事業譲渡により2016年3月にみんかぶグループ入り。
レベルの高い情報を易しく丁寧に提供するだけでなく、専門家の目による分析などを加え、実際の取引に役立つ国際金融情報の提供に努めています。
主な著書
はじめての人のfx基礎知識&儲けのルール(すばる舎)
夜17分で、毎日1万円儲けるFX(アスカビジネス)

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